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マイクソフトは、いかにして時価総額世界一に返り咲けたのか?

FANG相場と言われた時期は、アップル(AAPL)がしばらく時価総額世界一にあり、それをアマゾン(AMZN)が追うという展開で見ていました。

アマゾンがアップルを抜いて世界一になる日は近いと思っていました。

ところが、2018年の10月からの市場の混乱の中で、様相が少し変わってきました。

2018年12月末ではマイクロソフト、アマゾン、アップルの順になっていました。それが2019年1月末ではアマゾン、マイクロソフト、アップル。

2019年2月からは、マイクロソフトが首位を守り続け、2位・3位をアップルとアマゾンで争う構図になってきています。

そして、時価総額そのものも、今年の6月から1兆ドルを超えてきています。

ここには、単にアップルやアマゾンが様々な問題が出てきて株価を落としたということだけにとどまらないと見て良いかと思います。

そこで、マイクロソフトの儲けの構造を少し見てみたいと思います。

マイクロソフトは、MS-DOSやWindowsなどOSの会社として、インテルの半導体とともに、Personal Computingを一気に加速させた存在です。

そして、ワープロ・表計算・プレゼンなどのオフィス用ソフトウェアとして、マイクロソフトオフィスの会社としてビジネスに必須のソフトウェアの会社になりました。

インターネットが普及してくるとインターネット・エクスプローラーを普及させていきました。

OSを押さえたことで、その後のPersonal Computingの進化、インターネットを中心とした世界への変化の中で、その地位をうまく利用してキャッチアップし、そしてまた先頭を走っている、常にソフトウェアを売る会社のイメージです。

強すぎるが故に、反感も買われたりしていたような存在でした。

現在のマイクロソフトはどうなっているのでしょうか?

大きく分けて3つのビジネスセグメントに分かれています。直近の四半期では、以下の3部門の売り上げはほぼ同じです。

全体としての、粗利益率(Gross Margin)は69%、営業利益率(Operating Income Percentage)は37%、ソフトウェアはこんな儲かるビジネスなんだと改めて思ってしまいました。これは、投資家としては魅力的です。

  • Productivity and Business Processes:オフィス商業用プロダクトやクラウドサービス、オフィス消費者用プロダクトとクラウドビジネス、LinkedIn、Dynamics(ビジネスアプリ)などが含まれています。
  • Intelligent Cloud:サーバー関連プロダクトとクラウドサービス(Azure)。そしてエンタープライズサービスなどが含まれています。
  • More Personal Computing:Windowsおよびその関連プロダクトやクラウドサービス。デバイスであるサーフェス(Surface)、広告、ゲーム(X-box)などが含まれます。

昔のマイクロソフトのイメージは、Productivity and Business ProcessesのOffice関連ビジネスとMore Personal ComputingのWindows関連ビジネスあたりでしょうか。新たな分野がどんどん広がっています。

Productivity and Business Processesでは、Office365が収益成長に大きく寄与しているようです。

これは、これまでのソフトウェアの販売方法を根本から変え、サブスクリプション型でOfficeのソフトウェアを提供していくものです。

これはマイクロソフトには収益に安定性をもたらす上に、利用者には常に最新のソフトウェアを定額で利用できるというメリットがあります。

ビジネスユースでは、Office365を更に発展的にそして効率的に使うためのグループチャット機能としてのMicrosoft Teamsというサービスも展開しています。

そして、ひそかにLinkedInが伸びているようです。売上が25%の伸びとのことです。

そう言えば、以前よりLinkedInを見るようになっていることは実感しています。

この部門は、おそらくマイクロソフトの屋台骨的な部門だったと思われるが、この部門の再加速が、マイクロソフト躍進の一つの要因かと思います。

四半期で$11bilの売上で、しかも14%も伸びています。

何と言っても最大の成長要因は、Intelligent Cloud部門でしょう。

ビジネス・クラウドでは、トップを走るとアマゾンのAWSとマイクロソフトのAzure(アジュール)が熾烈な争いをしています。

クラウドサービス市場は昨年27%、今年は31%で成長しており、その成長性は今後も継続しそうな勢いです。

その中で、アマゾンのAWSがトップシェアを保っていますが、マイクロソフトのAzureは、ビジネスでデファクトスタンダード化しているOfficeなどのマイクロソフトとの親和性が当然のことながら極めて高いので、その使いやすさを武器に猛追していると言われています。

このクラウドの成長性を株価としてはアマゾンよりもマイクロソフトの方が恩恵を受けやすい。

それは、このビジネスの全体に占める割合によるものです。

アマゾンではまだ10%程度です。マイクロソフトでは約1/3。その成長のインパクトはマイクロソフトの方が大きい。

そして、更に注目すべきは、AI開発に積極的に投資し、Azure上でもAIが使えるような状況になっていることです(顔認識、音声認識、テキスト分析など)。

これまでも、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションの元に、ビジネスのフォーカスを調整し最先端を常に目指してきており、それをほぼ実現してきています。

ビジネスを時代に合わせてシフトさせる柔軟さと力づくでもトップを取りに行く姿勢がマイクロソフトの強みであり、投資家による評価が時価総額世界一として表れているということかと思います。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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