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【米国株動向】配当株としてのラスベガス・サンズ、日本での成長性にも注目

モトリーフール米国本社、2019年9月19日投稿記事より

ラスベガス・サンズ(NYSE:LVS)は主要カジノ企業で、これまでは成長株として見られてきました。

同社はラスベガスで最大かつ最も利益率が高いカジノの一つであり、世界最大のカジノ市場であるマカオで最大のシェアを有し、そしてシンガポールでも収益性の高いカジノを運営しています。

近年、同社はマカオ、シンガポールでの成長の恩恵を享受してきました。

キャッシュフロー創出力を重視

ラスベガス・サンズは現在、成長株として見るべきではないかもしれません。

むしろ、そのキャッシュフロー創出力を重視すべきでしょう。

数十億ドルの費用をかけリゾート施設の建設がいったん完了すれば、カジノ、ホテル、ショップに至る全ての施設がキャッシュを生み出します。

この結果、ラスベガス・サンズは年間50億ドル超のEBITDA(支払い利息・税金・償却控除前利益、キャッシュフローに相当)を創出できるようになっています。

下のチャートで分かるように、過去5年間、EBITDAは30億ドル超で安定的に推移していて、直近では54億ドルに達しています。

ラスベガス・サンズの配当総額(青)とEBITDA(オレンジ)の推移(12カ月ベース、単位:10億ドル、配当総額は支払いなのでマイナス表記)

出典:YCHARTS。2019年9月19日時点

当面、ラスベガス・サンズにとって投資すべき新規地域がないため、キャッシュフローの大半は配当に回っており、現在の年間配当額は3.08ドル、配当利回りは5.3%に達しています。

ラスベガス・サンズは優れた配当株と考えられるでしょう。

キャッシュフローストーリーが崩れる可能性

しかし、投資家のとってのリスクは、ラスベガス・サンズのキャッシュフローが長期的に持続可能ではないかもしれないことです。

最も大きなリスクは、マカオのカジノ市場がふたたび不振に陥ることで、もし10年前の金融危機の時と同様に中国政府がマカオへの資金流入を抑え込んだ場合、1、2年で市場規模が半減する可能性があります。

ただし、ラスベガス・サンズは、10年前に比べるとそういったマカオなどでのショックなどを吸収出来る態勢になっています。

2008年に金融危機が発生した際、同社はマカオでの事業を完全に立ち上げておらず、シンガポールではマリーナ・ベイサンズを建設中だったため、キャッシュフローの純流出に見舞われました。

今日、負債総額は金融危機当時よりも増えましたが、キャッシュフローが急増しています。

この結果、同社のEBITDA有利子負債倍率は現在約2.2倍で、比較的保守的な財務体質を維持しています。

ラスベガス・サンズのEBITDA有利子負債倍率(青、12カ月ベース、単位:倍)と負債残高(オレンジ、四半期ベース、単位:10億ドル)の推移

出典:YCHARTS。2019年9月19日時点

カジノ関連株は他の多くの投資よりも全般的にリスクが高いとみられています。

しかし、ラスベガス・サンズについては、数年前に破産の懸念が高まった時に比べるとはるかに良い状態にあるでしょう。

日本での大きな成長機会

ラスベガス・サンズは成長株ではなく配当株であると前述しましたが、同社が成長株に復帰する可能性があります。

それは、日本でのカジノライセンスを取得した場合です。

同社は現在、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)建設入札で東京と横浜に焦点を絞っています。

施設建設には100億ドル規模のコストがかかりますが、世界でも最も利益率の高いリゾートになると見られるため、同社はリスクを取る価値があると考えています。

【米国株動向】ラスベガス・サンズ、日本のカジノ市場に照準

(訳注:日本ではIR誘致競争が活発化しており、東京はお台場を中心とした臨海副都心、横浜は山下ふ頭、大阪は夢洲(ゆめしま)を候補地としています。なお、ラスベガス・サンズは当初大阪に注目していましたが、東京および横浜に方向転換しました。大阪については8月下旬、競合のMGMリゾーツが大阪IRへのコミットメントを再確認しています。)

結論

仮にラスベガス・サンズが日本でカジノ市場に参入できたとしても、施設が完成しキャッシュフローを生み出すまでには5年以上かかるとみられます。

当面は5.3%の配当利回りを誇る優れた配当株と考えられるでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


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元記事の筆者Travis Hoiumは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、ラスベガス・サンズ株を推奨しています。

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