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分散投資はどこまで細分化すべきか?

投資の理論を勉強すると、必ず、リスクを抑制しながらリターンを確保することが出来る分散投資をすすめています。

分散投資は有力なリスク抑制の方法でもありますが、使い方を間違えると、努力を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

どのレベルでどの程度するのが良いのか、ということを考えておく必要があるかと思います。

複数の資産(投資対象)があったときに、最大のリターンを得られるのは、一番リターン予想が高いものだけに投資すること。

当たれば、大儲けです。しかし、外れると大負けということもあります。

その予想が外れたとしても、ある程度のリターンを得られるために、次にリターンの高そうなものを入れる。

ベストではないが、1番リターンが高いと思われるものが外れても、2番目が当たってくれれば、そこそこのリターンになる。

こうして、もし予想が外れても、ある程度のリターンを取ることを確保するために投資対象を増やしていく。

これが、分散のそもそもの考え方です。

予想が外れても、別のものでカバーできるようにしておく、ということです。

あるいは、大きくやられるものがあっても、その影響を小さくする、ということです。

ウォーレン・バフェットは、分散投資について、次のように言っています。

「分散投資は、自分を自分の無知から守る手段だ。自分が何をしているのか十分理解している人には分散投資は意味がない。」

その一方で、自分が死んだときに妻にその遺産をどうすべきかについて、S&P500のインデックスファンドに投資するように、と伝えると言ったそうです。

即ち、彼のように深くビジネスを理解して投資出来ないなら分散投資をした方が良いということです。

彼の言わんとすることは、分散をする度合いは、その人の知識、投資対象に対する理解との関数であるということです。

即ち、理解度の高い人が、集中投資をするのは正しいが、理解度が低い人の集中投資は単なる博打だということです。

投資先の数と博打度が反比例するイメージです。

動きの異なる資産、即ち、動きに関係がほとんどない(あるいは逆に動く)ものであれば、分散の効果は高い。

この投稿では、株式投資、特にアメリカ株投資の中でどこまで分散すべきかを考えたいと思います。

株式のリターンとリスクは、その銘柄の個別要因と、市場要因の二つに分解されます。

分散をすれば、個別部分のリスクは小さくなりますが、リターンも小さくなります。

その一方で、市場要因に起因するリスクもリターンも一定以下には減らすことはできません。

即ち、保有銘柄を増やせば、市場インデックスに近いリスク・リターンになるだけ、ということです。

そもそも、ニューヨーク・ダウ・工業平均30種、NYダウは30銘柄です。

NYダウの動きと500銘柄入っているS&P500と比較してもあまり変わらないところを見れば、30銘柄も入っていれば十分というのは直感的にわかるかと思います。

とすると30銘柄以下で分散すれば良さそうだと思われます。

実は、銘柄数とリスク分散効果の関係は、統計学的に関係を示すことができます。

N銘柄に分散したらリスクは√N分の1になる。具体的な数値を入れると以下のようになります。

2銘柄で、1/√2=0.71

5銘柄で、1/√5=0.45

8銘柄で、1/√6=0.35

10銘柄で、1/√10=0.32

20銘柄で、1/√20=0.22

30銘柄で、1/√30=0.18

これは、相関係数ゼロである場合ですが、実際には相関係数は、かなり高いので(市場要因によって動く部分が大きいため)、上の計算で分散できるのは個別銘柄固有のリスクになります。

10銘柄くらいまでは1銘柄増やす毎にリスクは大きく減ります。

多少大きく動くことに耐えられるなら、私の経験からしても、5~6銘柄でも十分ではないかと思われます。

当該企業のビジネスを十分理解し、経営陣の能力にも確信を持っており、株価が大きく動いたとしても、あまり気にしないでいられる、というレベルまでその銘柄を理解していれば、それで問題ないでしょう。

リサーチの労力を考えて、個人投資家であれば、最大でも10銘柄くらいまでにしておいた方が良いかと思います。

それ以上は、労力の効力が逓減します。

具体的にポートフォリオを組む際には、6銘柄に最終的にはするとして、当初はインデックス・ファンドも投資対象に入れておくというのも一つの方法です。

最初にインデックス・ファンドを入れ、個別銘柄を順次入れて積み上げていく。最終的にインデックス・ファンドをゼロにする。

この方法だと、リスクを不必要に取らず、自分の理解度のレベルに合わせて、集中度を高めていけます。

数学的に最適な銘柄数が導き出せる訳ではありません。

自分が理解できている範囲、フォローできる範囲、市場と異なる大きな動きにどれだけ耐えられるかのストレス耐性、別名リスク許容度、などによって決められるものです。

自分が、適度な緊張感を持って十分にリサーチの出来るほど良いと感じるレベルが最適なところです。

ある程度しっかりとリサーチをされることを目指すのであれば、10銘柄以下を目指して良いのではないかと思います。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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