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長期投資におけるリバランスの方法とタイミング

株や債券など複数の金融商品に分散投資するポートフォリオ運用において、資産の再配分を「リバランス」といいます。

リバランスは運用パフォーマンス向上のために必要な作業ですが、どのタイミングで行えばいいのか迷う人も多いでしょう。

そこで、この記事ではリバランスを行なうタイミングと、具体的な方法について詳しく解説します。

リバランスとは

リバランスとは、ポートフォリオ運用における資産の再配分のことです。

時間の経過とともに相場は変動するので、ポートフォリオ運用で当初決定した資産配分の比率は変わっていきます。

たとえば、当初株式50%・債券50%の資産配分でも、株式市場の値上がりによって、比率が株式55%・債券45%になることもあります。

その場合、株式を5%分売却し、債券を5%購入することで、当初の配分比率に修正するのが「リバランス」です。

ポートフォリオのリバランスは投資においてなぜ重要なのか?

リバランスのタイミング

それでは、リバランスはどのようなタイミングで行えばいいのでしょうか。主に次の2つの方法があります。

  • 年に1回など定期的なリバランスを行なう
  • 最初の比率から5~10%変動があったらリバランスを行なう

それぞれ詳しく解説します。

定期的にリバランスを行なう

初心者や忙しい人は、リバランスを定期的に行なうことをオススメします。

資産配分の変化を日々確認する必要はないので、投資に専念できない人でも取り組みやすいからです。

頻度は、毎月・四半期・半年・1年・3年などさまざまですが、リバランスにもコストがかかります。

毎月など、あまりにも頻繁にリバランスを繰り返すと、コスト負担が大きくなってしまいます。

「自分の誕生日」や「年度末」など覚えやすい日を決め、1年に1回程度リバランスを行なうようにしましょう。

ポートフォリオの比率変動があったらリバランスを行なう

最初のポートフォリオの比率が大きく変動したら、リバランスを行う方法です。

株式や債券の比率が、当初決めた水準から5~10%程度変動したらリバランスします。

これは、機関投資家が採用している方法です。

たとえば、公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオは、以下のようになっています。

出典:GPIF

そして、乖離許容幅は以下の通りです。

出典:GPIF

国内株式の場合、比率が34%(25%+9%)を超えたら乖離許容幅を超えているので売却し、16%(25%-9%)を下回ったら買い増しします。

GPIFなどの機関投資家は、資産運用の専門家であるプロのファンドマネージャーが運用を行っています。

常にマーケットをチェックしているので、機動的なリバランスが可能なのです。

個人投資家は定期的にリバランスを行なうようにする

ポートフォリオの比率に変動があったときにリバランスすれば、マーケットに柔軟に対応できます。

株式市場が暴落したときに、安くなった株を買ってリバランスすることは正しい行為です。

しかし、実際は冷静な判断ができず、リバランスを見送ってしまう可能性もあります。

ですから、個人投資家は定期的なリバランスを行なうようにしましょう。

最低でも1年に1回はリバランスを行なうべきですが、相場環境が落ち着いていて、比率の変化が5%未満など乖離の小さい場合は、リバランスを見送るという方法もあります。

リバランスにもコストがかかるので、比率のチェックだけ行うのです。

ライフステージにあわせてポートフォリオの比率を変える

20代はノーセルリバランス

定期的なリバランスとともに、年齢やライフステージ(結婚・子ども・転職など)に応じて、ポートフォリオの基本比率を変えることも大切です。

運用期間が長く取れる20代は、株式の比率を多めにするなど、リスクをとった運用が可能です。

掛金が少ない間は値動きの影響も小さいですし、時間もあるので損失がでてもリカバリーできるチャンスがあるからです。

また資金が少ない間は、比率が大きくなった資産を売却して、比率が低い資産を買い足すという通常のリバランスではなく、新たなお金を追加して比率の低い資産を買い足すというリバランス法(ノーセルリバランス)もあります。

たとえば、当初の配分比率が株式50%・債券50%で、株式市場の値上がりによって株式の比率が上昇して株式55%・債券45%になったとします。

通常のリバランスでは株式を売却して債券を買い増ししますが、元の比率(株式50%、債券50%)になるまで債券だけを買い増しするのです。

ある程度資産が大きくなるとノーセルリバランスは難しくなりますが、資産規模が小さい間は、ノーセルリバランスも検討するようにしましょう。

セカンドライフが近い50代は安全資産の比率を増やす

一方、セカンドライフが近い50代の場合、リスク資産である株式の比率を下げて、安全資産である債券の比率を増やすことがセオリーです。

資産を大きく増やすよりも、資産を守る方に軸足を移すようにするのです。

年齢に応じたリスク資産の比率とは

それでは、リスク資産である株式の比率は、どの程度にすればいいのでしょうか。

一つの考え方として、以下の計算式があります。

  • リスク資産(株式)の割合(%)=100-年齢

35歳なら「100-35=65%」、45歳なら「100-45=55%」となります。年齢に応じて、株式の比率を下げていくのです。

ここから結婚や出産など、ライフステージに応じて、さらに株式の比率を上下させるようにします。

結婚して共働きになれば、リスクを取れるので、株式の比率を上げる事ができます。

一方、女性が出産して専業主婦になる場合は、株式の比率を下げるようにするのです。

まとめ

リバランスのタイミングには、主に次の2つがあります。

  • 定期的なリバランス
  • ポートフォリオの比率に変動があったときにリバランス

初心者や、いつも相場をチェックすることが難しい人は、定期的なリバランスをオススメします。

誕生日や年末など、最低年に1回はリバランスしましょう。

また、ポートフォリオの基本配分も、年齢やライフステージに合わせて変えるようにします。

リスクを大きく取れる20代と、セカンドライフが近い50代では、ポートフォリオの中身が大きく異なるからです。

若い人は積極的にリスクを取って資産の増加を目指し、リタイアが近い人は資産を守ることに軸足を移すようにしましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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