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注目すべきがん関連10銘柄(その1)

モトリーフール米国本社、2019年7月27日投稿記事より

がんとの闘いは巨大なビジネスとなっています。

健康情報企業IQVIAの調査によれば、2018年だけでもがん関連医薬品総額は約1,500億ドル(約16兆3,500億円)に達していて、2023年までには2,500億ドルに拡大する見通しです。

主要ながん関連株10銘柄を紹介します。

がんとの闘いの概要

がんとの闘いについて3つの側面があります。

まずがん予防関連です。

もちろん全てのがんのリスクを下げることはできませんが、数種類のがん、とくに肺がんは予防行為によりリスクを低減することができます。

そして、がんの早期診断も重要です。

CTスキャンやマンモグラフィーなどの医療画像装置は、がんの早期発見で大きな威力を発揮します。

近年では、リキッドバイオプシー(血液を使った生体検査)が注目されています。

がん治療については、処方薬から手術まで多岐にわたります。

化学療法は長年にわたりがん治療で主要な選択肢でしたが、がん細胞以外にも毒性がある薬を使う弊害がありました。

近年、免疫細胞を利用する免疫療法が注目を集めています。

2019年における主要10銘柄

主要10銘柄は、がんの予防、診断、治療にいずれかに関連する売上がある企業です。

表は時価総額順です。

個別銘柄の説明が表の後に続きます。

会社名(ティッカー名)

 

主力分野 時価総額 予想PER 予想配当利回り
ジョンソン&ジョンソン

(NYSE:JNJ)

抗がん剤 3,471億ドル 14.3倍 2.90%
ファイザー

(NYSE:PFE)

抗がん剤、禁煙サポート 2,396億ドル 14.1倍 3.37%
ロシュ

(NASDAQOTH:RHHBY)

抗がん剤、遺伝子解析システム 2,332億ドル N/A 3.23%
ノバルティス

(NYSE:NVS)

抗がん剤 2,154億ドル 16.5倍 3.08%
メルク

(NYSE:MRK)

抗がん剤 2,097億ドル 15.3倍 2.69%
アボット・ラボラトリーズ

(NYSE:ABT)

診断システム 1,548億ドル 24.2倍 1.46%
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック

(NYSE:TMO)

診断システム、遺伝子解析システム 1,149億ドル 21.2倍 0.26%
アストラゼネカ

(NYSE:AZN)

抗がん剤 1,140億ドル 22.0倍 3.28%
アムジェン

(NASDAQ:AMGN)

抗がん剤 1,069億ドル 11.8倍 3.33%
イーライリリー

(NYSE:LLY)

抗がん剤 1,051億ドル 16.5倍 2.39%

出典:主力分野は企業資料。時価総額、予想PER、予想配当利回りはYAHOO! FINANCE。2019年7月26日時点

ジョンソン&ジョンソン

ジョンソン&ジョンソンのオンコロジー(がんなどの腫瘍)関連医薬品売上は2018年に98億ドルで、処方薬売上の約25%、全売上高の12%です。

同社には4つの抗がん剤があります。

前立腺がん治療向けのZytigaはジョンソン&ジョンソンで最も売れているがん治療薬です。

しかし、ジェネリック医薬品との競争に直面し、薬の売上は減少しています。

同社はまた、前立腺がん治療用の新薬であるErleadaも販売しており、その売上は引き続き増加しています。

ジョンソン&ジョンソンは、アッヴィと抗がん剤Imbruvicaを共同販売しています。

この薬は慢性リンパ性白血病(CLL)などさまざまな種類のがん治療に対して承認されています。

市場調査会社のEvaluatePharmaによれば、2024年までにImbruvicaは主要な抗がん剤となり、年間売上高は95億ドルに達すると予想されています。

ファイザー

ファイザーの2018年の抗がん剤売上は72億ドルで、禁煙補助製品の売上は10億ドル超で、これらの売上はファイザーの全売上高の15%以上を占めています。

ファイザーの抗がん剤関連で売上が最も大きいのは、乳がん治療薬のIbranceです。

再発防止の補助療法としても承認されれば、売上はさらに伸びるでしょう。

前立腺がん治療薬のXtandiは、次のブロックバスター(年間売上が10億ドル超の大ヒット医薬品)となる可能性があります。

ファイザーはまた、肺がん薬Lorbrenaや乳がん薬Talzennaなど、いくつかの新製品を発売しています。

ロシュ

ロシュは、多角的にがんと闘っている主要企業です。

診断部門は、がん研究用の次世代シーケンスシステム(遺伝子などの解析システム)を販売しており、またがん発見のためのリキッドバイオプシーも研究しています。

しかし、同社の業績に最も大きく貢献しているのは抗がん剤で、2018年の売上は260億ドル以上となっています。

ロシュで最も売上が大きいがん治療薬はHerceptin、Avastin、Rituxanです。

しかし、成長著しいのは、乳がん治療薬Perjeta、免疫療法薬Tecentriq、肺がん治療薬Alecensa、および血液がん治療薬Gazyvaです。

また、ロシュの後期ステージのパイプラインには、多くの有望な新薬があります。

ノバルティス

ノバルティスの2018年のがん治療関連売上は134億ドルです。

慢性骨髄白血病(CML)薬Tasignaの売上が最も大きく19億ドルにのぼります。

ノバルティスには他に6つのブロックバスター抗がん剤がありますが、CMLおよび消化管間質腫瘍の治療に使用される化学療法薬であるGleevecは、ジェネリック医薬品との競争が激化しているため売上が急速に落ちています。

6つの抗がん剤のうち、売上が堅調なのは2つだけです。

しかし、ノバルティスにはブロックバスターになりつつあるがん治療薬のJakaviがあり、乳がん治療薬Kisqaliと免疫療法薬Kymriahも売上が伸びてきています。

(この後は「注目すべきがん関連10銘柄(その2)」に続きます。)

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Keith Speightsは、アッヴィ株とファイザー株を保有しています。モトリーフール社は、アムジェン株とジョンソン&ジョンソン株を推奨しています。

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