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逆イールドカーブが示唆することと景気後退に強い米国株について(その1)

モトリーフール米国本社、2019年8月23日投稿記事より

米国の債券市場で23日、リセッション(景気後退)の到来を示唆すると言われるイールドカーブの逆転(短期米国債の利回りが長期米国債の利回りを上回る現象)が発生し、S&P500インデックスは2.6%下落しました。

逆イールドカーブは、8月14日以降数回発生しており、14日にもS&P500インデックスは約3%下落しました。

逆イールドカーブが実際に今後のリセッションの到来を示唆するのであれば、10年以上に及んだ米国株の強気相場は終焉を迎える可能性が高くなります。

逆イールドカーブが示唆することとリセッションに強い米国株について説明します。

逆イールドカーブについて

通常であれば、債券のイールドカーブ(利回り曲線)は短期から長期にかけて右肩上がりの形状になります。

逆イールドカーブは、米国債の長期ゾーンが買い進められ、短期ゾーンが敬遠されることから、長期債の価格が上昇し(利回りは低下)、短期債の価格が下落(利回りは上昇)するために発生します。

これは、投資家が景気の先行きを懸念し、株式よりも長期米国債などの安全資産を選好するためです。

最近の逆イールドカーブ

8月14日の取引時間中、10年米国債利回りが2年米国債利回りを一時的に下回りました。

そして引けにかけて回復しました。

同様な現象がその後数回発生し、直近が23日でした。下のチャートでも分かる通り、14日と23日にかけて利回り差が大きく低下しています(チャートは22日までです)。

なお、チャートは終値ベースなのでマイナス域には入っていません。

10年国債と2年国債の利回り差(8月12日から22日の期間、終値ベース、単位:%)

出典:YCHARTS。2019年8月22日時点

逆イールドカーブはリセッションを先取りしているのか?

実際、過去約50年間でリセッションが7回発生していますが、その全てに先立って逆イールドカーブ現象が起きています。

下のチャートは、過去40年間における10年国債と2年国債の利回り差を示しています。

この期間に5回リセッション(濃い灰色の期間)が起きましたが、いずれの場合もリセッションの前に逆イールドカーブが発生しています。

過去40年間の利回り差の推移(濃い灰色の期間がリセッション、単位:%)

出典:YCHARTS。2019年8月22日時点

一部の経済学者は、逆イールドカーブがリセッションにつながる論拠はなく、また逆イールドカーブが発生してからリセッションが起きるまでの期間が様々である、と反論しています。

確かに、1960年代半ばに一度だけ逆イールドカーブが起きた後にリセッションが発生しなかったことがありました。

しかし、この1回だけですので、逆イールドカーブのリセッション到来に関する示唆は相当有望と考えられます。

また、期間については、景況やFRB(米連邦準備制度理事会)の金利政策によって変化するとみられます。

リーマンショック時の状況

下のチャートで示されている通り、2007年12月から2009年6月まで続いたリーマンショック(米国では「グレート・リセッション」と呼ばれています)の前に、イールドカーブの逆転が起きています。

もちろん、今後のリセッションの前に逆イールドカーブが必ず発生するとは言えません。

それでも、これまでの長期的な経緯を見ると、大いに参考となるでしょう。

リーマンショック(2007年12月~2009年6月)とその前の期間における米国債利回り差の推移(単位:%)

出典:YCHARTS。2019年8月22日時点

(この後は「逆イールドカーブが示唆することと景気後退に強い米国株について(その2)」に続きます。)

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Beth McKennaは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、アマゾン株、ハズブロ株、ネットフリックス株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、ナショナル・ビバレッジ株を保有しています。モトリーフール社は、ハズブロ株をショートしています。モトリーフール社は、ナショナル・ビバレッジ株に関するオプションを保有しています(2019年10月の45ドルのショート・コール)。モトリーフール社は、ネクステラ・エナジー株を推奨しています。

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