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【米国株動向】iRobotの今後と追加関税の影響は?

モトリーフール米国本社、2019829日投稿記事より

人気成長株で、掃除機ロボット「ルンバ」のメーカーであるiRobot(NASDAQ:IRBT)に投資している投資家にとって厳しい年となっています。

iRobotの株価は年初来で見た場合、26%の下落にとどまっています。

しかし、過去1年間では47%下落し、そして4月に達成した史上最高値から52%暴落しています。

【米国株動向】iRobotの株価、7月に20%下落

これは、買いの好機なのでしょうか?

それとも警戒すべき事態なのでしょうか?

市場関連ニュースをカバーしているTheFly.comによれば、株式調査会社のSidoti&Co.は買いの好機としています。

目標株価83ドルを26%下回り、52週安値近辺で推移しているiRobotに対して、SidotiはiRobot株のバリュエーションは「とても魅力的である」と指摘し、投資家は米中貿易戦争のiRobotへの影響について心配しすぎていると述べています。

Sidotiは、長期的には研究開発およびマーケティングへの多額の投資により、iRobotはロボット掃除機のカテゴリーリーダーとしての地位を維持するだろうと結論づけています。

追加関税の深刻な影響

Sidotiの見方は適切なのでしょうか?

7月の第2四半期(4月~6月)決算発表では、売上高が2四半期連続でアナリスト予想を下回り、iRobotは中国製品に対する関税が原因と非難しました。

売上高は前年同期比15%増となりましたが、アナリストのコンセンサス予想には達しませんでした。

さらに、希薄化後1株当たり利益は約3割減少しました。

iRobotは通期ガイダンスも下方修正し、関税問題をその要因として再び挙げました。

経営陣は売上高が依然として減速しており、増収率は14%に低下する可能性があると予想しています。

希薄化後1株当たり利益は2.40ドル〜3.15ドルを見込んでいます。

そして状況は想定よりもさらに悪いかもしれません。

中国からの輸入に対する25%の関税は、iRobotの掃除機価格を上昇させます。

これは、販売台数を減少させますが、一台あたりの価格が上昇することから、売上高の成長を維持するのに役立つ可能性があります。

問題は、この価格上昇分がiRobotではなく関税分として米国財務省に吸収されてしまうことで、その結果、増収分は利益につながりません。

さらにiRobotは、関税対策で一部ロボット掃除機の中国からマレーシアへの生産移管を進めていますが、マレーシアには中国のような生産インフラがないため、コスト上昇につながる可能性があります。

状況のさらなる悪化

現在、iRobot株のバリュエーションは魅力的に見えます。

時価総額が17億ドル、GAAP(米国一般会計原則)ベースの調整後純利益が8700万ドルで、実績PER(株価収益率)は19.8倍です。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによれば今後5年間で年率20%の増益が見込まれており、株価は適正と考えられるかもしれません。

問題なのは、iRobotのキャッシュフローに注目すると、過去12か月間で実際の現金利益はわずか3400万ドルだったことです。

これは、iRobotの純利益8700万ドルの半分にも満たないものです。

つまり、純利益ではなくフリーキャッシュフローで評価すると、株価は2倍以上も割高ということになります。

iRobotのフリーキャッシュフローは、過去2年半の間に悪化しています。

確かに、このフリーキャッシュフロー減少の一部は中国の関税問題によるものですが、その悪化傾向は関税問題よりも前に始まっています。

投資家は、関税だけに焦点を当てるのではなく、高品質の競合製品を低価格で提供しているライバルとの競争激化に注目する必要があります。

米国の非営利消費者団体が発行するコンシューマー・レポートは昨年、ロボット掃除機のトップ10を公開し、4つのルンバがランクインしましたが、トップ3には一つも入りませんでした。

ルンバより低価格の人気商品が増えていることから、ロボット掃除機に関してiRobotの問題は悪化する一方と考えられます。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Rich Smithは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、iRobot株を保有し、そして推奨しています。

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