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米国で注目されるDPO(直接上場)とは?

モトリーフール米国本社、2019629日投稿記事より

最近の金融市場では、やや馴染みのない言葉が浸透しつつあります。DPO(Direct Public Offering、直接株式公開または直接上場)です。

これは、新規株式公開(IPO)に非常によく似ていますが、2つの間にはいくつかの重要な違いがあります。

証券会社を通さずに上場

簡単に言えば、DPOとは、企業が証券取引所に上場する際、株式を直接一般に公開することです。

これとは対照的に、IPOの場合、1つまたは複数の証券会社を引受会社として、証券取引所上場前に、一部の期間投資家などのグループにまず株式を売却するという株式発行方式です。

これは通常「ロードショー」(潜在的に興味を持っている機関投資家などへの一連のプレゼンテーション)を通じて行われます。

この段階に続いて、新しい株式が市場に上場され、一般投資家が株式を取引することができます。

DPOでは、このプロセスがありません。

引受人がいないので、ロードショーもありません。

DPOには長所と短所があります。

第一の長所は、もちろん、費用の節約です。

IPOによる引受けでは多くの手数料が発生します。ロードショーのための費用も発生します。

証券会社は、IPOやロードショーに費やす時間、経費とリスクに対して十分に支払われる必要があると考えています。

そのため、証券会社を株式公開から除外することで、発行会社は数千ドルから数億ドルも節約することができます(典型的なIPOの手数料は、調達総収入の約7%にも上ります)。

但し、優れたIPOの引受証券会社は、よい投資を探している富裕層や機関投資家の強力なネットワークを持っています。

優れた引受会社によって準備された質の高いIPOのロードショーは、富裕層や機関投資家への認知度を高めるだけでなく、会社を一般投資家にとってより親しみやすくします。

これはIPO価格を引き上げるのに役立ち、発行企業により多くの資金をもたらします。

この効果は何度も見られました。

最近の例としては、サイバーセキュリティのスペシャリストであるクラウドストライク・ホールディングス(NASDAQ:CRWD)や植物由来代替肉のビヨンド・ミート(NASDAQ:BYND)が挙げられます。

クラウドストライク・ホールディングスのIPOの価格帯は、1株あたり28ドルから30ドルに設定された後、同社の株価は最終的に34ドルとなりました。

ビヨンド・ミートのIPO最終価格は1株あたり25ドルで、当初予想されていた19ドル~21ドルの範囲をはるかに超えたのです。

IPOにすべきか、DPOにすべきか

最近、DPOが話題になっているのは、2つの知名度の高い企業のDPOによる株式新規公開が主な理由です。

この2つの企業とは、企業向けメッセージングアプリのスラックとミュージックストリーミングサービスのスポティファイ・テクノロジーです。

スポティファイの2018年の株式発行は、DPOという手法を市場に周知させたので、これについて見ていきましょう。

上場を前に、スポティファイは資金獲得に必死ではありませんでした。

スポティファイが市場に公開される前に、すでに約300億ドルのバリュエーションが付いていました。

それに加えて、同社はほぼ1億6000万人の正規会員を抱えていたので、宣伝を必要としませんでした。

むしろ、そのDPOによる株式発行は、スポティファイの既存株主であった従業員が、彼らの望む時に株式を市場で売却するための手段として機能しました。

結局のところ、IPOとDPOのどちらがよいか、というのはケースバイケースです。

それは、公開される会社の状況によって異なります。有名企業は、DPOが適していると思われます。

あまり有名ではなく、より多くの資金を必要とする企業は、従来型のIPOが適しているでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


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元記事の筆者Eric Volkmanは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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