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アマゾンを無視できる企業は存在しない!アマゾン恐怖銘柄指数について

米国の4大IT企業、いわゆるGAFAの一角を担うアマゾン。

CEOのジェフ・ベゾス氏が2年連続(2018、2019年発表)で世界長者番付の首位をキープ、売上高20兆円を達成するなど、その勢いは留まるところを知りません。

アマゾン恐怖銘柄指数は、アマゾンによって窮地に陥るであろう上場企業銘柄の株価を指数化したもので、別名「デス・バイ・アマゾン(アマゾンによる死)」とも呼ばれています。

アマゾンはファッション、金融にまで参入が進んでおり、もはや参入が噂されるだけでその業界の既存企業の株価が揺れ動くほどの存在です。

ですので、アマゾン恐怖銘柄指数を把握することは、市場動向を見通すための鍵となります。

それでは、アマゾン恐怖銘柄指数について見ていきましょう。

アマゾン恐怖銘柄指数とは

アマゾン恐怖銘柄指数とは、アマゾンの台頭によって窮地に陥るであろう上場企業銘柄を指数化したものです。

その名の通り、アマゾンの収益拡大や新規事業参入によって株価が上昇すれば、それに反比例して下落していくのが特徴です。

アマゾン恐怖銘柄指数は、米国投資情報会社ビスポーク・インベストメント・グループによって2012年に設定されました。

以下のビスポーク・インベストメント・グループ社のホームページより確認することができます。

参考:ビスポーク・インベストメント・グループ社

アマゾン恐怖銘柄指数の採用銘柄は54社あり、「ウォルマート」「バーンズ・アンド・ノーブル」「コストコ」といった大手、さらにはドラッグストアやアパレル、スポーツ用品店などの小売銘柄も含まれます。

これらの銘柄の共通点は、収益の大半をリアル店舗から得ており、オリジナル商品でなく他社商品を中心に販売しているところです。

アマゾンの魅力は安価で豊富な品ぞろえ、配送の早さにあります。

それにより、「他社のリアル店舗で実際に手にとり、確認した商品をアマゾンで注文する」という現象が起きているのです。

小売銘柄との相関関係

2017年、アマゾンがホールフーズ・マーケットの買収を発表するとウォルマートの株価が暴落し、日本でも大きなニュースとなりました。

さらに同年、ナイキがアマゾンと提携すると発表するとディックス・スポーティング・グッズなどのスポーツ用品店の株価も暴落。

このように、アマゾンは新規事業参入やM&Aのニュースが報道されるだけで、関連する小売銘柄を揺るがす大きな存在なのです。

オンラインショッピングのみに留まらないアマゾン

現状、オンラインショッピングの覇者はアマゾンであることは言うまでもありません。

しかし、アマゾンはオンラインショッピングだけでなく、リアル店舗のあり方さえも変えようとしています。

2015年11月、米国シアトルにオープンした「アマゾン・ブックス」は、アマゾン初のリアル店舗です。

オンラインショッピングで発展してきたアマゾンが、リアル店舗の書店をオープンするのは矛盾しているように感じるかもしれません。

しかし、シアトルのアマゾン・ブックスでは約5,000冊の書籍扱うほか、電子書籍端末キンドルや音声アシスタント端末アマゾン・エコーの展示を行っています。

アマゾン・ブックスでは、オンラインショッピングのレビューで星4つ以上獲得した書籍のみしか取り扱わず、おすすめの本を矢印で表示するなど、ビッグデータの活用も行われています。

2018年1月、同じく米国シアトルで正式オープンしたレジなし店舗「アマゾン・ゴー」は、日本でも大きく注目を集めました。

「No lines, No checkout」のキャッチフレーズの通り、レジに並ぶ・店内で精算するという作業が不要であるのが特徴です。

顧客はアマゾン・ゴー専用アプリをダウンロードしクレジットカードと紐づけておくことで、商品を持って店外に出れば数分後に自動決済される仕組みになります。

ファッション、金融業界への進出

オンラインショッピングからリアル店舗への進出を加速させるアマゾンですが、ファッション業界や金融業界へも進出しています。

「オンラインショッピングでは購入前に試着できない」という常識を破るアマゾン

ファッション業界では、2014年から「アマゾン・ファッション」という専用ページが設けられ、ファッション好きなユーザーの満足度を高めることに注力しています。

アマゾン・ファッションは、購入した商品を最大30日間無料で返品可能、色・サイズ交換も無料で応じているのが特徴です。

2017年にプライム会員向けに開始した「アマゾン・プライム・ワードローブ」では、一度にまとまった数の商品を注文し、気に入らなかった商品を無料で返品できるというサービスが行われています。

「アマゾン・ファッション」と「アマゾン・プライム・ワードローブ」のどちらも、「購入前に試着できない」というファッションのオンラインショッピング最大の課題解決を狙いとされています。

「アマゾン銀行」で金融業界への進出も狙うアマゾン

金融とITを融合させた「フィンテック」と、オンラインショッピングの覇者アマゾンは相性が良いでしょう。

アマゾンで消費される資金を、アマゾン自身が手がけるサービスによって行われるようになれば金融業界、決済サービス会社にとって大打撃です。

「アマゾン銀行」というキーワードが発表されて日は浅いですが、その動向から目が離せません。

日本企業とも関係あり

日本の企業でアマゾンの影響を最も強く受けるのが国内最大のショッピングサイトである楽天です。

2018年、スマートフォンからのサイト利用者において、アマゾンが楽天を上回りました。

一方でパソコンからのサイト利用者は、以前からアマゾンに軍配が上がっています。

ショッピングサイトだけでなく、イオンを代表とするショッピングセンターも業績悪化が見込まれます。

また、先に触れたとおりアマゾンはファッション業界や金融業界への進出も狙っており、もはやアマゾンを無視できる日本企業はいないといえるでしょう。

関連企業の生き残り戦略「アマゾン・サバイバー」

アマゾンの脅威にさらされながらも生き残り戦略を展開している企業も存在します。

ビスポーク・インベストメント・グループはアマゾン恐怖銘柄指数だけでなく、「アマゾン・サバイバー」という指数も発表しています。

アマゾン・サバイバーの生き残り戦略のポイントは「圧倒的な商品力」「カスタマイズ&パーソナライズ」「痒いところに手が届くサービス」です。

例えば、宝石ブランド「ティファニー」は圧倒的商品力を持ち、他を寄せ付けません。

アマゾン恐怖銘柄指数にも含まれる「コストコ」は、会員制という独自のビジネスモデルによって、原価スレスレの低価格で商品を販売し顧客離れを防いでいます。

つまり、アマゾンと真正面から戦わず、強みをずらすことでアマゾンとの差別化に成功させることがアマゾン・サバイバーになる条件であると言えます。

まとめ

今やアマゾンの存在を無視できる業界や企業はいないといっても過言ではなくなりました。

アマゾン恐怖銘柄指数を把握することで、市場動向の予想の役に立てれば幸いです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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