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【2019年版】iDeCoの制度改正で拠出限度額が引き上げ?今後どうなる?

2016年の法改正により、iDeCoの加入者は118万人を突破し、「老後2,000万円不足問題」以降、老後生活資金の準備方策としてiDeCoの認知度も徐々に広がりつつあります。

しかし、iDeCoの加入年齢は60歳までとなっており、人生100年時代を生きる現代人にとって、60歳という年齢はまだまだ元気に働いている年代です。

そのため、今後のiDeCoのさらなる普及と使いやすくするための制度改正を各関係団体が検討しているようです。

今回は、「第5回社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)2019年5月17日」を参考に、どのような議論をされているのかまとめてみました。

 iDeCoとは

iDeCoは、個人型の確定拠出年金のことをいい、自分で決めた金額を月々積み立てながら、自分で選んだ金融商品で運用し年金資産として受け取れる制度です。

加入対象者は国内に居住している20歳以上60歳未満の人で、学生やフリーランスを含む個人事業主、会社員、専業主婦となっています。

iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。

また、運用で得た利益も非課税となりとてもお得な制度なのです。

そのうえ、受け取るときにも公的年金控除や退職所得控除を利用して大きな控除を受けることができます。

ただし、運用によっては元本が下回る可能性があることや、手数料がかかること、原則60歳までは資産を引き出すことができないといったデメリットがありますので、iDeCoに加入するべきか、NISAなど他の金融資産で運用するべきかなど、よく検討することが大切です。

 iDeCoの現状

iDeCoは2017年1月より、これまで加入できなかった公務員や主婦も加入対象者となったことから加入者が大幅に増加し、2019年1月現在では118万人を突破しました。

しかし、少子高齢化によって高齢者の就労は今後もますます増えていくことが予想されますので、年金受給開始年齢の柔軟化や、在職老齢年金制度の見直しが進められています。

先日の老後2,000万円不足問題は、無職の高齢者夫婦世帯の平均月間収支差が月55,000円不足しているという調査書が発端でした。

この55,000円という数字だけが独り歩きしていますが、老後の資金不足を少しでも解消するために、定年後も働いて収入を得ながら、iDeCoやNISAで私的年金を増やすことが欠かせなくなっています。

そこで求められているのが、資産形成ベースとなるiDeCoの法改正です。

 iDeCoの制度変更、今後はどうなる?

では、iDeCoは今後の制度改正に向けてどのような検討をされているのでしょうか。

議論されている意見にはさまざまなものがありますが、大きく分けると以下の3つになります。

  • 加入可能年齢の引き上げ
  • 拠出限度額の引き上げ
  • 資格区分・限度額区分の簡素化

加入可能年齢の引き上げ

現在のiDeCoの加入可能年齢は60歳までとなっており、これを引き上げようという意見がでています。

人生100年といわれている昨今、日本人の平均寿命を見ても2019年8月現在、男性で81.25歳、女性では87.32歳となっていて、前年を上回っています。

今後も平気寿命は伸びていくでしょう。

60歳、65歳の定年後も体力があれば働き続けたいという人が増えていますし、年金の受給開始年齢も60歳から65歳に引き上げられていることを考えると、iDeCoの加入可能年齢も引き上げようとする意見が出るのも当然だと思います。

iDeCoの加入可能年齢を65歳または75歳まで伸長すると、純粋に運用期間が長くなることを意味し、受け取れる年金の額が増える可能性があります。

iDeCoで運用した年金の受け取り年齢を60歳から5歳刻みで区切って任意で選択できるようになれば、加入者はより老後設計がしやすくなるのではと思います。

拠出限度額の引き上げ

iDeCoは現在の拠出最低掛け金は月額5,000円で、拠出限度額は以下のようになっています。

  • 自営業者(第1号):68,000円/月
  • 厚生年金被保険者(第2号・企業年金なし):23,000円/月
  • 厚生年金被保険者(第2号・企業年金あり)DC実施:20,000円/月
  • 厚生年金被保険者(第2号・企業年金あり)DB実施:12,000円/月
  • 厚生年金被保険者(第2号・共済組合員):12,000円/月
  • 専業主婦(夫)(第3号):23,000円/月

今回の議論で、上記の拠出限度額をそれぞれ引き上げようと検討されています。

たとえば、企業年金のない会社員は月々23,000円ですが、企業型DC上限の55,000円と比較しても少なすぎるのではないかとの意見が出ています。

また、拠出限度額の引き上げと同時に、企業型DCの限度額の廃止も含めたさまざまな意見が出ています。

いずれにせよ、拠出限度額が上がれば、より老後資金の運用が増えることになりますので、加入者にとってはすべての限度額の引き上げを期待したいところです。

資格区分・限度額区分の簡素化

筆者は以前、老後の不安を解消するためにiDeCoに加入しようと資料を取り寄せたことがあります。

書類が届き記入していると、その中に勤め先にも記入してもらわなければならない書類があったのです。

そこで勤め先の担当者に書類を渡したところ、iDeCoをほとんど理解しておらず、書類の完成に時間がかかったという経験があります。

また、iDeCoの公式サイトにある「かんたん加入診断」を受けたことがあるのですが、会社員の場合は加入資格が複雑すぎてわかりにくくいと感じていました。

さらに、転職をした場合も転職先に企業年金があるかどうかで取るべき手続きが変わってきます。

今回の議論で今後はこういった複雑な資格区分をなくし、シンプルでわかりやすい手続きになるのであれば加入者が増えるのではないかという意見が出ているのです。

企業の担当者だけではなく、どんな人でもわかりやすくシンプルな加入資格になれば、もっとiDeCoは普及していくのではないでしょうか。

まとめ

iDeCoの加入資格の簡素化や拠出限度額の引き上げは、老後不安を抱える人にとってプラス材料となるに違いありません。

現在は関係各団体が議論しているところであり、改正が決まったわけではありませんが、年金受給年齢が段階的に60歳から65歳に引き上げられたことや、60歳以降も働く人が増えたことでiDeCoも同じように制度改正されていくのではないでしょうか。

すでにiDeCoに加入している人にとっても、これから加入を検討している人にとっても、改正が決定されれば、老後の安心感が高まります。

これを機会に、今一度将来の資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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