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【米国株動向】セールスフォースの飽くなき買収戦略

モトリーフール米国本社、2019813日投稿記事より

顧客管理ソフトのセールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)は、クラウドという言葉があまり知られていない1999年の創業当時からクラウドサービスに取り組んできました。

創設者兼共同CEOのマーク・ベニオフは、世界でデジタル化が進む中、クラウドの可能性を最大化するため、買収によって企業内システムの事業分野を拡大してきました。

大型買収を継続しているセールスフォースですが、2019年はそれでも特筆すべき年になりそうです。

年初来では株価があまり上昇していないことから(S&P500の16%に対して3%)、市場は買収戦略を大きく評価していないかもしれませんが、今年の買収には大きなポテンシャルが見込まれます。

なお、22日に第2四半期(5月~7月)決算発表が予定されており、買収の経緯や事業展望が注目されます。

買収で巨額投資

セールスフォースは、157億ドル(約1兆7000億円)に及ぶビッグデータ分析大手タブロー・ソフトウェアの大型買収を完了したわずか数日後、フィールドサービスソフトウェアプロバイダーのクリックソフトウェアを13億5000万ドルで買収することを発表しました。

ビッグデータでグーグルの買収に続くセールスフォースの大型買収

春に、セールスフォースがクリックソフトウェアの元の親会社であるFrancisco Partners Managementと交渉しているという噂が広まりました。

Franciscoは、2015年にクリックソフトウェアを4億3800万ドルで買収したテクノロジー投資会社です。

今回の買収は、クリックソフトウェアが過去数年間で大きく成長したことを示しています。

2018年以来、セールスフォースは10社以上を買収しています。

買収は多種多様であり、人工知能の新興企業、BtoB(企業間取引)のEコマース、およびサービスソフトウェアが含まれています。

表面的にはこれらの買収はランダムで、方向性が統一されていないように見えるかもしれませんが、背後には明確な戦略があります。

デジタル変革を収益化

セールスフォースがニッチなソフトウェアプロバイダーだった時代は過ぎ去りました。

顧客関係管理(CRM)は未だに最大の事業部門ですが、その売上は総売上高の3分の1未満になりました。

サービス、マーケティングおよびコマース、プラットフォームの3部門が追いついてきており、前年同期比20%超で成長しています。

多様化する事業領域は、すべて同じ目標に向けられています。

それは、企業の「デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション)」を支援することで、顧客体験の向上をその中心に据えています。

デジタル変革とは、ITの浸透により人々や企業活動がより便利になることで、業務プロセスの自動化などが含まれます。

デジタル変革は包括的な概念ですが、関連事業は世界経済に毎年約1.8兆ドルをもたらすと予想されています。

これは膨大な額ですが、企業や組織は継続的にデジタル変革で業務を効率化させています。

セールスフォースはCRMの初期において成功しており、デジタル変革でも先手を打っています。

ベニオフには野心的な目標があります。

2019年の目標は2023年までにオーガニック成長だけで年間売上高を倍増して260億ドルにすることです。

最近の買収によりセールスフォースの飛躍的な成長が見込まれますが、進化したエコシステムによって新規顧客も惹きつけられるでしょう。

セールスフォースが買収に充てている金額が年間売上高を超えていることから、一部の投資家は買収戦略がリスキーに映るかもしれません。

しかし、セールスフォースは既に主要ソフトウェア企業ですが、利益の最大化は追求していません。

ベニオフは、デジタル経済が勢いを増し続ける中、その恩恵を最大限享受し、業界のリーダーとして飛躍しようとしています。

タブロー・ソフトウェアやクリックソフトウェアの買収は、それを達成するための1つの道筋です。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Nicholas Rossolilloと彼の顧客は、セールスフォース・ドットコム株を保有しています。モトリーフール社は、セールスフォース・ドットコム株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、セールスフォース・ドットコム株に関するオプションを保有しています(2021年1月の100ドルのロング・コール)。

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