The Motley Fool

注目すべきがん関連10銘柄(その2)

モトリーフール米国本社、2019年7月27日投稿記事より

注目すべきがん関連10銘柄(その1)」の続きです。

メルク

メルクで最も売上が大きいがん免疫療法薬のKeytrudaは、今後数年で世界最大のブロックバスター薬となる可能性があります。

EvaluatePharmaは、Keytrudaの売上高が2024年までに170億ドルに達すると予測しています。

Keytrudaはこれまで20件以上のFDA(米食品医薬品局)の承認を受けています。

メルクは、Keytrudaを単独療法薬として、また他の臨床段階の薬と組み合わせて、10以上のがんの治療に活用しようとしています。

メルクは、日本の製薬会社のエーザイとLenvimaで提携しています。

Lenvimaは、腎臓、肝臓、甲状腺がんの治療薬としてFDAに承認されています。

メルクはまたアストラゼネカと、乳がんおよび卵巣がん治療薬のLynparzaを共同販売しています。

アボット・ラボラトリーズ

医療機器で有名な大手ヘルスケア企業のアボット・ラボラトリーズを、がん関連株とは考えにくいかもしれません。

しかし、同社の診断部門はがん発見に役立つ製品を販売しています。

アボットはがん検出関連システムだけの売上を発表していませんが、全体的なコア・ラボラトリーシステムの総売上高は2018年に約44億ドルでアボットの年間総売上高の13%以上を占めています。

その中ではAdlinityシリーズが成長の牽引ドライバーで、血液サンプルを使用してがんや感染症などを特定します。

サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック

サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックも大手ヘルスケア企業です。

しかし、アボットと同様に、がん診断に使われる機器を開発・販売しています。

さらに、同社の次世代遺伝子シークエンシングシステムががん研究に使われています。

同社の特殊診断事業の2018年の売上は37億ドルでした。

この部門にがん診断で使われる解剖病理学関連製品が含まれますが、同社は個別の売上は公表していません。

サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックのライフサイエンス事業の売上は2018年に63億ドルで、がん研究向け遺伝子シークエンシングシステムの売上も含まれています。

アストラゼネカ

アストラゼネカのがん関連売上は2018年に60億ドル以上になっています。

最も売上が大きいのは肺がん薬Tagrissoの約19億ドルで、乳がん薬Faslodex(10億ドル超)が続きます。

がん治療薬のLynparzaとImfinziはブロックバスター候補です。

なお、アストラゼネカの後期ステージパイプラインには、がん関連の17候補薬があります。

このうち半分以上はInfinziと別の数種の薬を合わせたものです。

アムジェン

アムジェンは長年、骨疾患および免疫関連製品を通じて大きな成功を収めてきました。

そして同社はがん治療薬でもリーダーです。

アムジェンの2018年の総売上高の約38%は、がん治療関連でした。

これには、アムジェンで2番目に売れている骨髄刺激薬のNeulastaが含まれます。

また、多発性骨髄腫薬のKyprolisと白血病薬Blincytoの売上が伸びてきています。

アムジェンの早期パイプラインには18ものがん治療関連薬が控えており、今後がん治療市場において同社のプレゼンスを拡大させる可能性があります。

イーライリリー

イーライリリーのがん関連薬の2018年の売上は約36億ドルで、総売上高の約15%を占めます。

売上が最も大きいがん治療薬はAlimtaで、中皮腫の治療薬として2004年にFDAの承認を初めて受けました。

イーライリリーのがん関連治療薬の売上は大きくは拡大していません。

この中では、2017年にFDAに承認された乳がん治療薬Verzenioの売上が大幅に伸びています。

後期ステージパイプラインのがん関連薬は3つしかなく、そのうち2つは既に承認されている薬をベースとしています。

がん関連株のリスク

がん関連企業は規制環境下で事業を行っていて、広範な臨床試験を行う必要があります。

臨床段階での不調により、株価が下落する場合があります。

バイオテクノロジー・イノベーション・オーガニゼーションによれば、臨床試験を開始したがん治療薬の5%しかFDAの承認段階に進んでいません。

たとえ臨床試験がうまくいったとしても、それでFDAの承認を得られるわけではありません。

後期ステージの臨床研究で約18%のがん治療薬がFDAの承認獲得に失敗しています。

そして、規制当局の承認を無事得られたとしても、次に市場での競争が待っています。

特に乳がんや肺がんなどの一般的ながん向け治療薬の競争環境は激化しています。

また、がん関連株には、製品に関する訴訟リスクにさらされています。

さらに、10銘柄の多くは米国での売上に大きく依存しているため、米国のヘルスケア制度で大きな変更があった場合、たとえば薬価の抑制などがあった場合は大きな影響を受けるでしょう。

がん関連株への投資の理由

上記のリスクにもかかわらず、10銘柄の多くは今後堅調なリターンをあげる可能性があります。

世界的な高齢化により、今後数十年の間にがんと診断される患者の数は拡大すると予想されます。

このため、がんの治療や診断に効果的な製品を開発する企業にとって大きな事業機会となります。

なお、がんとの闘いに取り組んでいるのは大企業だけではありません。

IQVIAによれば、700を超える企業が後期がんの免疫療法を開発しており、その多くは上場しています。

がん関連株を探している投資家にとっては、選択肢はいろいろあります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


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元記事の筆者Keith Speightsは、アッヴィ株とファイザー株を保有しています。モトリーフール社は、アムジェン株とジョンソン&ジョンソン株を推奨しています。

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