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貿易摩擦の影響を受けにくい米小売株3選:ルルレモン、ホーム・デポ、スケッチャーズ

モトリーフール米国本社、2019年8月12日投稿記事より

トランプ政権による中国への追加関税第4弾の発動宣言により、多くの米小売関連株の株価が急落しています。

それらには、洋服、靴、エレクトロニクス製品関連株が含まれます。

しかし、激化する米中貿易戦争の影響を受けづらい小売関連銘柄として、ヨガアパレルのルルレモン・アスレティカ(NASDAQ:LULU)、ホームセンター大手のホーム・デポ(NYSE:HD)、靴メーカーのスケッチャーズ(NYSE:SKX)を紹介します。

ルルレモン・アスレティカ:中国市場へのエクスポージャーは限定的

ルルレモン・アスレティカの株価は、好業績を背景に年初来で約50%上昇しています。

昨年度(2019年1月期)の売上高は前年比24%増、既存店売上は7%増、売上高総利益率も7%上昇し、調整後EPS(1株当たり利益)は48%増でした。

勢いは2019年度第1四半期(2月~4月)も続いています。

【米国株動向】ヨガアパレルのルルレモン、増収増益決算で株価上昇

既存店売上は前年同期比14%増、売上高総利益率および営業利益率も上昇し、調整後EPSは35%増でした。

今年度通期についても、既存店売上の2桁台前半の伸び、全売上高の13%~14%増、調整後EPSの17%~19%を見込んでいます。

ルルレモンの成長は3つの要素で加速しています。

第一に、オンライン販売などのユーザー直販売上が伸びており、第1四半期は前年同期比33%増でした。

第二に、ブランドロイヤルティが高まっており、無料のヨガクラス、ランニングイベント、愛好者ミーティングなどが奏功しています。

第三に、女性向けヨガアパレルから男性向けアパレルやフットウェアなどへの製品ポートフォリオ拡大が順調に進んでいます。

ルルレモンは、2023年までにオンライン売上と男性向けアパレル売上の倍増を見込んでいます。

ルルレモンの中国市場へのエクスポージャーは限定的です。

ジェフリーズのアナリストによれば、ルルレモン、カジュアル衣料のアバクロンビー&フィッチ(NYSE:ANF)、ティファニー(NYSE:TIF)の3社は、追加関税第4弾の影響を受けにくいとみられます。

ルルレモンの予想PER(株価収益率)は30倍超と高いため、投資家の触手は伸びないかもしれません。

しかし、貿易戦争の激化のあおりで株価が急落した場合、買い増しのチャンスになるかもしれません。

ホーム・デポ:第2四半期決算発表に注目

ホーム・デポの最近の2四半期では売上高の伸びが減速しましたが、経営陣は予想外の悪天候を理由に挙げました。

米小売大手のコールズとホーム・デポ、決算で明暗

しかし、経営陣は通期見通しを変更しておらず、8月20日に発表予定の第2四半期(5月~7月)決算に投資家の期待が高まっています。

注目される指標は既存店売上で、これまでのところ2019年目標(5%)の約半分ほどに落ち込んでいます。

第2四半期では天候は大きな問題にならなかったため、既存店売上も持ち直すと市場では期待されています。

また、投資家は、来客数および平均購買額を注視するでしょう。

また、ホームセンターの競合であるロウズ(NYSE:LOW)と建設業者向け市場などで激しいシェア争いをしているので、その結果も注目されます。

ホーム・デポのシェアが引き続き上昇していた場合、第2四半期決算発表で通期見通しの上方修正の可能性があります。

市場平均を圧倒する長期的な業績を背景に、CEOのクレイグ・メニアは、2017年に年間売上高が1000億ドルを超えたところなのに、2020年までに1150億ドル~1200億ドルを目指しています。

なお、ホーム・デポは北米市場が事業の中心なので、追加関税の影響を直接は受けにくいものの、輸入品の値上げをどのように吸収するのか等についても第2四半期決算発表が注目されるでしょう。

スケッチャーズ:巧みな海外展開

スケッチャーズの株価は、第2四半期(4月~6月)の堅調な決算を受け、7月に一時20%以上上昇しました。

アナリスト予想を上回った第2四半期決算の牽引要素を考慮すると、今後も同社に注目すべきでしょう。

米国のフットウェア業界の大きな懸念は、中国からの輸入品に関する関税の影響です。

フットウェア企業の多くは中国で靴を製造しているため、関税が強化された場合に大きな悪影響を受けます。

しかし、スケッチャーズは第2四半期を巧みに乗り切っています。

これは海外事業の相対的なアウトパフォームによるもので、海外事業の売上は前年同期比約20%増となり全売上高の56%を占めています。

一方、国内事業の増収率は1.5%超に過ぎません。

海外事業は中国、インド、中東が牽引しており、中国には初の配達センターを建設中です。

さらに数週間前、スケッチャーズはプロバスケットボールNBAの伝説的選手シャキール・オニールとのコラボを発表し、子供向けのバスケットシューズを発売します。

これは、短期的な売上増につながるばかりでなく、長期的に利益率が高い数十億ドル規模のバスケットシューズ市場に橋頭堡を築くことになります。

貿易摩擦やマクロ経済に関する懸念がエスカレートし、スケッチャーズの株価が下落した場合、忍耐強い長期投資家にとっては買い増しの機会になるかもしれません。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事のホーム・デポ担当の筆者Demitrios Kalogeropoulosは、ホーム・デポ株を保有しています。ルルレモン担当のLeo Sunは、記事で言及されている株式を保有していません。スケッチャーズ担当のSteve Symsingtonはルルレモン・アスレティカ株を保有しています。モトリーフール社は、ルルレモン・アスレティカ株とスケッチャーズ株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、ホーム・デポ株に関するオプションを保有しています(2019年8月の195ドルのショート・コールと2021年1月の120ドルのロング・コール)。モトリーフール社は、ホーム・デポ株とロウズ株を推奨しています。

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