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雇用統計とは?市場でもっとも注目される経済指標の見方

数ある経済指標の中で、もっとも注目されているのが「米国の雇用統計」。

株式市場や為替市場など金融市場全体がお祭り状態となるビックイベントです。

雇用統計とはどのような指標なのか、マーケットにどのような影響を与えるのかについて詳しく解説していきます。

雇用統計とは

雇用統計はその国の雇用情勢を示す指標で、世界各国がそれぞれの雇用統計を発表しています。

とくに注目が高いのが米国の雇用統計です。株式市場・為替市場など、あらゆるマーケットに大きな影響を及ぼしています。

雇用の状況は、日本と比べてリストラしやすい米国企業の景況感をリアルタイムに反映しています。

米国では企業の業績が悪くなると、労働者の一時的解雇であるレイオフで人減らしをすることが多いため、景気と雇用者数の連動性が日本と比べても高いとされているからです。

米国のGDPは個人消費が7割を占めています。個人消費の動向が米国の経済に大きな影響を及ぼすのです。

その消費者である個人の就労がどのような状況にあるのかというのが雇用統計でわかるので、マーケットでも注目されているのです。

米国の雇用統計はいつ発表される?

  • 発表日…毎月第一金曜日
  • 時間…22時30分(米国夏時間21時30分)
  • 発表期間…労働省労働統計局

米国の雇用統計は、毎月第一金曜日の22時30分(日本時間)に発表されます。

ただし、米国夏時間(3月第2日曜日から11月第1日曜日まで)では1時間早まり、日本時間の21時30分からとなります。

雇用統計で確認すべき指標

米国の雇用統計は10数目の項目で構成されますが、中でも重要視されているのが、「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。

米国非農業部門雇用者数

農業以外の産業の民間企業で支払われた給料をもとに集計したもので、経営者や自営業者は除外されます。

業種別でも発表され、とくに製造業の注目度が高いです。

雇用者数は景気が後退すると減少し、不景気の終わりからその少し後に回復しやすい傾向があります。

雇用が良ければ、「株高→金利上昇→米ドル高」につながりますし、悪化していれば「株安→金利低下→ドル安」につながる傾向にあります。

失業率

雇用統計と並んで重要なのが、「失業率」です。

失業率とは、労働力人口のうち失業者が占める割合を示します。計算式は以下の通りです。

  • 失業率 = 失業者 ÷ 労働人口 × 100

失業率が高いと、失業者が多くなっているので雇用状況は悪化。

低いと失業者が減り、雇用状況が良好になっていると判断します。

雇用環境が改善されるということは、消費意欲の高まりにつながり、企業業績やGDP(国内総生産) の改善につながります。

ただし、失業者や労働人口の定義は国によって異なるので、国際比較には向いていません。

あくまでも前回との比較や推移を見る指標です。

雇用統計がなぜ重要なのか

世界経済に大きな影響を与える

米国は世界経済の中心で、世界のGDPに占める米国の割合は、約25%にもなっています。

米国が不況になると全世界が影響を受けるため、米国の雇用統計に世界中が注目しているのです。

米国の金融政策にも影響を与える

米国の雇用統計は速報性に優れていて、米国経済の全体を把握できることから注目されています。

とくに FRB( 連邦準備理事会)も注目しており、FOMC(連邦公開市場委員会)で金融政策を決定する際にも参考にされている指標です。

米国が利上げをする、しないという金融政策の決定は、株式や債券・為替などあらゆるマーケットに影響します。

その金融政策の判断基準になる基になる重要データの一つが「雇用統計」なのです。

個人消費が米国GDPを支えている

米国は雇用の流動性が高いので、転職や解雇などが頻繁に行われています。

そのため、1ヵ月単位でも就業者数や失業率に変化がでるのです。

働いている人が減れば物を買う人が減り、不景気になります。

逆に働く人が増えていれば所得が増え、物を買う人が増えるので好景気になると判断されるのです。

とくに米国はGDP(国内総生産)に占める個人消費の割合が高く、約70%にもなります。

GDP第2位の中国は約35%、3位日本は約60%ですから、米国経済は個人消費に左右される度合いが高いということがわかります。

ですから、個人消費に影響を与える雇用統計の注目度が高くなっているのです。

雇用統計が日本株に与える影響

アメリカ景気の実態を表す最新の数値として、雇用統計は株式市場・為替市場・債券市場などのマーケットに大きな影響を与えます。

とくに事前の予想に対して、非農業部門雇用者数と失業率がどのようになったかが注目されているのです。

事前の予想に対して期待以上であれば相場は好転し、期待はずれだと悪化する傾向にあります。

予想値と発表値の差が大きければ大きいほどマーケットに影響を与えるのです。

とくに非農業部門雇用者数は想定外の数字が発表されることが多いので、サプライズ(予想外の値動き)が起こりやすくなります。

雇用統計が発表されるのは日本時間の夜ですが、翌日の値動きに大きな影響を与えます。

雇用統計の結果を見て、NYダウとドル円相場は必ずチェックするようにしておきましょう。

雇用統計を受けてNYダウが上昇していれば、翌日の日経平均株価も高く始まると予想できますし、NYダウが下落していれば、安くなると考えられます。

また、ドル円相場が円安方向に振れていれば日経平均株価は高くなりますし、円高方向に振れていれば安くなる傾向にあります。

まとめ

今回は、米国雇用統計について解説しました。

世界経済やマーケットに大きな影響を与えるので、雇用統計は必ずチェックするようにしましょう。

とくに「非農業部門雇用者数」と「失業率」が、事前の予想に比べて結果がどのようになったかを確認することが大切です。

雇用統計は米国経済を映す鏡です。

毎月第1金曜日の夜は、雇用統計をチェックするという習慣をつけるようにしましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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