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国債の債券利回りはマイナスなのに売れる理由とは?

世界的な利回り低下を受けて、日本国債の7月分の購入金額が先月分の2倍に達しました。

しかし、日本国債の利回りは超低金利政策もあってマイナスのままです。

今回は日本国債の利回りがマイナスなのに売れる理由について解説します。

債券の利回りや、誰が日本国債を購入しているのか、そして日本を脅かす国について解説します。

債券の利回りとは

債券の利回りとは、投資額と投資によって生じた損益の割合を指します。

一般的な利子や利息とは意味合いが違うため、注意しましょう。

例えば、額面10,000円の債券を購入して、満期を迎えた時に10,500円として戻ってくるとします。

損益は500円となり、損益に対して投資額が10,000円のため、利回りはプラス5%となります。

では、額面10,000円の債権を購入して、満期を迎えた時に9,500円しか戻って来ないとします。

差額はマイナス500円となり、損益に対して投資額が10,000円のため、利回りはマイナス5%となってしまいます。

つまり、債権の利回りがマイナスというのは、債権を購入しても儲けるどころか、損をしてしまうケースの事を指します。

日本の国債が売れる理由

日本の国債は購入すれば、償還する時に損をしてしまう債券です。

しかしながら、日本の国債が売れるのには理由があるのです。

日本の国債で利回りがマイナスとなって話題になったのは2014年です。

10月発行の短期国債の平均落札金利がマイナス0.0037%となりました。

国債は国の借金であるにもかかわらず、国が利息を貰える事態となったのです。

普通に考えれば損をする国債ですが、マイナス金利であっても国債は売れました。

この理由としては、短期国債は信用力が高く換金性に優れているため、金融機関同士が取引する時の担保にもなるため、金融機関は購入したのです。

なにより、国債の損失は毎年起きるのではなくて、償還した時に発生するというのがポイントになります。

国債の期限が2年なら2年後、10年なら10年後に損失が発生します。

トランプのババ抜きで例えるなら、最後にジョーカー=国債を持っていると、損が発生するのです。

そのため、国債を持っている金融機関は期限が切れるまでに、別の金融機関に国債を高値で押し付けようとします。その相手が日銀になります。

日銀は中央銀行のため、金融機関にお金を渡し、国内の流動性を高める責任があります。

お金は流通すればするほど、経済が活発になります。

そのためにも、日銀は他の金融機関から国債を購入する必要があります。たとえ、落札価格よりも高値であっても、日銀は中央銀行のため必要とあらば円を発行できます。

つまり、日本の国債利回りがマイナスでも売れるのは、円を発行できる中央銀行がどんな事があっても購入してくれるという約束があるからなのです。

日本国債の買い手

どれだけ利回りがマイナスでも、日本の国債は日銀が高値で買ってくれるとなると、投資家はこぞって日本の国債を購入します。

特に2019年7月はアメリカを始めとして、様々な国が金利を引き下げました。

日本のようにマイナス金利を打ち出した訳ではありませんが、金利を下げたことで、逆にマイナス金利から動かさなかった円の人気が相対的に上昇。

結果として、7月は外国人投資家による日本国債の購入額が2兆8800億円と、先月の2倍以上となりました。

アメリカの利下げは年内にもう一度行われると予想されているため、更に日本国債が売れる可能性は十分にあります。

国債が売れるデメリット

日本の国債が人気の理由は日銀がどれだけ高値でも購入してくれるからです。

しかし、国債はあくまでも国の借金。つまり、時期が来れば必ず返済しなければならないお金になります。

現在の日本は少子高齢化が進んでおり、赤字は膨らむばかりです。

2018年度の国と地方の長期債務残高は約1107兆円。この国債を返済するために、新しい国債を発行しているのが現状となります。

現在は、日銀が高値で購入してくれるから日本の国債は売れていますが、もし日本の国債が売れなくなってしまえば、借金を返済できなくなってしまいます。

ドイツの存在

日本は借金大国であると同時に、世界最大の債権国、つまり他国にお金を貸している国でもあります。

日本の対外貨純資産残高は2018年末で341兆円と2年ぶりに増加。

もし、日本が借金で首が回らなくなった場合、この貸しているお金を返せと要求するのが予想されます。

いきなりお金を返せと言われても、返せる当てがなければ返しようもありません。

しかし、債権を持っている日本に要求されては返すしかありません。

たとえ、国の経済が滅茶苦茶になっても、借りたお金は返さないといけません。

日本からお金を借りている国は、日本が倒れて借金の返済を迫られるのを恐れて、日本が借金で倒れないように国債を購入しています。

しかし、世界1位の債権国である日本を追いかける様にドイツが迫ってきます。

EU圏で黒字を達成しているドイツは資産を膨らませながら、同時に他国にお金を貸しています。

その勢いは中国をも上回り、IMFのデータによれば2023年まで続くと予想されています。

本来、黒字の拡大は自国の通貨を高くしてしまい、逆に黒字を縮小させてしまう傾向があります。

ところが、ドイツの通貨である単一通貨ユーロは、ドイツ以外の国の経済力も関係しているため、ドイツが黒字であっても通貨高が起きづらい状況となっています。

日本とは理由が違いますが、ユーロの価値は安定しています。

通貨が安定し、ドイツが最大の債権国となれば、世界中の投資家がユーロを購入するようになる可能性があります。

そうなれば、日本の円を購入する理由が無くなってしまい、国債を売って借金を返済する日本の手法が通じなくなってしまうでしょう。

まとめ

以上が、日本国債の利回りがマイナスでも売れる理由の解説になります。

日本の国債は、日銀が購入してくれるだろうという前提で取引されています。

この前提が崩れてしまった時は、大きな経済的混乱が予想されます。

その前に、自分の資産を守れるように準備しましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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