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FIREムーブメントと生涯現役。日本で流行するのは?

欧米のミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)の間でFIREムーブメントが流行っています。

ミレニアル世代で話題!?経済的自由と早期退職を目指す「FIREムーブメント」とは?

FIREとは簡単に言えば経済的自由と早期退職を実現することです。

働かずに経済的自由を獲得しアーリー・リタイアをすることです。

私もぎりぎりミレニアル世代に入るのですが、働かずに経済的自由を獲得し会社勤めをしない生活に憧れます。

しかし日本は働き方改革で、生産人口の減少を補おうと高齢者も主婦も労働市場に供給されるように後押ししています。

金融庁のレポートでは老後に最低2000万円の貯蓄が年金以外に必要だと発表され、波紋が広がりました。

老後を短くする生涯現役こそが、日本で生き残る最適な生存戦略であるという主張もあります。

早期リタイアと生涯現役という相反する主張が世に出ていますが、これから日本ではどのように身の振り方を考えれば良いのでしょうか。

日本では望まなくてもFIREムーブメントに?

FIREは「Financial Independence Retire Early」の略です。簡単に言えば経済的に自立したアーリーリタイアのことです。

日本社会はこれまで新卒採用からの終身雇用が主流と言われていました。しかし現実は終身雇用を維持することは簡単ではありませんでした。

非正規労働や新卒の雇用抑制をしながら維持が難しい終身雇用を存続させることで、中高年の雇用を維持したのです。

最近になって日本の経団連は終身雇用の存続は無理だという見解を示しました。

これでは望まなくても早期退職をしなければいけない時代が到来しそうです。

日経新聞によると、上場企業の17社が合計で約8,200人の早期退職者数を発表。

経済的に自立できないまま会社の外に放り出されてしまう人が今後増えていっても不思議はありません。

ちなみに英語でFIREには「解雇する」という意味もあります。

同じFIREムーブメントでも解雇が流行りです。

FIRE(解雇)されてFIRE(経済的自立のアーリー・リタイア)を嫌でも目指さなければいけない時代かもしれません。

生涯現役で老後を短くする人生設計も話題

生涯現役で老後を短くする人生設計をするべきだという主張もあります。

好きな仕事をずっと続けて収入を得て「老後」を短くしてしまえば、年金が足りなくなる問題も大丈夫だという理屈です。

嫌な仕事で働き続けるのは苦しいですが、好きな仕事で働き続けるなら幸せなのではないかという考え方もあります。

FIRE(早期退職と経済的自立)と生涯現役は矛盾しない

FIRE(経済的自立とアーリーリタイア)と生涯現役は一見矛盾していますが、実は目指すところは同じではないでしょうか。

どちらも組織や会社に依存せずに、個人の金融資本(資産運用)と人的資本(働いてお金を稼ぐ力)を駆使して無理せず生きていこうという部分で、昨今の「FIRE」と「好きなことで生涯現役」には重なる部分があります。

人材の流動性のない日本社会ではブラック企業という言葉も生まれました。

会社を辞めたら社会から取り残されるのでは?転職できないのでは?という恐れから会社で無理な働き方をする人もたくさんいました。

しかし「FIRE」も「好きなことで生涯現役」も、根本に組織に頼らずに無理せずに自分の力で贅沢せずに楽しく生きていこうという態度があります。

昨今、語られる生涯現役は会社にずっと勤める生涯現役ではなく、自分の出来ること、好きなことで自立して生きていくという意味です。

年間240万円でアーリーリタイアする方法は可能?

金融資本・資産運用のみでアーリーリタイア・経済的自立ができるなら、それに越したことはないでしょう。

月20万円、年間240万円あれば何とか贅沢しなければアーリーリタイアできるとします。

しかし資産運用だけで長い人生を乗り切れるのでしょうか。

6,000万円を運用利回り4%で年収240万円

FIREムーブメントのキーワード「4%ルール」では、リタイア後の運用利回りを4%に仮定します。

4%の利回りで月20万円を賄うには6,000万円の元本が必要です。

しかし総務省統計局などの資料を見てみると6,000万円の金融資本がある家庭は少数派であることが分かります。

参考:総務省統計局

6,000万円の資産を形成すること自体がそう簡単ではありません。

結婚・子育てなどのライフイベントで、貯めようと思っても出ていくお金も少なくないでしょう。

人生100年時代に4%の利回りを維持できるのか

6,000万円用意できたとしても投資に絶対はありません。

人生100年時代であると洋書ベストセラーの『ライフ・シフト』に書かれています。人生100年時代に4%の利回りを資産運用だけで維持していけるのでしょうか。

もちろん年利4%は不可能な数字ではありません。

しかし寿命がくるまで4%の利回りを維持して配当収入のみで生きていけるのでしょうか。

金融資本も人的資本も育て、会社に依存しない経済的自由を確立しよう

  • 金融資本にだけ頼る
  • 人的資本にだけ頼る

どちらか一方を選ぶ必要はありません。どちらも育てれば良いのです。

資産運用だけで生きていくのも現実的ではありません。

しかし働き続けるにしても怪我をしたり、体が思うように動かなくなるなど限界もあります。

  • 会社に依存しないでも生活費を稼げるようなスキルを身につける
  • 4%ルールを無理なく実現できる貯蓄と投資をする

この2点が会社に依存せずに経済的自由を確立する条件になるのではないでしょうか。

最近はギグ・エコノミーの時代です。労働力もスキルも単発的にやり取りできるプラットホームも生まれています。

アルバイトのタイムシェアリングやクラウドソーシングなど、スキルや労働力を労働市場に必要なときに必要なだけ提供できるマッチングサービスもあります。

そして投資の選択肢も今は増えました。

NISA・iDeCo、米国株、投資信託、ETF、様々な運用戦略を実現できます。

シンプルな全世界株式のインデックスなどに積み立てるだけでも年利4%は不可能ではありません。

いざとなれば生活費を自力で稼ぎ、年利4%も実現できるようにしておけば良いのです。

FIREの先は経済的自立とBOBOS

アメリカの新しい上流階級に「BOBOS」という層が出てきました。

BOBOSはブルジョワとボヘミアンを組み合わせた造語です。

ボヘミアンは定住地を持たないジプシーのような人々のことです。

最近良くきくノマドとジプシーは語感とイメージは違いますが重なるところがあります。

世間や社会の慣習よりも、自分たちの価値観に基づいて自由に行動する人達という意味もあります。

それでいて経済的には裕福な専門職などをしているのがBOBOSの特徴です。

アーリーリタイアのFIREの先には日本版BOBOS階級が台頭するのかもしれません。

まとめ

経済的自立と早期退職のFIREと生涯現役は矛盾しません。

どちらも会社に依存せず自分の金融資本と人的資本の2つの柱で生きていくムーブメントの文脈上にあるのではないでしょうか。

終身雇用が崩壊した今、望まなくても早期退職を迫られることもあるでしょう。

そんな時代だからこそ、資産運用もしっかりし、会社に頼らずとも生きていけるスキルを磨いていくべきです。

もちろん会社で働くことも素晴らしいことです。大事なのは会社に依存しなくても生きていけることです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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