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【受け取り期限切れ】介護の現場から見えてくる消える配当金を追え

「受け取り期限が切れてしまって配当金を受けとれない高齢者が増えている」

日本の金融資産の大部分は高齢者が握っているのは周知の事実です。配当金を受け取る権利がある高齢者も少なくありません。

私には介護の仕事で高齢者の家庭に訪問する機会がある介護支援専門員(ケアマネージャー)の友人がいます。

彼から聞いた話によると、寝たきりや認知症になってしまった高齢者の配当金が消えてしまう事例が度々あるという話を聞きました。

配当金が消えるとはどういうことなのでしょうか。

高齢者の多くが郵便局で配当金を現金で受けとっています。

しかし配当金には受け取り期限があり、多くの高齢者が何らかの事情で配当金を受け取れず結果的に配当金が消えてしまうというのです。

介護現場で何が起きているのかを踏まえながら、高齢者の消える配当金問題の対策について解説します。

高齢社会で問題になりつつある「消える配当金」

配当金が消えるなんてありえるのか?

私は友人の介護支援専門員から介護現場で配当金が消えているという話を聞き驚きを隠せませんでした。

配当金は証券会社の口座に自動的に振りこまれるのが当たり前で、配当金を受け取りそびれるなどありえないと考えていたからです。

しかし配当金の受け取り方式次第で配当金の受け取り期限が切れてしまうのです。

郵便局で配当金を受け取る方式には受け取り期限がある

郵便局で配当金を受け取る方式を「配当金受領証方式」といいます。

配当金受領証方式は株券の電子化前から行われている方式で、配当金を最寄の郵便局で現金で受けとることができます。

昔から株投資をしている人の中には現金で配当金を受けとることを楽しみにしている人が大勢いたのです。

郵便局は全国規模のネットワークがあり、田舎でも配当金を現金で受け取れるということで一般的な受領方法でした。

しかし受け取り期限があるのです。配当金受領方式で配当金を受け取るためには通常、約1ヶ月以内に手続きをしなければいけません。

配当金受領方式の配当金は3年で受け取り資格を失う

配当金受領方式の配当金は支払い開始の日から満3年経つと配当金を受け取り資格も失ってしまいます。

受け取り期間を過ぎていても、支払い開始日から3年以内ならば配当金を受け取れます。

しかし3年を過ぎてしまうと配当金の受け取り資格自体がなくなってしまいます。配当金が文字通り消えてしまうのです。

介護現場の人が語る配当金を受け取れない高齢者

高齢者の配当金が何故、消えてしまうのかを友人の介護支援専門員の方に解説してもらいました。

今後、日本はますます高齢社会になり独り身の方も増えていくことが予想されます。

まだ若い人でも将来、人は必ず年をとります。介護現場では何が起きているのでしょうか。

高齢者が郵便局まで配当金を受けとりにいけない

高齢者の中には寝たきりになってしまったり、足腰が弱って外思うようにを歩けない人も珍しくありません。

最寄の郵便局が移転しまって車もないため配当金を直接受け取りにいけないことがあります。

通常、約1ヶ月以内に配当金を受け取りにいかなければならないため、なかなか受け取り期限に間に合わない高齢者の方もいるそうです。

高齢者が認知症で配当金そのものを忘れてしまう

高齢者が認知症になってしまい、配当金そのものの存在を忘れてしまうケースもあります。

配当金を受けとれること自体を忘れてしまい、気づいたら配当金の受け取り資格までも消失していることも珍しくありません。

親族の方が受け取れるはずの配当金そのものが消えてしまったことに落胆してしまうことも増えていくのではないでしょうか。

介護の現場では高齢者の生活保護と配当金の間で苦悩の声も

配当金を受け取ってしまうと生活保護の費用が削減されてしまう可能性もあると聞きました。

生活保護の審査で配当金を受け取れる権利があっても申請が通るケースもあるようです。

配当金を受け取ってしまうと収入になり、保護費が減ってしまうことから配当金の受け取り自体をしないというのです。

中に浮いた配当金を清算しておけば、配当金が無駄に中に浮くこともなかったのかもしれません。

配当金の受け取り漏れを防ぐ方法

配当金の受け取り漏れを防ぐにはどのようにすれば良いのでしょうか。

結論から言えば配当金受領方式から別の受取り方式に切り替えれば良いのです。

  • 身内に配当金を受けとれる高齢者がいる
  • 自分自身が将来、配当金を郵便局で受け取るのに不安がある
  • 郵便局に期限内に配当金を受け取りに行くのが面倒

という人で現在、配当金受領方式を選んでいる人がいたら配当金の受け取り方を変えれば解決できます。

株式数比例分配方式

株式数比例分配方式は、保管振替機構(ほふり)の株主情報を利用して証券口座で配当金を受領する方法です。

2009年から加わった方式でNISAの配当金非課税を適用する際にも株式数比例分配方式を利用する必要があります。

この方式をはじめから選択しておけば配当金を受け取りそびれてしまう心配もありません。

登録配当金受領口座方式

国内株式などの配当金を指定した金融機関口座で受け取る方法です。

保管振替機構(ほふり)の残高に応じた配当金が、直接金融機関口座に振り込まれます。

普段、使っている金融機関の口座に直接、配当金が振り込まれるためとても便利です。

その代わり受け取られた配当金はNISAの非課税の対象にはならないため注意が必要です。

家族などの協力やサポートも配当金受け取り時に大切

配当金の受け取り方を変更するのも高齢者にとっては難しいものです。

消える配当金の問題を解決するには高齢者の周りのサポートが不可欠ではないでしょうか。

配当金を受け取るための手続きの変更などアドバイスできるところやサポートできるところは手伝ってあげることで、無駄になる配当金も減らせます。

まとめ

高齢者が郵便局で配当金を現金で受け取る配当金受領証方式を選ぶ人がたくさんいます。

そして配当金の受け取り期限が過ぎてしまい、結果的に配当金受け取りの権利までも消失してしまう事例が増えています。

配当金を確実に受け取るなら、

  • 株式比例分配方式…証券口座で直接、配当金を受け取る
  • 登録配当金受領口座方式…指定した金融機関に直接、お金を振り込んでもらう

この2つのどちらかを選ぶべきです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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