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誤解の多いバフェットの投資方法

3ヶ月に1度、SEC(米国証券取引委員会)のホームページにForm 13FというUS$100mil(現在の為替で約106億円)以上の運用会社の米国株投資銘柄が掲載されます。

世界一の投資家バフェットの米国株ポートフォリオも3ヶ月に一度ここに掲載され、その変化がニュースになったりもします。

発表されるのは、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの保有株です。

すなわち、バフェット自身が買った株だけではないです。

現在、高齢のバフェットの後継者の候補となっている二人、 トッド・コムやテッド・ウェスクラーも運用に加わっており、それぞれ独立して運用が行われているとのこと。

したがって、当然のことながらバフェットが買わない銘柄もバークシャーのポートフォリオには入ってきます。

話題を集めたアマゾンの株は、まさにこの例で、トッドもしくはテッドが買った株らしい。

発表された保有銘柄のトップ10は、以下の通りです。(記事執筆時点)

  • アップル(23.74%)
  • バンク・オブ・アメリカ(12.92%)
  • コカ・コーラ(9.79%)
  • ウェルス・ファーゴ(9.32%)
  • アメリカン・エクスプレス(8.99%)
  • クラフト・ハインツ(4.86%)
  • ユー・エス・バンコープ(3.34%)
  • ジェイピー・モルガン・チェイス(3.2%)
  • ムーディーズ(2.32%)
  • デルタ航空(1.93%)

トップ5までの比率に比べると6位以下の比率がかなり小さくなります。

トップ5で全体の65%近くを占めています。かなりの集中投資です。

その中で、やはり群を抜いて保有比率の大きいアップルがとても目立ちます。

割安株の権化と言われたバフェットにしては、ちょっと異色の保有です。

しかも彼のポートフォリオの全体の1/4に近い。

アップルが割安だったからでしょうか?

実は、彼はアップルが割安でないことを認めた上で大量に買っています。

では、彼は割安株投資を止めたのでしょうか?

彼の投資法の中に割安株投資は重要な位置づけではありますが、実はそれは手法の一部であってそれがメインではない。そのあたりを理解しておく必要があります。

ご存知のように、バフェットの師匠はベンジャミン・グレアムです。

バリュー投資の神様のような人です。その教えを受けて、バフェットも当初はともかく安い株を買うという投資をしていた時期があります。

斜陽産業の中の安い株を買って、少し上がったら売るようなこともしていました。彼はそれをシケモク投資と呼んでいます。

こうした運用で得られるものは小さい。それにバフェットも気付き、投資手法をシフトさせていきます。

そこに大きな影響を与えたのがフィリップ・A・フィッシャーです。「普通株で普通でない利益を得る」(Common Stocks and Uncommon Profits)の著者です。

フィッシャーはむしろ成長性を重視した投資法です。そこからバフェットの投資法は、成長性重視と集中投資を学びます。

そして更に、彼の有名な相棒であるチャーリー・マンガーから良質の企業を買うという投資法を学び、現在のような投資手法を作り上げてきています。

今では、どちらかというと成長性のある質の高い良いビジネスの方に軸足があると言って良いでしょう。

成長性のある質の高いビジネスであることが、まず重要な必要条件であり、割安であることは、最終段階での判定するための十分条件に過ぎません。だからアップルも買うのです。

成長性のある質の高い良いビジネスであるものとはどういうものでしょうか?

成長が容易に見通しやすいということが、バフェットにとっては非常に重要なことです。これが、彼が言う「理解できる(知っている)ビジネスを買う」ということです。

彼は、1日中朝から晩まで企業の年次報告書を読むのが楽しくて仕方なく、そして企業の中身を徹底的に知ることを楽しんでいます。

ほぼ経営者なみに、そのビジネスや会社のことを知っているというレベルです。

そして、経営者の目線で、長期的に収益が増加していきそうな企業を選びます。株価は予想していません。

この投資で有名な例では、コカ・コーラ。これは、非常にシンプルなビジネスだが、収益性が高い上に、世界中で飲まれており、成長性も安定的に高い。

アップルに関して言えば、アップルのファンはアップル製品を買い続ける熱烈な信者が多い。

iPhoneユーザーは大体においてずっとiPhoneユーザーです。コーク信者は、コークしか飲まず、ペプシは飲まないのと同じように。

安定した収益成長が見えるというのが最大のポイントだったのでしょう。

もちろんこれだけではなく、大量のキャッシュを保有していることや、その他の様々な基準をクリアして購入に至ったのですが、単純化するとこんなところです。

彼が大好きなビジネスは、渡らざるを得ない橋の上で橋の通行料金を徴収するようなビジネスです。

所謂プラットフォーム型ビジネスです。特にそれが消費者関連で行われているものが好きなようです。

そう考えると、アマゾンを彼が買うことになることがあっても驚かないですね。

アマゾンは、社会のインフラ化しつつあります。アマゾンなしに生活出来ない人が増えていますしね。


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記事の作者、松本義和は記事内で言及されている株式を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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