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景気後退に強い米国株3選:コムキャスト、ゼネラル・ミルズ、Tモバイル

モトリーフール米国本社、2019年10月3日投稿記事より

米国では景気後退を懸念する声が高まっており、多くの投資家はポートフォリオの調整を急いでいます。

しかし、経済動向にかかわらず事業を展開できる銘柄を保有することは、投資戦略における勝利の方程式の一つと考えられます。

そのような観点から、総合メディア企業のコムキャスト(NASDAQ:CMCSA)、パッケージ食品大手のゼネラル・ミルズ(NYSE:GIS)、携帯電話キャリアのTモバイル(NASDAQ:TMUS)を紹介します。

コムキャスト:インターネット関連事業の強み

コムキャストは、多角的なメディア企業です。

事業内容は、ケーブルTVや高速インターネットサービスを中心に、コネクテッドTVサービス、欧州におけるテレビ放送、自宅でのヘルスモニタリングなど多岐にわたります

現在、インターネットアクセスはもはや生活必需品と言っても過言ではないでしょう。

より高速のインターネットが普及し、さらにサービス料金も低下しています。

そしてインターネットサービスは、コムキャストの最大事業部門であるケーブル通信のベースとなっています。

ケーブル通信部門は、コムキャストの第2四半期(4~6月)の全売上高の約半分、利益の約3分の2を占めています。

景気後退となった場合でも、消費者は既に料金が低下しているインターネットアクセスをやめることはないでしょう。

そして、コムキャストの放送セグメントやまもなく開始される「ピーコック」ストリーミングサービスは、高額なケーブルTVパッケージに対する割安な代替サービスとなります。

なお、コムキャストは前回のリセッション(リーマンショック)期間において、売上高および利益を着実に増加させており、次のリセッションが到来したとしても、同様に持ちこたえると予想されています。

株価は現在、株価フリーキャッシュフロー倍率の14倍程度で取引されており、経済の不透明感が高まる中、ポートフォリオに追加する好機との見方があります。

ゼネラル・ミルズ:リセッションに強い安定的な食品ブランド

リセッション時の投資を考えた場合、やはり注目されるのは食品企業でしょう。

リセッションになると人々は一般的な消費を控えますが、基礎的な食事を減らすことはできません。

結局、人々は毎日食べる必要があります。

パッケージ食品大手のゼネラル・ミルズは、前回のリセッション時に際立っていました。

株価は2008年半ばにピークを付け、その後金融危機の最悪期に急落しました。

しかし、2009年末までには急落分を取り戻して回復し、さらに金融危機時も増配を継続していました。

近年、ゼネラル・ミルズやその他の食品大手の株価は、調整しています。

より健康的でより新鮮な食品に消費者の関心が大きく移りつつあり、これまでのパッケージ食品の人気が低下しています。

これに対応するため、ゼネラル・ミルズは幾つかの買収を行っています。

直近では、2018年初めに自然食ペットフードのブルーバッファローを買収しました。

しかし、多くの場合、同社は自社ブランド製品の改善にフォーカスしています。

これらの戦略実行の結果はまちまちで、昨年のオーガニック売上高はわずかな回復の兆候を見せただけです。

なお、2020年度第1四半期(6~8月)の営業利益は前年同期比10%増と伸びています。

【米国株動向】ゼネラル・ミルズ、第1四半期は強弱入り交じった決算に

しかし、経済状況が厳しくなった場合、高価格の商品を展開していて、かつ利幅の薄いビジネスを行っている新興食品企業は、ゼネラル・ミルズなどの安定的なブランドへの対抗余地が小さくなっていきます。

さらに、ゼネラル・ミルズの配当利回りは現在3.6%で堅実です。ディフェンシブなスタンスを取る場合、ゼネラル・ミルズが有望との見方があります。

Tモバイル:健全なバランスシートの携帯電話キャリア

2008年の金融危機の際、モバイル通信キャリアはかなり堅調に推移しました。

携帯電話の通話範囲、信頼性、携帯性などの向上により、携帯通信機器は必携となり、米国の多くの家庭では既に固定電話がありません。

そして、次のリセッションが来たとしても、人々が携帯電話を手放すことはありえないでしょう。

そして、携帯電話などの移動体通信が高額だったのは過去の話です。

一時はかなり高かった無制限のデータプランも、競争激化でかなり値下がりしています。

Tモバイルは価格競争の最前線に立っていて、AT&T(NYSE:T)やベライゾン(NYSE:VZ)以下の価格で無制限データプランを提供しています。

Tモバイルは、次世代5Gモバイルネットワークでも同様のサービスを展開しようとしていて、ユーザーニーズに合わせて、通信の最高速度ではなく最大通信範囲で勝負する意向です。

5Gにおいて、多くのユーザーは価格を重視してTモバイルのサービスを利用するとみられます。

Tモバイルが有利なもう一つの点は、債務水準です。

ベライゾンとAT&Tは過去10年間にメディア関連の大型買収(ベライゾンはAOLと米ヤフー、AT&Tはタイム・ワーナー)を行い、債務残高が膨れ上がっています。

一方、Tモバイルはネットワークの改善に注力してきたため、2社に比べると債務水準が低く、機動的な事業展開が可能です。

下のチャートで分かる通り、近年、ベライゾンとAT&Tの負債資本倍率(DEレシオ)は約1倍から2倍で推移していますが、Tモバイルは0.5倍以下です。

また、長期債務についても、Tモバイルは約112億ドルで近年推移していますが、AT&Tは約1706億ドル、ベライゾンは約1134億ドルと大規模買収の結果、巨額になっています。

Tモバイル(青)、ベライゾン(オレンジ)、AT&T(赤)、スプリント(緑)のDEレシオ(単位:倍)と長期債務残高(単位:10億ドル)

出典:YCHARTS。四半期推移。2019年10月1日時点

もちろん、米政府が審議を進めているTモバイルとソフトバンクグループ傘下で米携帯第4位のスプリント(NYSE:S)の合併案が認められれば、Tモバイルの債務が一時的に増加しますが、合併により数百億ドルのコスト削減効果が見込めるため、Tモバイルは健全なバランスシートを維持できると考えられます。

結論としては、Tモバイルは、米国経済が落ち込んだとしても、競合大手の機先を制し続けると考えられます。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Nicholas Rossolilloは、AT&T株、コムキャスト株、ベライゾン・コミュニケーションズ株を保有しています。モトリーフール社は、コムキャスト株、Tモバイル株、ベライゾン・コミュニケーションズ株を推奨しています。

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