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米半導体銘柄比較:エヌビディアとクアルコム

モトリーフール米国本社、2019年7月22日投稿記事より

クアルコム(NASDAQ:QCOM)とエヌビディア(NASDAQ:NVDA)は主要半導体メーカーで、AI(人工知能)、次世代5Gワイヤレスネットワーク、自動運転車などの成長市場を狙っています。長期的にポートフォリオに入れることを想定して、両社を比較していきます。

クアルコム:5Gワイヤレスネットワークの恩恵を享受へ

投資家がクアルコムに対して強気になる理由の一つは、現行の4G LTEワイヤレスネットワークから次世代5Gネットワークへの移行です。

5Gのモバイルインターネット速度は4Gの20倍で、IoT(モノのインターネット)サービスの大幅な拡大も可能になります。

5Gの世界市場規模は、2035年までに12兆3,000億ドルに達する可能性があり、CEOのスティーブ・モレンコフは「携帯電話モデムチップのクアルコムにとって5Gは大きなチャンス」と述べています。

しかし、クアルコムは、独占禁止法違反をめぐり、携帯電話メーカーへ要請してきたモデム技術ライセンス費用に関して多くの訴訟を抱えています。

訴訟関連費用に加えて、利益に大きく貢献してきたライセンス収入が失われることが、利益と株価に悪影響を及ぼしています。

最近では、独禁法違反でEU(欧州連合)がクアルコムに対して2億7,200万ユーロの制裁金を科しました。

結局、ライセンス収入に関する不安要素により、クアルコムの将来が見えづらくなっています。

同社は5Gチップ売上で大きなポテンシャルがありますが、独禁法違反関連訴訟が引き続き同社に暗い影を落としています。

(訳注:ウォール・ストリート・ジャーナルの最近の報道で、アップルが半導体大手のインテルからスマートフォン用モデムチップ事業の買収を進めていることが明らかになりました。この報道を受け、クアルコムの株価は一時3%下落しました。)

エヌビディア:AI、自動運転車で大きなポテンシャル

エヌビディアは目下懸案と取り組んでいます。第1四半期(2月~4月)の売上高は、第4四半期の前年同期比24%減よりさらに悪化し、31%減でした。

【米国個別株動向】エヌビディア決算:減収減益でもコンセンサス上回る

GPU(画像処理半導体)大手の同社の売上高大幅減は、仮想通貨のマイニング(採掘)市場向け半導体需要の落ち込みが主因でした。

ビットコインなどの仮想通貨の人気と価格上昇により、半導体企業は、マイニング向け高性能チップの生産を拡大してきました。

このため、マイニングの風向きが変わった途端、半導体の過剰在庫に悩まされるようになりました。

しかし、長期的には、エヌビディアの見通しは依然明るいと考えられます。

ゲームおよびデータセンター向けチップが主力の同社は、ディスクリートデスクトップGPU(グラフィックカードの着脱が可能なGPU)市場の77%を占めています。

さらに、今後急速な成長が期待されるデータセンター、AIアプリケーション、自動運転車向けのGPUでも大きなポテンシャルがあります。

【米国株動向】エヌビディア、自動運転トラックでボルボと提携

エヌビディアは、データセンターの潜在的な市場規模が2023年までに500億ドルに達する可能性があると考えています。

自動運転車の潜在的な市場規模は2035年に600億ドルに達すると見込んでいます。

なお、投資家は、売上高の最大シェアを握るビデオゲーム向けチップの売上を注視すべきです。

ゲームチップ売上は第1四半期に前年同期比では落ち込みましたが、前四半期比では増加し、今後2四半期間も上昇が予想されています。

結論

クアルコムには次世代5Gネットワーク導入の恩恵を大きく受ける可能性はありますが、それでもエヌビディアの事業機会には及ばないと考えられます。

エヌビディアは既にビデオゲームやデータセンターの恩恵を受けており、さらにAIや自動運転車などポテンシャルの大きい市場にアクセスしつつあります。

より重要なのは、エヌビディアにはクアルコムが直面している様々な訴訟の重荷がないことです。

クアルコムは先が見えない状況が続いています。

訴訟の悪夢がいつ終わるのか、携帯電話技術のライセンス収入の恩恵はどれほどなのか、依然として不透明です。

これらの理由により、長期投資としてはエヌビディアの方が優れているとの見方があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


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元記事の筆者Chris Neigerは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、エヌビディア株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、クアルコム株を保有しています。

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