The Motley Fool

米国株の含み損で節税出来る?「損だし」について徹底解説

米国株の長期投資をしていると含み損を抱えてしまうケースも珍しくありません。

しかし含み損を使って利益を節税することができます。一般的に「損出し」と呼ばれています。

株投資の利益は損失と相殺することができます。しかし含み損のままでは利益を相殺することができません。

そこで含み損の損失を確定させることで利益を相殺し税金を減らします。

損出しをうまく活用できれば、ただホールドするだけで運用するよりも実質的な税引き後の手取りも上がります。

持っていて気持ちの良いものではない含み損をうまく利用してみましょう。

含み損を使って節税する損出しのメリット・デメリット

損だしとは一言でまとめると「損失を確定させること」です。

一般的には税金の締め日となる年末に行います。日本株など他のアセットでも損だしを行う投資家は少なくありません。

米国株でも日本株などと同様に損だしは可能です。

日本株や中国株などとも損益通算は可能なため、日本株の損失を米国株の利益の相殺にあてることもできます。

損だしするメリット

損だしをするメリットは利益を相殺することで節税できるところです。

しかも利益と損失で損失の方が大きい場合、損失を3年間繰り越すこともできます。

含み損のままでは利益を相殺することができません。

損だしのデメリット

損出しをするためには取引手数料を負担しなければいけません。

また損出し後に買い戻す際に相場が動くことで売値より高値で買い戻さなければいけなくなる可能性もあります。

相場が大きく動いている時の損出しには注意が必要です。

米国株取引の損出しの方法

米国株取引の損出しの方法は、一般的な日本株の損出しの方法と変わりません。

また日本株や中国株などとも損益通算が可能ならば損出しは成立するため、米国株の利益を日本株の損失で相殺することもできます。

同一口座内で売って翌日買い戻す

含み損のある同一口座内で損出し(売り)をして翌日に買い戻します。

注意しなければいけないのは同一日に買い戻しをしないということです。

同一営業日に売買を行うと取得単価が平均化されて計算されてしまうため、損失をうまく出せなくなってしまいます。

100USDを50USDで売って同日に50USDで買い戻すとします。−50USDの損出しを確定できると思うかもしれません。

しかし同一日の売買では「買い」が先にあったものとみなされてしまうため、75USDが取得単価となり50USDで売ったという処理になります。

つまり−25USDの損出しにしかなりません。

しかも大手ネット証券の中には、同一国内約定日・同銘柄の買い付け→売り→買い戻しができないなど日計りの取引には制約も多く(差金決済に該当すると取引できないなど)、損出しを行う場合は営業日をずらすのが一般的です。

複数証券口座を利用する方法

複数の証券口座を利用すれば、同一銘柄を同一日に取引しても取得単価が平均化されたり、日計りによる制限や差金決済で取引できないなどの問題がなくなるため、複数口座を利用するのは有効な手です。

ただし複数の証券会社で損益通算をすることで損出しが意味をなすため確定申告が必要になります。

日本の口座で米国株信用取引は一般的ではない

日本のネット証券では米国株の信用取引が一般的ではありません。

日本株では保有銘柄の損出し(売却)後に同一日に信用買いをしても問題がありません。

取得単価の平均化は現物株でのみ起きるため、日本株で損出しをする際には信用取引のクロス取引を使う損出しが有効です。

しかし米国株の信用取引が一般的でないためクロス取引の損出しは使えません。

受け渡し日が翌年にならないように注意

損出しは最終取引日ではなく、株の最終受け渡し日までに終える必要があります。

年末ぎりぎりに取引をして受け渡し日が年明けになってしまうと年度内の損益通算ができません。

受け渡し日のことも考えて余裕を持って損出しをしましょう。

損出しが適さないNISAとiDeCo

そもそも損出しができない口座もあります。

例えばNISA口座の損失はNISA口座以外で得た利益との相殺ができません。

しかも損を出して買い戻すと無駄に非課税投資枠を使用してしまうことになってしまいます。

iDeCoの損失も他の口座との損益通算ができません。

NISAとiDeCoは損出しには使えません。あくまで損出しは一般口座・特定口座向けの話です。

雑所得・先物系の取引との損益通算はできない

損出しは損益通算でしか効果がありません。

例えばCFD取引、FX取引、先物、オプション、仮想通貨と米国株や日本株との損益は通算できません。

損出しをする際に気をつけなければいけないのは損益通算が可能かどうかです。

損出しをするなら申告分離課税方式

確定申告では申告分離課税と総合課税を選ぶことになります。

損出し・損益通算をする際には確定申告で申告分離課税方式を選びましょう。

その代わり総合課税を選べば日本株の配当控除を受けられるなどのメリットもあります。

また所得によって申告分離課税・総合課税でどちらが有利なのか異なってくるため注意が必要です。

米国株の税金については以下の記事が詳しいため参考にして見てください。

米国株の利益には確定申告が必要?2つの利益に分けて詳しく解説

損出しでどれぐらい節税できるの?

損出しは場合によっては確定申告も必要になるため面倒に思う人も多いかもしれません。

しかし1年の間に確定した利益が300万円あったとしたら約2割の税金がかかります。つまり約60万円の税金がかかります。

しかし含み損が60万円ありうまく損出しができれば「300万円−60万円」で約240万円に対して税金がかかります。

税出しをすれば実際にかかる税金は約48万円です。このケースでは12万円もの差が出てしまいます。

細かい買い戻しの価格差などを考慮しない単純な計算ですが、含み損の大きさ次第で損出しするかしないかで実際の運用益に大きな差がでます。

しかも利益・損失の合計がマイナスの場合は確定申告をすれば3年間損失を繰り越せます。

含み損が大きければ大きいほど損出しの効果は大きいのです。

実際に損出しをして、どれぐらい節税できるのかをシミュレーションして損出しをするかどうか判断しましょう。

まとめ

米国株投資をする際には税引き後の運用益まで考慮する必要があります。

損出しは含み損を確定させることで利益に対する税金を減らすことができます。

日本株などとも損益通算できるため、うまく活用しましょう。

実際に損出しをするには申告分離課税を選択したり、同一日に売買を完結させないなどの注意点もいくつかありますが、節税効果が大きいならやってみる価値はあるのではないでしょうか。


フリーレポート配信

モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて無料で「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

また、テクノロジー分野に投資したい投資家として知っておくべき情報も無料で配信しております。「人工知能というテクノロジーの「第三の波」が、日本の年間GDP以上の付加価値を生み出す」こちらからご覧ください。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

最新記事