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消費税増税による支出の上昇でインバウンド消費が減少する可能性を解説

10月には消費税が10%に引き上げられます。

消費税増税を前に、大きな物を購入しようとする駆け込み需要ばかりが注目されますが、実は消費税増税はある人達にも少なからず影響を与えます。

今回は消費税増税によるインバウンドの減少について解説します。

インバウンド消費に対する逆風なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

消費税増税とインバウンドの関係

消費税が増税になれば、影響を受けるのは日本人だけではありません。

日本を訪れるインバウンド(訪日外国人観光客)も増税の影響を受けます。

例えば、国内での電車やバスといった移動手段、ホテルなどの宿泊費、レストランでの飲食などは全て増税の対象となります。

ただし、日本へ訪れる外国人にとって増税とは関係なく消費できるのが一つだけあります。それは、免税店です。

免税店が消費税の発生しない理由

そもそも、なぜ商品にかかる税金を免除する免税店があるのかというと、旅行者はいずれ母国に帰るからです。

旅行者が購入した品物は、いずれ国外へと持ちだされるため、旅行者が購入した品物=輸出品と考えることができます。

消費税は国内で使用される品物やサービスに対して負担を求める税金のため、輸出品に対して消費税を掛けることは出来ません。

以上の理由から、旅行者を対象にした免税店があるのです。

逆に、日本でないと消費できない品物やサービスなどには免税を掛けることは出来ません。

そのため、ホテルや移動手段に免税はかけられないのです。

増税は免税店への投資チャンスになるのか

消費税が増税になれば、インバウンドの免税店への需要が高まる可能性は大いにあります。

免税店関連の銘柄といえば、多くの免税店が入っている日本航空ビルデングや三越伊勢丹、資生堂などになります。

投資において、テーマで購入する株を決めるのは珍しくないため、増税前に免税店関連の銘柄を購入しておくのは悪くない戦略と言えます。

一方で、増税の影響でインバウンド消費に変化が起きる可能性があります。

インバウンドは今後も増えると予想される

観光統計によれば、日本へ訪れる外国人の数は年々増加しています。

2015年6月が約160万人だったのに対して、2019年6月は約288万人まで増加。

2020年はオリンピックが開催されることもあり、300万人を突破するかと予想されます。

インバウンドが増加すればインバウンド消費も増加して、日本の観光利益は上昇しているのだろうと予想されますが、意外なことにインバウンド一人あたりの支出額はそれほど増加していません。

インバウンド消費への逆風

インバウンドの数は増えているが、インバウンド消費が増えていないのは幾つかの理由があります。順番に解説します。

「爆買い」の減少

日本を訪れた外国人、特に中国人による爆発的な買い物「爆買い」はニュースで何度も取り上げられました。

ところが、2019年に入ってから中国人の爆買いは一気に減少しました。

大手百貨店の売上高を見ると、インバウンド向けの免税品の売り上げ高は前年を下回っています。

理由として考えられるのは、中国で1月から施行された電子商取引法が関係していると思われます。

新EC法と呼ばれるこの法律では、ネット通販を規制する内容となっており、来日した中国人が化粧品などを大量に購入して転売するという方法が難しくなってしまいました。

インバウンドの変化

これまではその国の富裕層・高所得者層が来日していたのに対して、ここ数年は格安航空会社の普及により低所得者層でも日本を訪れやすくなっています。

足りない宿泊施設を埋めるために民泊などのサービスが増えているのも影響してか、交通費と宿泊費を安く押さえ、他の支出を増やすことで日本旅行を楽しむ外国人が増えています。

以上の理由から一人あたりの支出額が平均すると減っており、全体的なインバウンド消費が減少したのではないかと分析できます。

増税による料金のアップ

来日する中国人側の視点に立つと、増税した日本に来るメリットは少なくなっています。

免税店で購入しても化粧品を転売することは出来ず、ホテルに泊まっても、食事をしても増税した分余計に多くお金を支払わないといけません。

増税前に日本に旅行をして、増税後はしばらく様子を見るインバウンドが増える可能性はありえます。

進む円高

米中貿易戦争や世界同時利下げなどもあり、円高は進んでいます。

2019年3月末の時点では1ドル111円だったのが、8月には105円台に突入しています。

円高が進めば、アメリカ人にとって日本に旅行する魅力が少なくなってしまいます。

例えば、あるアメリカ人の旅行資金が3,000ドルだとします。1ドル111円だった時に日本を訪れていれば、旅行資金は33万3千円でしたが、1ドル105円の時に来日すると31万5千円と少なくなります。

例としてアメリカドルで説明しましたが、ユーロや元でも円高が進んでいます。

このまま円高が進めば、日本を訪れても使えるお金が減ってしまうだけになってしまい、日本を旅行先にする人の数は減るかもしれません。

韓国との関係悪化

日本に最も多く来ている外国人は中国ですが、2位は韓国で、その差はそれほどありません。

2018年のインバウンドの総数は約3100万人でしたが、中国と韓国を合わせて51%を占めています。

つまり、韓国は日本を訪れるメインのターゲットになるのですが、7月から始まった日韓貿易戦争で状況が変わりつつあります。

日本が韓国をホワイト国指定から除外したことで、韓国の反日感情は悪化。

まだ、実際の数字として現れてはいませんが、韓国人観光客の数は減少するだろうという懸念があります。

韓国との対立がどれだけ続くのか予想できませんが、長引けばインバウンド消費にブレーキを掛けてしまいます。

オリンピックはあるがインバウンド消費は伸び悩む可能性が高い

2020年には東京オリンピックが開催されます。多くの外国人が日本を訪れ、一時的にインバウンド消費が増えると予想できますが、残念ながら一時的な現象と言えます。

増税だけでなく、円高や他国との関係などの理由からインバウンド消費が増え続けて、投資テーマとして扱うのは厳しいです。

ですが、やはりオリンピック需要を無視するのは心情的に難しいです。

オリンピック直前までの値上がりを期待して、投資先を選ぶのは一つの手かもしれません。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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