The Motley Fool

【米国株】銘柄選定時、セクター分類に頼りすぎていませんか?

ライナスです。

皆様、ポートフォリオを作るときどのようにバランスを考えていますか?何となく?気に入った銘柄を片っ端から買う?それともグロースとかバリューとかでバランスを考える?

少し似ていますがセクター別にバランスを考えて攻めと守りを取り入れる…?

今回はセクターの考え方について書いていきます。

そもそもセクターとは?

米国株は11種類のセクターで分かれています。

和訳の都合か表記の仕方が何パターンかあります。

バンガード派とブラックロック派でも表現方法が異なりそうですね。

  • ハイテク(テクノロジー)
  • ヘルスケア
  •  生活必需品
  • 一般消費財
  • 資本財
  • エネルギー
  • 金融
  • 公益
  • コミュニケーションサービス
  • 素材
  • 不動産

不動産はちょっと特殊な扱いです。

REITが該当するのですが、一般的な株式100%ETFなどでは組み込まれないことが多いです。

SPYDなどはREIT込みなので、なかなか珍しいETFですよね。

セクターごとの市場サイクル

各セクターは市場サイクル(あるいは景気循環)ごとに騰落の傾向があります。

市場サイクルは好況、後退、不況、回復の4サイクルに分かれていて、それぞれのセクターが概ね好調なサイクルは以下の通りです。

  • 好況:ハイテク、資本財、金融
  • 後退:エネルギー、公益
  • 不況:生活必需品、ヘルスケア
  • 回復:素材、一般消費財、不動産

さて、ここからが本題です。

「コミュニケーションサービス」がサイクルに入っていませんね。あえて入れませんでした。

厳密にはそれぞれの銘柄から構成されているETF、例えばVOXのようなものを過去になぞれば傾向は見えるかもしれません。

しかし個別銘柄で切り出すと、Googleは元々ハイテクセクターであり、好況時に強いセクターに含まれていました。

AT&Tやベライゾンは 電気通信セクターであり、不況時に強いセクターに含まれていました。

市場サイクルごとの各セクターの傾向は、「金利の変動」「資金調達の難易度」「消費の増減」などにより、各事業分野(つまりセクター)の業績に与える影響を理屈で説明できる部分もあります。

しかしそもそも「株価の騰落率」とは、必ずしも業績に連動するものではないはずです。

「業績への期待」と、「現実の乖離」で形成されているです。

好況でも業績がどん底だった銘柄が、景気後退しても変わらずどん底だったら落差は大したことないでしょう(元々の株価がどん底だったでしょうから)。

逆に好況時に驚異の成長を期待された銘柄が、景気後退して成長鈍化したら今まで期待が乗っていた分、落差は大きいものになりそうです。

これを考えれば、概ね理屈で説明できる側面がありつつも、やはり経験則で語られている部分も大きいのではないかな、と思います。

そしてそうなると、「コミュニケーションサービスセクター」の経験則とは…?となるわけです。ごく最近作られたセクターですからね。

まだセクターとしての経験が蓄積されていないわけです。

ビジネスの近代化で変化する傾向

経験の蓄積不足、これはコミュニケーションサービスセクターに限らず個別銘柄についても言えることだと思います。

ITの発達により現代のビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。

少し横道にそれますが、私の持論として、オールドエコノミー、ニューエコノミーと言った分類は数年後には崩壊し、今の「ニューエコノミー」が「オールドエコノミー」扱いされ、「オールドエコノミー」はより古い「トラディショナルエコノミー」とか「フォッシルエコノミー」なんて呼ばれるようになるのではないでしょうか。

つまり今の「ハイテク」は、もはや「ハイテク」たりえないわけです。

なぜかと申し上げますと、今はテクノロジーが一つのビジネスになっています。

換言すれば「ITそのものがビジネスの主役」なわけです。

今後もそういう企業はあるとは思いますが、より近代化が進めば「ITはビジネスの道具(武器)の一つ」として当たり前のように活用されるようになります。

既にそうなっているかもしれませんね。

例えばマクドナルドがイスラエルのハイテク企業を買収し、デジタルサイネージなどを強化することでユーザーエクスペリエンスを強化する…と言った話題がわかりやすいかもしれません。

マクドナルドはハイテク企業になりたくて買収したわけではないはずです。

ハイテク企業を一般消費財企業のビジネスを加速させる「武器」として活用するために買収したわけです。

話を戻しましょう。

市場サイクルと各セクターの傾向は、経験則だ…と前述しました。

過去、「ハイテク企業を有したマクドナルド」が様々な市場サイクルを歩んできたでしょうか。マクドナルドは一般消費財セクターです。

さらに「クラウド事業を行うEC事業者のアマゾン」が様々な市場サイクルを歩んできたでしょうか。アマゾンも一般消費財セクターですよね。

これを考えれば、個別銘柄でポートフォリオを作る際に「組入れ銘柄のセクター比率は…」と考える意味があるのでしょうか(我ながら耳が痛いですが…)。

結果論なら構いませんが、セクター比率ありきで銘柄を選んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。

まとめ

個別銘柄に限らず、「今後景気が悪化しそうだから、下落に強いディフェンシブセクターである、生活必需品ETFやヘルスケアETFを買っておこう!」と、考えるとしましょう。

「生活必需品×ハイテク」、「ヘルスケア×ハイテク」のような銘柄がETFの中に多く含まれた場合、その「経験則」は役に立つのでしょうか。

もちろん役に立つかもしれません。あるいは役に立たないかもしれません。

未来のことはすぐに結論を出すことはできませんが、経験則を生み出した「過去」とは事情が変わってくるわけです。

一つ言えることは、過去に学ぶことは大切ですが、過去を妄信してはいけません。

市場の通説を盲目的に信じて、時代の変化から無意識に目を逸らしていませんか?

我々が考えている以上に、世界の変化は激しいものです。取り残されないように日々研鑽したいですね。

それでは今回はこの辺で。明日は大吉!


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記事の筆者ライナス@米株仮面は、ビザ株、マスターカード株、マイクロソフト株、アップル株、アルファベット株、ジョンソンエンドジョンソン株、ファイザー株、アムジェン株、アッヴィ株、コカコーラ株、P&G株、ブリティッシュアメリカンタバコ株、マクドナルド株、AT&T株、USバンコープ株、アメリカンステーツウォーター株、ユニオンパシフィック株を保有しています。

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