【米国株動向】ナイキ、アスリージャー人気など追い風に今後5年も成長維持へ

モトリーフール米国本社、2019年7月30日投稿記事より
ナイキ(NYSE:NKE)は、長期にわたり株主に恩恵をもたらしており、過去5年で株価は倍になりました。
ナイキ・ブランドの人気はスニーカー需要の増大と共に高まり、アスリージャー(スポーツウェアと普段着を兼ねたファッションウェア)の追い風を受けています。
これまでの業績および経営陣の手腕と長期トレンドを考慮すると、ナイキの今後5年もかなり有望と考えられます。
【米国株動向】ナイキ決算:為替変動や貿易戦争にもかかわらずほぼ会社予想通り
ポートフォリオの中核となりうる3銘柄:バークシャー、ディズニー、ナイキ
以下でナイキの長期的な成長を牽引する要因を説明します。
1.健康志向の高まり
ナイキの売上高および利益は過去10年間に順調に増加しています。
ナイキの増収増益を支えているのは、健康的かつアクティブなライフスタイルへの関心の高まりで、特にミレニアル世代でそれが顕著です。
ナイキの株価(青)と売上高(オレンジ、直近12カ月)の推移(単位は株価がドル、売上高が10億ドル)
出典:YCHARTS。2019年7月26日時点
スポーツやフィットネスプログラムへの関心の高まりが、アスレチックアパレル産業の堅実な成長の背景にあり、今後も成長を続けると予想されています。
モルガン・スタンレーは、アスレチックアパレル関連市場が2021年までに約3,550億ドル(約38兆円)に達すると予想しています。
2.アスリージャー需要がナイキの売上を引き続き牽引へ
アスリージャーの人気はとどまるところを知らず、スニーカー需要はよりファッション性を帯びてきています。
このため、ナイキや競合他社はセレブとコラボして独特のスタイルのスニーカーをデザインし、それがさらに需要を拡大しています。
アディダスはモデルで女優のカイリー・ジェンナーや歌手のビヨンセとコラボし、一方、ナイキはラッパーのトラビス・スコット、シンガーソングライター・俳優のジャスティン・ティンバーレイクなどとコラボしています。
3.魅力的な新製品を相次ぎ投入し顧客を魅了
ナイキは、製品の生産時間を半分に短縮し、新製品の投入速度を倍増させたため、最新のスタイルを求める顧客を引きつけています。
この戦略によりユーザーのスタイル変化への速やかな対応が可能になり、また店頭で売れ残る商品が減るため、ナイキの利益率を高めています。
4.スタイルを増やして需要喚起
ナイキはイノベーションも追求しています。
優れたランニングシューズへの強い需要がある一方で、日常生活用シューズの需要もあります。
ナイキはこの2つの需要を満たすべく新たなスタイルのシューズも開発しています。
その一例が最近投入したAir Max React 270で、人気が高いAir Maxスニーカーにランナー向けのReactクッション技術を取り入れました。
5.利益率の改善で利益成長加速
ナイキは、サプライチェーンの効率性向上と製品の市場投入スピードの加速により、利益率を改善しつつあります。
今後の利益率改善のためには、デジタル販売がカギとなるでしょう。
より多くの売上がダイレクトチャンネル経由でもたらされており、ナイキの直営店、アプリ、ナイキ・ドットコムが含まれます。
昨年、ダイレクトチャンネル経由売上は前年比16%増加し、特にデジタルアプリ経由は35%と最も大きな伸びとなりました。
ナイキおよび関連会社のデジタル売上は、2023年までには全売上高の30%を占めるようになると見込まれます。
経営陣は長期的には売上高の半分以上を占めると予想しています。
これにより、ナイキの売上高総利益率がさらに改善するでしょう。
ナイキの売上高総利益率の推移(直近12カ月、単位:%)
出典:YCHARTS。2019年7月26日時点
株価への影響は?
上記から、ナイキは今後5年も売上高を拡大し、利益率も高めると期待されます。
株価への影響はどうでしょうか?
PER(株価収益率)は過去10年で着実に上昇しており、予想PERは現在約30倍になっています。
アスリージャーへの高まる需要、サプライチェーンの改善、デジタルチャンネルの成長は、ナイキの売上高および利益を牽引していくと予想されます。
アナリストは、ナイキが今後5年間は利益を年率15%増加させると予想しており、ナイキは長期投資対象として有望と考えられています。
(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)
「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」
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元記事の筆者John Ballardは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、ナイキ株を保有しており、そして推奨しています。