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【米国株動向】アップルTV+が低価格である3つの理由

モトリーフール米国本社、2019915日投稿記事より

アップル(NASDAQ:AAPL)はこのほど、11月にスタートするストリーミング(動画配信)サービス「アップルTV+(プラス)」の料金を発表し、投資家と消費者を驚かせました。

料金は月額4.99ドル(約540円)と安く、さらに新しいアップルデバイスを購入した場合、1年間無料で利用できます。

この月額料金は、ネットフリックス(NASDAQ:NFLX)、AT&T(NYSE:T)の「HBO Now」、ディズニー(NYSE:DIS)の「Disney+(ディズニー・プラス)」などの競合他社よりもはるかに低く設定されました。

なお、アップルは、今年から来年にかけてリリースされるオリジナルコンテンツ制作に約60億ドルを費やしていると伝えられています。

これらオリジナルコンテンツへの投資規模はネットフリックスとほぼ同様で、HBOやアマゾン(NASDAQ:AMZN)のプライムビデオなどの競合他社を大きく上回ります。

なぜアップルはアップルTV+を低価格で提供するのでしょうか?

この戦略には少なくとも3つの大きな理由があります。

1. まずユーザー基盤を確立へ

アップルTV+は11月1日にスタートし、Disney+(11月12日スタート)、AT&TのHBO Max(数カ月後)が続きます。

他のメディア企業も来年新しいストリーミングサービスを開始する予定で、ストリーミング市場の競争は激化します。

なお、アップルTV+ではオリジナルコンテンツのみを提供する予定です。

一方、ネットフリックスは、コンテンツのバラエティを広げるため、サードパーティのコンテンツライセンスに数十億ドル支払っています。

AT&T、ディズニー、コムキャストは人気コンテンツの権利を買い戻すために何億ドルも費やしています。

このため、アップルTV+はコンテンツのバラエティ面では見劣りがするため、料金を低価格に設定し、なるべく多くのユーザーを引き付けようとしています。

また、アップルデバイスを購入することで1年間アップルTV+を無料で利用できるため、年末までに数千万の潜在的な視聴者を見込めます。

アップルTV+はほとんどの競合他社のように毎年ライセンスを取得するのではなく、すべてのコンテンツの権利を所有しているため、アップルはコンテンツのコストをまかなえば、新規契約者から高い限界収入を得ることができます。

2. アップルTVを補完

アップルは、アップルTV+をDisney+やHBO Nowなどの代替ではなく、アップルTVを補完するものと位置付けています。

これは、アップルTVでは他社サービスも販売しているためです。アップルTV+はアップルTVのアプリの一つとして表示され、HBOなどのサブスクリプションも販売されます。

アマゾンは、アマゾン・チャンネルにおいて他のメディア企業のコンテンツ販売で大きな成功を収めています。

アマゾン・チャンネルの昨年の売上高は推定17億ドルで、来年は36億ドルに達すると考えられています。

プライムビデオサービスとFire TVハードウェアを介して、チャンネルにユーザーを集めています。

アップルTV+のユーザー基盤が大きくなった場合、アップルTVのサブスクリプションの増収に貢献する可能性があります。

3. ハードウェア販売を促進

ハードウェア販売にアップルTV+の1年分の無料利用を付けることは、巧みなマーケティング戦略です。

アップルTV+の利用を前提にする場合、ハードウェアの値引きとなり、アップルは短期的により多くのデバイスを販売することができるでしょう。

アップルTV+は他のデバイスでも利用できますが、ユーザーはアップルTVアプリとアップルTVチャンネルのサブスクリプションを通じてサービスを最大限に活用できます。

アップルはここ数年サービスを重視していますが、売上高と利益の大部分は依然としてハードウェア販売によるものです。

当面は、より多くのハードウェアを販売する手段としてアップルTV+を活用できるでしょう。

結論

アップルは、アップルTV+の価格を月額4.99ドルで維持すると約束していません。

アップルは現在、アップルTVチャンネルとハードウェア販売を活用して、ストリーミングコンテンツのコストを賄っていますが、アップルTV+の規模が拡大するにつれ、コンテンツへの投資を増やし、アップルTV+の価格を引き上げる可能性があります。

これは、過去6年間にネットフリックスが成功を納めてきた戦略と同じです。

アップルが優れたコンテンツで視聴者をつなぎ止めることができれば、価格を引き上げても問題はないでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Adam Levyは、アマゾン株、アップル株、ウォルト・ディズニー株を保有しています。モトリーフール社は、アマゾン株、アップル株、ネットフリックス株、ウォルト・ディズニー株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、次のオプションを保有しています(ウォルト・ディズニー株の2021年1月の60ドルのロング・コールと2019年10月の125ドルのショート・コール、アップル株の2020年1月の150ドルのロング・コールと2020年1月の155ドルのショート・コール)。モトリーフール社は、コムキャスト株を推奨しています。

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