ETFでも高配当を狙おう!米国株高配当ETFを5銘柄紹介

米国株は高配当(配当利回り)の銘柄が多くありますが、高配当のETFもあります。
ETFとは上場投資信託のことで、証券取引所に上場している投資信託です。
複数の銘柄を組み入れていて分散効果があるので、個別株よりもリスクを軽減しやすいのが特徴です。
今回は、米国株の高配当ETFについてご紹介します。
分配金に着目した米国株好配当ETF
株式投資の利益には値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」と、配当金をもらう「インカムゲイン」の2種類があります。
米国株には高配当銘柄や、連続で増配している銘柄もたくさんあるので、インカムゲイン狙いの投資に適しています。
さらにETF を使えば、複数の企業に分散投資できます。
一つの銘柄に集中投資すると、 配当利回りが高い高配当株であっても、業績悪化懸念によって株価が大きく下がってしまう場合があります。
株価が大きく下がると、配当以上の損失が出てしまいます。
ETF なら複数の銘柄に投資するので、こうした個別銘柄のリスクを軽減できます。
1つの銘柄の株価が下がっても、他の銘柄でカバーできるからです。
さらに米国株の中でも配当が高い銘柄に着目した米国株 ETF を購入すれば、リスクを抑えながら高い利回りが期待できます。
それでは具体的な銘柄をご紹介していきます(各数値は記事執筆次点)。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)
- 純資産総額…1,721(百万米ドル)
- 配当利回り…4.41%
- 信託報酬…0.07%
- 決算…3・6・9・12月(年4回)
- 運用会社…ステートストリート
SPYDは、米国を代表する株価指数である 「S&P500」構成銘柄のうち、高配当株に絞ったETFです。
分配金は3・6・9・12月の年4回。
配当利回り4.41%と高い配当が望めます。
業種別の割合は以下の通りです。
- 不動産…21.26%
- 消費(景気循環)…15.30%
- 公益…12.87%
- 金融サービス…11.42%
- エネルギー…10.72%
通常のS&P500指数は、情報技術やヘルスケアの割合が高いのと対照的に、不動産や消費・公益などの比率が高くなっています。
キャピタルゲイン(値上がり益)狙いでは、通常のS&P500を対象としたETFを買った方がいいですが、高い配当金を得たい場合は「SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)」を保有するようにしましょう。
iシェアーズ 好配当株式ETF(DVY)
- 純資産総額…17,623(百万米ドル)
- 配当利回り…3.34%
- 信託報酬…0.39%
- 決算…3・6・9・12月(年4回)
- 運用会社…ブラックロック
DVYは、ダウ・ジョーンズ・セレクト・ディビデンド・インデックスへの連動を目指したブラックロックのiシェアーズの好配当株式ETF。
配当は年4回で配当利回りは3.34%です。ダウ・ジョーンズ・セレクト・ディビデンド・インデックスは、米国株式の配当利回りの高い100銘柄で構成されています。
設定は2003年と歴史のある ETFです。
純資産総額が大きく、分配金目当ての投資家に人気があります。
業種配分は以下の通りです。
- 公益…25.47%
- 消費(景気循環)…17.42%
- 金融サービス…15.67%
SPYDは不動産セクターの比率がトップでしたが、DVYでの組入はなし。
代わりに公益セクターが4分の1を占めています。高配当ETFといっても、銘柄ごとに組入業種がまったく異なっていることがわかります。
iシェアーズ 米国高配当株ETF(HDV)
- 純資産総額…7,430(百万米ドル)
- 配当利回り…3.26%
- 信託報酬…0.08%
- 決算…3・6・9・12月(年4回)
- 運用会社…ブラックロック
モーニングスター社が算出・好評する「モーニングスター配当フォーカス指数」を対象とし、配当水準が比較的高い米国株式と同じ投資成果を目指すETFです。2011年から運用を開始した ETFです。
「モーニングスター配当フォーカス指数」とは、米国株式市場全体の約97%を占める「モーニングスター米国株式指数」の構成銘柄の中で、財務の健全性が高く、平均以上の配当を支払っていると認められた利回り上位75社の銘柄で構成されています。
業種別構成比は次の通りです。
- エネルギー…23.79%
- 消費(ディフェンス)…19.28%
- ヘルスケア…19.16%
HDVではエネルギーセクターの比率がもっとも高く、上位3業種で6割を占めていることも大きな特徴です。
iシェアーズ グローバル公益事業ETF(JXI)
- 純資産総額…205(百万米ドル)
- 配当利回り…3.91%
- 信託報酬…0.48%
- 決算…6・12月(年2回)
- 運用会社…ブラックロック
S&Pグローバル1200公益事業セクター指数の価格と利回りとの連動を目指すETF。
公益セクターとは、電力やガス・水道などのインフラを扱っている企業。配当は年2回で、配当利回りは3.91%です。
S&Pグローバル1200公益事業セクターの対象は先進国・新興国合わせて約30カ国。地域別の配分は以下の通りです。
- 北米…60.36%
- ヨーロッパ…27. 67%
- アジア(除く日本)…3.14%
- 日本…3.11%
iシェアーズ グローバル・インフラ ETF(IGF)
- 純資産総額…3,241(百万米ドル)
- 配当利回り…3.44%
- 信託報酬…0.48%
- 決算… 6・12月(年2回)
- 運用会社…ブラックロック
S&P グローバル・インフラストラクチャー指数との連動を目指すETFです。
世界のインフラストラクチャー業界の中から、業界を代表する流動性と市場性が高いグローバル企業が対象です。
たとえば、石油やガスの貯蓄および輸送・高速道路・鉄道・エネルギー・輸送インフラ関連企業などで構成されています。
業種別配分は以下の通りです。
- 公益…41.02%
- 工業…40.58%
- エネルギー…18.14%
また、地域別では下記のような配分となっています。
- 北米(米国・カナダなど)…46.71%
- ヨーロッパ…30.04%
- オセアニア…12.33%
他のETFは米国株がメインですが、IGFの米国株式の比率は36.78%と3分の1程度。
分配金は年2回、分配金利回りは3.44%となっています。
まとめ
今回は米国株の高配当ETFの中から、以下の5銘柄をご紹介しました。
- SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)
- iシェアーズ 好配当株式ETF(DVY)
- iシェアーズ 米国高配当株ETF(HDV)
- iシェアーズ グローバル公益事業ETF(JXI)
- iシェアーズ グローバル・インフラ ETF(IGF)
いずれの銘柄も3%を超える利回りが期待できます。
高配当ETFは分配金も再投資するようにしましょう。
分配金にもさらに分配金がつく複利効果が期待できるからです。
複利効果を得るためには、長期で保有することも大切です。
今回ご紹介した銘柄を購入し、分配金を再投資しながら長期での資産形成を目指すようにしましょう。
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記事の作者、山下耕太郎は記事で言及されている銘柄を保有していません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。