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投資におけるゼロサムゲームとは?ゼロサムゲームになる投資とそうでない投資について

投資は必ず誰かが勝てば誰かが負ける、いわゆるゼロサムゲームだと思う方もいらっしゃることでしょう。

特に為替取引では二国間の為替の取引を行うので、市場全体が上がることはなくゼロサムゲームが成立します。

しかし投資の種類によってはゼロサムゲームが成立しないものもあるのです。

この記事を読んで頂ければ、どのような投資がゼロサムゲームなのかを理解でき、その上で自分に合った投資を見つけることができるようになります。

投資におけるゼロサムゲームとは?

ゼロサムゲームとは、誰かが勝てば誰かが負けるというゲーム理論の考え方の一つです。

ゼロサムゲームの例として、将棋や囲碁などが挙げられます。

将棋や囲碁のゲーム参加者は2名で、どちらかが勝てば必ずどちらかが負けます。

また競馬や競艇などのギャンブルもゼロサムゲームです。

競馬や競艇などはゲーム参加者がどれに賭けるかによって配当が変わる、オッズというものが存在します。

オッズを取り入れ、予想を外した人ほど大きく勝てるという仕組みを構築しています。

投資におけるゼロサムゲームも理論は同じで、誰かが勝てば誰かが負ける仕組みが成立すれば、ゼロサムゲームとなります。

それでは具体的にどのような投資がゼロサムゲームとなるのでしょうか?

以下で詳しく見ていきます。

為替取引やオプション取引はゼロサムゲーム

投資におけるゼロサムゲームとして、為替取引とオプション取引が例に挙げられます。

それぞれについて解説していきます。

為替取引

為替取引は二国間の為替の取引を行うため、市場全体が上がるということはありえません。

つまり円高ドル安となることはありますが、円高ドル高となることはありません。

【ドル円取引を行う2人】

取引開始時の為替レート:1ドル=100円

Aさん:1ドル=100円をロング(買い)で購入

Bさん:1ドル=100円をショート(売り)で購入

⇒翌日の為替レート:1ドル=95円(円高ドル安)

Aさん⇒5円の損失

Bさん⇒5円の利益

この場合、為替レートが円高ドル安に動いたため、Aさんは5円の損失、Bさんは5円の利益を得ました。

Aさん、Bさんが共に利益を得るには円安ドル安になる必要があり、そのような状態になることはありえません。

つまり為替取引はどちらかが勝てばどちらかが負ける、ゼロサムゲームといえます。

オプション取引

オプション取引は、将来の決められた日にち(満期日)にあらかじめ決められた価格で買う(売る)権利を売買する取引です。

オプション取引の代表例として、日経225オプションというものがあります。

以下の例を見てみましょう。

【コール(買う権利)の買い】

半年後の満期日までに日経225コールオプション18,000円(権利行使価格)でを300円で購入。

半年後、日経平均株価が20,000円(SQ値)に。

⇒(20,000円-18,000円-300円)×1,000倍(日経225オプションの取引単位)

=1,700,000円(利益)

【コール(買う権利)の売り】

半年後の満期日までに日経225コールオプション18,000円(権利行使価格)でを300円で売りを行う。

半年後、日経平均株価が20,000円(SQ値)に。

SQ値が権利行使価格を上回っているため、コールオプションの買い手が権利を行使します。

オールオプションの売り手は買い手が権利を行使した場合、必ず応じる義務が生じます。

⇒(18,000円-20,000円-300円)×1,000倍(日経225オプションの取引単位)

=-2,300,000円(損失)

オプション取引も買い手と売り手が存在し、どちらかが勝てば必ずどちらかが負けるため、ゼロサムゲームといえます。

株式市場にもゼロサムゲームは存在する?

それでは株式市場も為替やオプションと同様、ゼロサムゲームが成立するのでしょうか?

以下で詳しく解説していきます。

現物株取引はゼロサムゲームではない

株式の取引は、その時々の市場の時価で計算された売買代金を受け渡すことで行われます。

このような通常の取引のことを現物株取引といい、持っている資金の範囲内でしか株式を購入することができず、持っていない株式を売ることはできません。

現物株取引の場合、ある企業が好材料を発表し、株式の需要が高まった場合、株価は上昇します。

つまりこの企業の株式を保有している人全員が利益(含み益)を得ることが可能です。

為替取引やオプション取引のように誰かが勝てば誰かが負けることはなく、同じ株式を保有していれば皆同じ結果となります。

空売りはゼロサムゲームになる

空売りは信用取引の一種で、ある株を保有していなくても、証券会社などから株式を借りて「売り」から入る取引です。

以下の例で詳しく解説します。

【A社の現在株価:1,000円】

証券会社からA社の株を100株借りて、1株=1,000円で売却

⇒100,000円(100株×1,000円)の現金が手元に

半年後、A社の株価が800円に下落

1株=800円を100株買い戻し(証券会社に借りた100株を返却)

⇒80,000円(100株×800円)

100,000円-80,000円=20,000円の利益

この場合、証券会社から借りた株式数は100株なので、最終的に100株返却すればいいのです。

ところがA社の株を空売りをした場合、A社の配当が実施されれば、株を借りた人に対して配当金を支払う必要があります。

つまり株を保有している人と空売りした人の間では、ゼロサムゲームとなるといえるでしょう。

投資初心者はゼロサムゲームは避けるべき

投資がマネーゲーム化すると、すべての人の損益を通算するとその合計が0になります。

つまり投資の敗者の損失は勝者の利益となります。

このような取引は投資初心者には向かないといえます。

たとえば株式投資の本来の目的はどのようなことが挙げられるでしょうか?

様々な目的がある中でも、株式の発行体の企業を応援するためというのが一つ挙げられるでしょう。

自分がその企業に出資し、企業は投資家から得たお金を活用し、事業を拡大し、利益を得て株主に還元する。

これが本来あるべき株式投資の姿です。

このような取引はゼロサムゲームとはならず、企業が成長し株価が上がれば株主は皆利益を得ることができます。

ところが為替取引やオプション取引はそのような期待などはなく、上がるか下がるに賭けるというギャンブルに近い取引となります。

全てがそのようなギャンブル的な取引とはなりませんが、いずれにせよゼロサムゲームとなることはわかっています。

投資初心者の方が長く投資の世界に残るためには、ゼロサムゲームには参入せず、長い目で成長を期待できるような投資を行う方がいいでしょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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