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【米国株動向】シェイク・シャックの株価が年初来で倍以上になっている理由

モトリーフール米国本社、2019年9月2日投稿記事より

ニューヨークスタイルのグルメハンバーガーチェーンであるシェイク・シャック(NYSE:SHAK)は、2015年に上場した際、全米展開への期待で株価が数カ月でほぼ倍になりました。

しかし、投資家は期待が先行し過ぎていたと判断し、その後株価は急落、やっと昨年になって2015年の水準に戻りました。

そして今年、好業績と新店舗展開の成功で、株価は年初来で倍以上になっています。

【米国株動向】シェイク・シャック、増収や提携発表で株価急騰

既視感がある状況で、現時点ではかなり割高になっているとの見方があります。

シェイク・シャックの株価推移(単位:%)

出典:YCHARTS。2019年8月30日時点

止まらない米国人のハンバーガー愛

筆者は昨年、高級ハンバーガー店などの新規開店が相次いだことから、幾つかのハンバーガーチェーンの株価が低迷するのでは、との記事を書きました。

その時想定していた銘柄がシェイク・シャックとやはりグルメハンバーガーチェーンのハビット・レストランツ(NASDAQ:HABT)でした。

結局、美味しく分厚いビーフパティとバンズへの米国人の愛は止まらず、その大きな恩恵を受けたのがシェイク・シャックでした。

なお、ハビットの株価は、堅実な新店舗拡大にもかかわらず、投資家が他チェーンの高級化や消費者の健康志向の高まりを懸念して半減しました(下のチャート参照)。

シェイク・シャック(青)とハビット・レストランツ(オレンジ)の株価推移(単位:%)

出典:YCHARTS。2019年8月30日時点

シェイク・シャックの第2四半期(4月~6月)の売上高は前年同期比31%増でした。

同社は今年上期に21の新店舗をオープンし、既存店売上高も3.6%増と堅調です。

このため、経営陣は通期の売上高見通しを、従来の5億7600万ドル~5億8200万ドルから5億8500万ドル~5億9000万ドルに上方修正しました。

これらが株価急騰の背景です。

財務指標 2019年上期 2018年上期 前年同期比
売上高 2億8500万ドル 2億1500万ドル 33%
営業費用 2億6800万ドル 1億9600万ドル 37%
1株当たり利益 0.38ドル 0.39ドル -3%
調整後EBITDA利益率 15.3% 17.7% -2.4パーセントポイント

出典:シェイク・シャック。EBITDA(支払い利息・税金・償却控除前利益)

幾つかのダウンサイド要因

株価が急騰しているシェイク・シャックですが、ダウンサイド要因があります。

同社の1店舗当たりの年間平均売上は430万ドルで他のバーガーチェーンの店舗売上よりかなり高いですが、この数字が落ちてきています。

同社は人口密度が低い郊外への出店を進めているため、結果的に1店舗当たり売上が減少し、それが利益率の低下につながっています。

経営陣は1店舗当たりの年間平均売上は、年末までには400万ドル~410万ドルのレンジに低下すると予想しています。

なお、フランチャイズ店(特に海外店)からのライセンス収入が利益に一部貢献しています。

今年、中国本土、フィリピン、シンガポール、メキシコでフランチャイズ店展開が始まりました。

年初来のライセンス収入は、前年同期比38%増の888万ドルにのぼります。

結論としては、シェイク・シャックの拡張戦略が奏功しつつあり、投資家の期待も再び大きいです。

しかし、毎年数十店を開店する予定のため、同社の費用が増加し、純利益は減少するでしょう。

同社のPSR(株価売上高倍率)は5.7倍で2015年以来の高い水準です。

一方、マクドナルド(NYSE:MCD)のPSRは8.1倍とシェイク・シャックよりもかなり高いですが、店舗の90%前後がフランチャイズ店なので、売上高総利益率はシェイク・シャックの2倍ほどです。

シェイク・シャック(青)とマクドナルド(オレンジ)のPSRの推移(12カ月ベース、単位:倍)

出典:YCHARTS。2019年8月30日時点

年初来の上昇を経て、シェイク・シャックのバリュエーションはかなり高水準となっています。

同社の大半の指標は明るい業績見通しを示唆していますが、それでもバリュエーションを考えると買い進む状況ではない、との見方があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Nicholas RossolilloおよびRossolilloの顧客は、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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