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HSBCホールディングスの今後の見通しは?

モトリーフール米国本社、2019821日投稿記事より

香港の主要銀行であるHSBCホールディングス(SEHK:5)は、強固なバランスシートを有し、銀行の安全性指標である普通株式等Tier1比率は、多くの比較可能な米銀より高いです。

しかし、短期的な問題から株価は7月下旬から大きく下落しています。この理由に関して説明します。

HSBCはアジア地域のエクスポージャーが大きく、そしてアジアは長期的にはヨーロッパや米国よりも急速に成長し続けるでしょう。

利益の約80%をアジア地域から生み出しており、その大部分は中華圏です。

HSBCは、約6%の配当利回りと過去5年間の安定した配当支払い実績により、魅力的な配当株となっています。

また、直近の第2四半期(4月〜6月)の売上高は149億米ドル、純利益は44億米ドルで、アナリスト予想(売上高が140億米ドル、純利益が38億米ドル)を大きく上回りました。

このような四半期の好業績にもかかわらず、HSBCは短期的な問題をいくつか抱えており、株価は7月下旬から10%以上下落しています。

相次いだ経営陣の辞任や退職

最近、HSBCの主要幹部の辞任や退職が相次ぎました。

8月初旬、CEOのジョン・フリントは就任18カ月も経たないうちに辞任しました。報道によれば、フリントはマーク・タッカー会長との間で経営スタイルやプライオリティ設定などで意見対立があったとのことです。また、停滞している米国事業へのフリントの対処の遅れが指摘されています。

その後、2010年以来中華圏部門のCEOであったヘレン・ウォンも辞任しました。

フリントは就任当初、理想的なCEOと見なされていましたが、在職期間中に株価は14%近く下落しました。

フリントが長期リーダーになると予想されていたため、HSBCは現在リーダーシップの不確実性に直面しています。

香港リスクと中国リスク

リーダーシップの不確実性に加えて、HSBCは主要市場に影響を与える可能性がある地政学的問題について警告しています。

中国経済は減速しており、米中貿易戦争は両国に悪影響をもたらしています。

また、人民元安は、HSBCのヘッジされていない利益を減少させます。HSBCが困難に直面している市場は中国だけではありません。

香港は、デモの長期化で社会的に不安定になっているため経済活動が混乱しています。

FRB(米連邦準備制度理事会)は2008年以来初の利下げを行い、英国は10月末にEUを離脱します。

金利低下は、HSBCの米国部門の自己資本利益率(ROE)の低下につながり、ブレグジットはHSBCのロンドン事業に悪影響を与える可能性があります。

今後の見通し

HSBCは20万人以上の従業員を抱えた巨大企業です。

企業文化を変え、プロセスをさらに効率化するには時間がかかるでしょう。

そして、どれほどうまく対応したとしても、株価と収益性は中華圏のマクロ経済の影響を受けるでしょう。

しかし、HSBCの強固なバランスシートとコスト削減努力を考えると、マクロ経済の逆風を乗り越え、魅力的な配当の維持は可能とみられます。

HSBCは高給の従業員を対象に給与の約2%削減を検討しており、これにより6億5000万〜7億米ドルを節約できると考えています。

長期的には、HSBCのポジショニングは依然優れています。

中国は、国内証券会社、生命保険、先物会社に対する外国人投資家の所有に関する制限を来年廃止することを約束しました。

これにより、HSBCはポテンシャルの大きい市場でより多くの成長機会を得られるでしょう。

HSBCのバリュエーションも魅力的です。モーニングスターによると、現在HSBC株はPBR(株価純資産倍率)0.76倍で取引されています。

これは、過去5年間の平均である0.91倍よりもかなり低くなっています。

また、HSBCは最近、最大10億米ドルの自社株買いプログラムを発表しました。

なお、現在の配当利回りは約6%です。

HSBC株は、配当とバリュエーションの両方の観点から長期投資対象になるとの見方があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Jay Yao は、記事で言及されている株式を保有していません。

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