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長期目線での不動産投資を行うにあたって必須な長期修繕計画とは?

不動産投資は、株式投資やFXと比べて非常に長期目線での投資となります。

とりわけ、売却よりも家賃収入でのインカムゲインを目的に考えるのであれば、購入した物件と数十年スパンでの付き合いとなることも珍しくありません。

そして不動産と長期の付き合いとなったとき、欠かせない視点が、建物の「修繕」です。

建物は経年や外部からの影響、もしくは入居者の使用によって劣化していきます。

長期間、入居者を集めることのできる物件であるためには、定期的な修繕が必要となってきます。

今回は、長期修繕をテーマにその必要性や、適正な計画がなされているか、判断するポイントをお伝えします。

長期修繕計画とは?

まず、長期修繕計画とはそもそも何なのか、またなぜ長期修繕計画が必要となるのか説明していきます。

長期修繕計画とは、10年~12年程度を目安に、建物全体のメンテナンスのために行う大規模な工事のための計画をさします。

経年での建物の劣化に対し定期的にメンテナンスを行っていくことによって、建物の外観や安全性を維持し、長期的な資産価値を保つために計画が行われます。

(当然、予期せぬ自然災害などで突発的な修繕が必要になったり、計画していた時期よりも早い修繕が必要になるケースもあります。)

修繕の必要なタイミングやその費用を見積り、必要な費用を各区分所有者から月々「修繕積立金」という名目で徴収していきます。

なぜ長期修繕計画が必要なのか

長期修繕計画は、共同所有物であるマンション全体の資産価値を保全するために行われます。

専有部分(部屋の内部)であれば、その修繕の義務は専有部分の所有者に帰属しますが、エレベーターや廊下、マンションの外部などの「共有部分」については、専有部分の持ち分に応じて共同所有となります。

しかし、持ち分としては共同所有であっても、現実的に「自分の持ち分のみ修繕する」といったことはできません。

誰かが費用を出し、修繕することで他の所有者も利益を得られるとなると、特定の所有者の持ち出しでの修繕は期待できません。

かといって、それを放置していては建物全体の資産価値が低下します。

そこで、管理組合が所有者全体から積立金を集め、その中から修繕費用を出すことによって公平に費用を負担しながら共有物の修繕が行える仕組みを取っています。

修繕積立金の注意ポイント

不動産投資の初心者が勘違いしやすいポイントとして、月々徴収されている修繕積立金が、専有部分の修繕のための費用と捉えられているケースがあります。

実際には共有部分の修繕であり、専有部の修繕については積立またご自身で積み立てる必要がありますのでご注意ください。

長期修繕計画が適正か判断するポイント

長期修繕計画は区分所有の建物であれば、必ず行われているものですが、修繕計画があれば必ず安心というわけではありません。

中にはずさんな計画しか立っておらずいざという時に必要な修繕を行えないリスクがあります。

そういった事態に陥らたないための判断ポイントを、いくつかお伝えします。

いずれも、管理会社の発行する「重要事項に係る調査報告書」にて確認することが可能です。

管理形態

建物の管理は、管理組合が行う自主管理と、管理組合が管理会社に委託するケースがあります。

前者の場合、知見のある組合員がいればよいのですが、単に管理費の出し惜しみであればずさんな管理がされているリスクもあります。

修繕積立金総額

現在、積み立てられている修繕積立金の総額も確認することができます。

この金額が十分に積み立てられていれば、計画やそれにそった積立が行われているので安心できる指標です。

物件次第ですが、目安として1000万円以上積み立てられて入れば安心と言えるでしょう。

修繕工事履歴

積立金が十分でないとしても、それだけで不安要素というわけではありません。

直近で大規模な修繕が行われていれば、積立金が少ないのは当然のこと。

修繕工事履歴を確認すれば、必要な工事を行ったために積立金が少ないのか、単に見積もりが甘いのかを判別できます。

管理費、修繕積立金の滞納額

最後に、管理費や修繕積立金の滞納の有無も確認しておきましょう。

持ち分に対して滞納のある物件を購入してしまった場合、その債務も引き継いでしまいます。

また、持ち分以外の滞納については、支払いの義務はありませんが、滞納額が多い場合必要な修繕が行えないリスクもあります。

一棟買いの場合、自主的な「長期修繕計画」が必要

区分投資を行う場合は、物件を複数人で共同所有することになるので、全体の利益のために長期修繕計画が用意されていました。

一棟買いでの投資を行う場合、当然、管理組合のようなものは存在しません。

ご自身で、修繕計画を立て、業者を手配し、実行することが求められます。

もちろん、修繕積立金のようなシステムも存在しないので、ご自身で修繕のための費用を用意することになります。

一棟の修繕となると、数百万~といった単位での費用となるケースも多いので、月々の家賃収入の中から計画を立てて一定額を積み立てておくことが奨励されます。

修繕の計画の立案や、月々の積立額については、管理を委託する会社に相談してみるのも一つの手です。

まとめ

不動産投資は、1つの案件との付き合いが長くなる投資。

そして、建物も物である以上、時の経過とともに劣化していきます。

長く建物の価値を保つために定期的な修繕は必須事項です。

その必要性を今一度ご認識いただくと同時に、区分投資の物件においては、適正な修繕計画がなされているかも、しっかりとご確認いただくことをお勧めします。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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