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【米国株動向】シスコ、長期成長に向け着々と布石

モトリーフール米国本社、2019831日投稿記事より

最近、米中貿易戦争によって引き起こされたマクロ経済の不確実性に対する懸念から、多くの投資家はシスコ(NASDAQ:CSCO)株を売っています。

52週高値の58.26ドルから一時約20%下落しました。

しかし、実際には中国関連の影響は軽微で、同社は長期成長のための布石を着々と打っています。

シスコは、ネットワーキング機器や通信機器を扱っている最大企業の1つです。

同社は電話システムやモデムなど、日常目にする製品のブランドですが、ネットワークスイッチやデータセンター向けハードウェアなど、一般ユーザーから見えない製品もあります。

様々な製品があることから、多くの競合他社のように特定分野に頼る必要はなく、シスコには強力な競争優位性があります。

なお、シスコの中国におけるビジネスは総売上高の3%未満であり、経営陣は貿易戦争を懸念点として挙げていません。

買収で製品群を強化

シスコは、過去1年間に様々な買収を進めており、製品群を強化しようとしています。

直近では、ネットワークソリューションを強化するため、7月に26億ドルでネットワーク関連光学技術企業のアカシア・コミュニケーションズの買収計画を発表しました。

これは、次世代5Gワイヤレスネットワークへの移行を考慮した重要な動きです。

また、会議のメモを自動的に取る人工知能音声アシスタントを作成している非上場企業Voiceaを買収する意向を8月に発表しました。

これは、シスコの主要サービスの1つであるオンラインビデオおよび会議プラットフォームのWebexを、さらに充実させることになります。

これらの2つの買収の完了とシスコへの統合には時間がかかるでしょう。

また、買収に伴うコスト削減や売上高成長に関する数値をシスコはまだ発表していません。

しかし、これらの買収は同社の長期成長に大いに寄与すると考えられます。

サブスクリプションのへ移行

過去数年間、SaaS(Software-as-a-Service、ソフトウェアの必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できる提供モデル)は、サブスクリプションベースの安定的な売上高と高い利益率という観点から、非常に人気のあるビジネスモデルとなりつつあります。

シスコCEOのチャック・ロビンスは、製品販売価格に基づくハードウェアベースのビジネスとサブスクリプションベースのソフトウェアを統合しようとしています。

アナリストとの最近の電話会議でロビンスは、シスコのソフトウェア販売の70%はサブスクリプションに基づいたものであり、同販売において企業顧客の100%がサブスクリプションベースであると述べました。

サブスクリプションへの移行は、シスコの利益率を押し上げています。

直近四半期の売上高総利益率は前年同期の61.7%に対して63.9%に上昇しました。

ソフトウェアは、労働力と在庫の観点からハードウェアよりも低コストであるため、一般的により多くの利益をもたらします。

そして、全般的にソフトウェアベースのビジネスモデルが増えており、シスコはマージン改善で迅速に行動しています。

積極的な株主還元を継続

シスコのバランスシートは強固で、堅実な財務運営を行っています。そしてロビンスは電話会議で、フリーキャッシュフローの50%以上を配当および自社株買いで株主に還元するとのコミットメントを繰り返しました。

シスコは過去8年連続で増配を行っており、2019年7月期通期には45億ドルで8200万株(発行済株式の約2%)を買い戻しました。

直近の自社株買いによりシスコの発行済株式数は42億8000万に減少し、現在の配当利回りは約3%です。

117億ドルの現金及び現金同等物を有し、流動比率は1.5倍であるため、負債を低減させ、株主還元余地が十分にあります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Brock Briggsは、シスコ・システムズ株を保有しています。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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