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海外のソーシャルレンディング事情は?日本との違いを解説

ソーシャルレンディングは日本で急成長していますが、欧米をはじめとした世界でも盛り上がっています。

欧米では、「P2Pレンディング」と呼ばれ、米国や英国を中心に2000年代初頭から普及してきました。中国でもソーシャルレンディングが普及しています。

この記事では、海外のソーシャルレンディング事情について解説します。

世界のソーシャルレンディング市場

欧米では、ソーシャルレンディングのことを「P2Pレンディング」とも呼びます。

P2Pレンディングとは、インターネットを通じて資金の出し手となる一般の個人投資家と、借り手となる中小企業や個人を結びつける仕組みのこと。

資金の出し手は、預金や国債などよりも高い利回りを手にでき、資金の借り手は銀行よりも柔軟で使い勝手の良い資金を調達することができます。

ソーシャルレンディングは、アメリカ・中国・ヨーロッパを中心に世界的にその規模を拡大しています。

しかし、各地域によって中心の事業内容は、以下のように異なります。

  • 欧米 個人間融資(P2Pレンディング)
  • 中国 法人
  • 日本 不動産

それぞれ詳しく見ていきましょう。

欧米のソーシャルレンディング市場

欧米のソーシャルレンディングは、インターネットを利用した個人間融資(P2Pレンディング)として語られることが多く、ソーシャルレンディング市場の中心を占めています。

2008年のリーマンショックで世界的に銀行が金融引き締めを強める中、台頭してきたのがP2Pレンディングなのです。

最近では市場の拡大とともに、不動産ローンや自動車ローンなど様々なローン分野にもソーシャルレンディングが拡大してきています。

そして、グローバル市場において特に存在感を高めているのが南北アメリカ地域で、2020年までに市場の45%以上のシェアを獲得すると見られています。

それでは、代表的なソーシャルレンディング事業者を見ていきましょう。

世界最大手は米国の「レンディングクラブ」

出典:レンディングクラブ

ソーシャルレンディング業界の世界最大手は、米国の「lending club(レンディングクラブ)」です。

2014年12月にニューヨーク証券取引所に上場し、当時の時価総額で1兆円を超えるなどFintech (フィンテック)の注目企業として話題になりました。

レンディングクラブは、消費者向けの無担保ローン商品が主力。

2016年時点で2兆円もの貸出残高を持つ世界最大のソーシャルレンディング事業者です。

米国のソーシャルレンディング市場が5.5兆円なので、その3割以上のシェアを占めています。

PROSPER(プロスパー)

出典:プロスパー

プロスパーも、米国を代表するソーシャルレンディングです。

セコイアキャピタルやブラックロックなど有力な投資家や資産運用会社から出資を受けているので、信頼性が高い事業者です。

消費者ローンの投資商品をメインに扱っています。

ZOPA(ゾーパ)

出典:ZOPA

ソーシャルレンディング発祥の地は英国です。

英国で創業したゾーパは、ソーシャルレンディング業界の草分けとして大きなシェアを獲得し、P2Pという分野を初めて開拓しました。

中国のソーシャルレンディング市場

欧米の次に、中国でソーシャルレンディングが盛り上がりました。

欧米は個人間融資ですが、中国では法人向け融資を中心として市場が拡大しています。

中国のソーシャルレンディング事業者では、Yirendai(宜人貸)、QudianQ(趣店)、Hexindai(和信貸)などが米国市場に上場しています。

中国は共産主義なので、銀行融資は中国政府の厳しい規制の下で行われています。

しかし、中国では経済が急速に発展しているので、現行の銀行制度では中小企業の資金需要に十分に答えることができません。

そこで、インターネットを通じて個人からお金を集めることができ、柔軟に中小企業の資金需要に応えられるソーシャルレンディンが中国国内で広まりました。

中国では個人の信用力をポイント化する信用スコアが広まっていて、ソーシャルレンディングが進めやすい環境にあったのも普及の一因でした。

しかし、中国では投資家の資金持ち逃げ事件が発生するなど、市場が急拡大する一方でひずみも生じていて、中国政府は規制を強化。

2018年にはソーシャルレンディングを提供している事業者が全国で1800社以上といわれるなか、300以上のサービスが中止されました。

さらに、今後は800社程度まで減少すると見込まれています。しかし、規制強化は業界の健全な育成につながると考えられています。

日本のソーシャルレンディング市場

日本のソーシャルレンディング市場は、不動産融資を中心として発展してきました。

バブル崩壊から2000年代初頭の金融危機、そしてリーマンショックを経て不動産に融資できる金融機関は大きく減少してしまいました。

以前はノンバンクが不動産融資のメインプレイヤーでしたが、多くの企業が銀行の系列に入ってしまい、十分な資金を供給できなくなりました。

そのような中でソーシャルレンディング事業者が日本で立ち上がり、ノンバンクが担ってきた不動産融資の代替プレイヤーとして拡大したのです。

まとめ

ソーシャルレンディング市場は世界中で拡大していますが、以下のように国や地域によって事業内容の中心が異なります。

  • 欧米…個人間融資
  • 中国…法人
  • 日本…不動産

しかし、それぞれ独自に発展を続けており、市場拡大の勢いは止まりそうにありません。

中でも中心は米国です。米国では消費者ローンが中心でしたが、不動産ローンなどにも広まっていることが、市場拡大の原動力になっています。

ソーシャルレンディングは、世界経済の潤滑油になることが期待されています。これまで金融機関では融資を受けられなかった企業やサービスでも、資金を受けられるようになったからです。

今後、世界のソーシャルレンディング市場は、ますます拡大を続けていくことでしょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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