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拡大する米国人の外食支出、この恩恵を受ける銘柄は?

モトリーフール米国本社、2019年9月8日投稿記事より

日本では10月の消費税増税の悪影響を大きく受けそうな外食産業ですが、米国では外食が伸びています。

米国勢調査局によれば、2018年の米国世帯の外食支出は前年比6%増で、今年もこれまでのところ4%増のペースを維持していて、平均小売支出の3%増を上回っています。

では、米外食関連銘柄投資の好機なのでしょうか?

確かに外食市場は全体としては成長しているものの、外食業界は競争が極めて厳しく、テクノロジーの発達で多くの外食企業が姿を消しています。

では、米外食産業の勝者と敗者を見てみましょう。

勝者と敗者

産業調査会社のテクノミックスが行った2018年の米レストランチェーン500社調査によれば、ファストフードチェーン、特にハンバーガーチェーンが堅調でした。

特筆すべきは、ジョージア州に本社を置くチキン・ファストフードチェーンのチックフィレイ(非上場)が売上高を前年比13.5%と伸ばして、前年の7位から5位に躍進したことです。

また、ミズーリ州に本社を置くベーカリーカフェチェーンのパネラ・ブレッド(非上場)が10位にランクインし、ヤム・ブランズのピザハットが圏外となりました。

調査によれば、サブウェイを除いたトップ10企業は売上高を伸ばしています。

また、出前サービスや健康的なメニューなどを充実させたチェーンの業績が堅調です。

2018年のトップ10米外食企業(売上高の順)

企業名(カッコ内はティッカー) 2018年末の米国店舗数 米国店舗数の前年比 2018年の米国売上高 米国売上高の前年比
マクドナルド

(NYSE:MCD)

13,914 -0.9% 38億5000万ドル 2.4%
スターバックス

(NASDAQ:SBUX)

14,606 4.9% 19億7000万ドル 8.3%
サブウェイ 24,798 -4.3% 10億4000万ドル -3.6%
タコベル/ヤム・ブランズ

(NYSE:YUM)

6,588 2.2% 10億40万ドル 5.8%
チックフィレイ (Chick-fil-A) 2,370 6.5% 10億20万ドル 13.5%
バーガーキング/レストラン・ブランズ・インターナショナル(NYSE:QSR) 7,330 1.4% 9億9400万ドル 3.3%
ウェンディーズ

(NASDAQ:WEN)

5,810 0.7% 9億4100万ドル 1.9%
ダンキン・ブランズ・グループ

(NASDAQ:DNKN)

9,419 3.0% 8億7900万ドル 3.9%
ドミノ・ピザ

(NYSE:DPZ)

5,876 5.2% 6億5900万ドル 11.2%
パネラ・ブレッド 2,074 1.5% 5億7600万ドル 4.7%

出典:テクノミックス

ハンバーガーチェーンの中でも、高級ハンバーガーチェーンが台頭しています。

シェイク・シャック(NYSE:SHAK)、非上場のファイブガイズなどの業績が好調です。

また、こういった高級ハンバーガーチェーンほどではありませんが、マクドナルドやバーガーキングも、高級化や健康志向に対応して業績を伸ばしています。

調査によれば、スターバックス、チックフィレイ、ドミノ・ピザなどで利便性が重要な要素に浮上しています。

メニューも重要ですが、簡単に注文できるアプリや出前サービスなどが消費者の心をつかんでいます。

新規店舗に食われる既存店舗の顧客

なお、売上高の増加には注意すべき点があります。

結局、多くの外食チェーンの場合、増収の大半は新規店舗の売上によるものです。

実際、外食市場調査会社のTDn2Kによれば、外食企業では店舗過多のため全般的に既存店舗で前年比売上高が低迷し、来客数の減少が近年続いています。

この結果、利益が上がりにくい状況になっています。人々の志向として、遠出をしなくても手軽に外食する傾向がみられます。

利便性・時短を重視する消費者トレンド

外食銘柄の選択に当たっては、魅力的なメニューも重要ですが、配達オプションや注文しやすいアプリなどの利便性・時短が近年最も重要になっています。

そして、マクドナルド、スターバックス、ドミノ・ピザ、シェイク・シャックは、利便性改善などでそれぞれ市場シェアを拡大させる戦略が奏功しているので、長期保有に値する銘柄との見方があります。

下のチャートで見られるように、この4社とも株価が堅調に上昇してきており、フリーキャッシュフローも、シェイク・シャック以外は拡大しています。

シェイク・シャックの場合、積極的な新規店舗展開と郊外出店加速に伴う利益率の低下で、フリーキャッシュフローが近年大きく低下してきています。

上から順にマクドナルド、スターバックス、ドミノ・ピザ、シェイク・シャックの株価(青、単位:%)とフリーキャッシュフロー(オレンジ、12カ月ベース、単位:%)

出典:YCHARTS。2019年9月4日時点

なお、注意点としては、多くの外食関連銘柄は株価が昨年から急上昇していて、利益が追いついていません。

バリュエーションがかなり高くなっているため、一息つくのに時間がかかる可能性があります。

そして、外食産業はボラティリティが高いため、経済減速への懸念や外食産業全体に広がる既存店売上高の減速には留意が必要でしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Nicholas Rossolilloは、ドミノ・ピザ株を保有しています。モトリーフール社は、スターバックス株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、ダンキン・ブランズ・グループを推奨しています。

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