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米大手小売銘柄比較:アマゾンとウォルマート

モトリーフール米国本社、2019713日投稿記事より

アマゾン(NASDAQ:AMZN)とウォルマート(NYSE:WMT)は、米小売市場を支配し、そして世界に進出しています。

業績拡大に比例して、両社の株価は上昇しています。

それでは、現時点ではどちらの株が優れているのでしょうか。

両社の競争戦略、財務基盤、成長性、バリュエーションを見てみます。

競争戦略

27カ国にある11万以上のウォルマートの店舗は、従来の小売事業の拠点としてだけでなく、電子商取引の注文履行および配達のための拠点としても機能しています。

ウォルマートは、店舗とオンラインをシームレスに融合するべく積極的に投資しています。

米国では、人口の約90%がウォルマート店舗の10マイル(約16キロメートル)以内に住んでおり、巨大な店舗網は、他の既存小売企業が太刀打ちできない強力な競争優位性となっています。

一方、アマゾンは世界中に戦略的に配置された流通センターネットワークによって、店舗不足の弱点を補っています。

これらのハイテク倉庫を活用することで、1000万以上の商品を1日で出荷できます。

ウォルマートの店舗は買い物客に高いレベルの利便性を提供していますが、アマゾンはプライム会員に対して無料配送オプションで対抗しています。

なお、ウォルマートの小売事業はその売上のほぼ全てを占めていますが、アマゾンは多様な事業を行っています。

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、世界をリードするクラウドコンピューティングサービスです。

一部のアナリストは、AWSの市場価値が2022年までに約3500億ドルになると予想しています。

また、アマゾンのデジタル広告ビジネスは急速に拡大しており、2022年までに年間売上高が220億ドルに達する可能性があります。

いくつかの強力な事業が成長を促進しているため、アマゾンはウォルマートよりも強い競争力を持っています。

財務基盤

ここで、いくつかの重要な財務指標(年率換算)について、アマゾンとウォルマートの現状を見てみましょう。

財務指標 アマゾン ウォルマート
売上高 2,415億5000万ドル 5,156億4000万ドル
営業利益 149億1000万ドル 217億5000万ドル
営業キャッシュフロー 343億6000万ドル 261億6000万ドル
フリーキャッシュフロー 207億4000万ドル 154億2000万ドル
現預金 370億2000万ドル 92億6000万ドル
負債 233億2000万ドル 537億2000万ドル

出典:モーニングスターと両社の財務報告。記事執筆時点

ウォルマートは、アマゾンの2倍以上の売上高と、より多くの営業利益を生み出しています。

ただし、アマゾンはこの1年で営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローが増加しています。

アマゾンもまた、強い財務基盤を持っています。

現預金と有利子負債の差に関して、ウォルマートは約440億ドルの純負債ですが、アマゾンは約140億ドルのネットキャッシュとなっており、アマゾンはこの点で優位に立っています。

成長性

成長性の比較になると、アマゾンの方が極めて有利です。

アマゾンの売上高と営業利益は、近年、ウォルマートに比べて大幅に拡大しています。

アマゾン(青)とウォルマート(オレンジ)の増収率と営業利益の変化率(12カ月ベース、単位:%)

出典:YCHARTS。2019年7月9日時点

アナリストは、アマゾンのこの傾向が続くと予想しており、売上高は2019年と2020年にそれぞれ約18%増加すると見込んでいます。

そして、AWSとデジタル広告の力強い成長に支えられて、今後5年間では1株当たり利益は毎年33%増加すると予想されています。

ウォルマートは、今後2年間の年間増収率は約3%と予想されています。

さらに、ウォルマートが出資しているインドのEコマース企業フリップカートへの投資が業績を圧迫する可能性があるため、利益は今後5年間で毎年5%未満しか増加しないと予想されています。

明らかに、アマゾンは今後数年間で予想される増収率と増益率で強みを持っています。

バリュエーション

最後に、いくつかの一般的な株式バリュエーション指標に関して比較します。

バリュエーション指標 アマゾン ウォルマート
PSR(株価売上高倍率) 4.11倍 0.63倍
株価フリーキャッシュフロー倍率 47.89倍 20.99倍
実績PER(株価収益率) 84.22倍 39.53倍
予想PER 52.74倍 22.37倍

出典:YAHOO! FINANCE。記事執筆時点

アマゾンの株価には高成長への期待がかなり織り込まれています。

ウォルマートの株価は、上記のバリュエーション指標では、アマゾンに対して割安と考えられます。

結論

ウォルマートの株価は割安かもしれませんが、アマゾンの様々な成長ドライバーを考えると、アマゾンの方が魅力的との見方があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Joe Tenebrusoは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、アマゾン株を保有し、そして推奨しています。

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