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注目すべき生活必需品株10銘柄

モトリーフール米国本社、2019年7月18日投稿記事より

生活必需品株は市場の下落局面に強く、投資家はその安定性を好みます。

不況時でも需要がある洗剤、シャンプー、飲料などの世界的ブランド企業が含まれます。

以下で、10大生活必需品株を紹介します。

S&P500インデックスには生活必需品企業が33社含まれており、飲料メーカーからスーパーチェーン、たばこメーカーなど多岐に及んでいます。

米国経済で重要な役割を果たしている生活必需品株の合計時価総額は3兆ドル以上です。

(訳注:世界的な生活必需品企業は強力なブランド群ときめ細かい流通網を維持しており、全世界で販売を展開しています。競争優位性は長期的に継続しており、中国などからの新興企業の参入が困難になっています。)

生活必需品株投資の魅力

生活必需品は、景気に左右されることなく、人々が毎日、毎週使うものです。

生活必需品企業には、食品、飲料、家庭用品、パーソナルケア用品、アルコール類、たばこが含まれます。

生活必需品株投資の魅力は、景気後退時に株価が相対的に崩れないことです。

多くの産業は不況になると株価が急落しますが、生活必需品株の株価は比較的安定しています。

このため、生活必需品株は「ディフェンシブ株」とも呼ばれます。

そして生活必需品株は、比較的多くの配当を安定的に出してきた実績があります。

10大生活必需品企業

時価総額に基づく10大生活必需品企業は以下の通りです。表の下に個別銘柄の説明が続きます。

会社名(ティッカー名) 主力分野 時価総額 予想PER 予想配当利回り
ウォルマート

(NYSE:WMT)

主に食料品および家庭用品を扱う世界最大の小売企業 3,252億ドル 22.6倍 1.85%
プロクター&ギャンブル

(NYSE:PG)

洗剤関連、ヘアケア・スキンケア用品、ベビー用品などを扱う大手消費財メーカー 2,885億ドル 24.3倍 2.58%
コカ・コーラ

(NYSE:KO)

炭酸飲料および各種ノンアルコール飲料を販売する総合飲料メーカー 2,192億ドル 22.7倍 3.08%
ペプシコ

(NASDAQ:PEP)

飲料およびスナック食品メーカー 1,819億ドル 21.8倍 2.87%
フィリップ・モリス・インターナショナル

(NYSE:PM)

米国外で紙巻きたばこや無煙たばこを販売する総合たばこ企業 1,380億ドル 15.8倍 5.20%
コストコ

(NASDAQ:COST)

会員制卸売り大手で、食料品、家庭用品、家電製品など広範に販売 1,238億ドル 32.9倍 0.92%
アルトリア・グループ

(NYSE:MO)

米国内でたばこを製造・販売 945億ドル 11.3倍 6.33%
モンデリーズ・インターナショナル

(NASDAQ:MDLZ)

世界的なスナック食品メーカー

 

791億ドル 20.4倍 1.88%
エスティローダー

(NYSE:EL)

化粧品、香水、スキンケア用品メーカー 691億ドル 32.9倍 0.90%
コルゲート・パルモリーブ

(NYSE:CL)

歯磨き粉、歯磨きや洗剤関連 624億ドル 23.8倍 2.33%

出典:主力分野は会社資料。時価総額、予想PER(株価収益率)、予想配当利回りはYAHOO! FINANCE。2019年7月19日時点

ウォルマート

ウォルマートは世界最大の小売企業で、年間売上高は5,000億ドル以上です。

ウォルマートの強みは低コストオペレーションで、巨大な店舗基盤に支えられています。

オンライン販売も拡大しており、店舗網との相乗効果を狙っています。

なお、利益率が以前より低下しており、成長もやや減速していますが、40年以上の連続増配を投資家は評価しています。

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プロクター&ギャンブル

プロクター&ギャンブルは、長年にわたり世界的な生活必需品ブランドとして知られてきました。

洗濯用洗剤「タイド」やひげそり「ジレット」などが含まれます。

P&Gの市場地位は、多くの分野で驚異的です。

2019年半ばの時点で、世界のヘアケア市場の20%、洗濯用洗剤の25%、紙おむつの25%を占めています。

P&Gは、投資家への年率リターンを高めるために、市場シェアを徐々に拡大し、収益性を高めてきました。

その結果、60年以上の連続増配を誇っています。

銘柄比較:P&Gとコカ・コーラ

コカ・コーラ

コカ・コーラは世界最大の飲料フランチャイズであり、そして巨大な飲料流通ネットワークを維持しています。

同社は、世界で毎日消費される飲料の3%のシェアを占めています。

コカ・コーラの強みは、消費者の嗜好の変化への対応力です。

競合は短期的な事業機会を活かすことができますが、コカ・コーラが中長期的には対応するので、競合は短期的な事業機会を長期的な機会につなげることが困難です。

なお、コカ・コーラは50年以上にわたって増配を続けているので、多くの投資家は同社株を「ディフェンシブ株」として保有しています。

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ペプシコ

ペプシコはよくコカ・コーラと比較されますが、実際には事業ポートフォリオは異なります。ペプシコには、飲料ブランドに加えてスナック食品群があります。

「ドリトス」ポテトチップスや「クエーカー」シリアル商品などです。

ペプシコは株主還元に積極的です。

同社は年間フリーキャッシュフローのほぼ大半を、自社株買いと高い配当で株主に還元しています。

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フィリップ・モリス・インターナショナル

たばこ産業は長期低落が続いていますが、世界最大のたばこメーカーのフィリップ・モリスは堅実な利益をあげています。

同社の売上数量は減少していますが、値上げにより依然増収が続いています。

通常の生活必需品株の配当性向が50%前後のところ、フィリップ・モリスは利益の大半を配当に充てていて、直近の配当性向は90%前後です。

このため、配当利回りが最も高い生活必需品株の一つですが、相当高い配当性向を考えると減配リスクを考慮する必要があります。

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コストコ

会員制卸売り大手のコストコは、1984年には9店舗で年間売上高が10億ドルを超えたのが、今では全米第2位の小売企業となり、年間売上高は1,500億ドル以上です。

年会費収入が利益となるため、他の小売企業と比べると利益水準が安定していて大幅な値引きが可能です。

コストコの配当利回りは低いですが、投資家は大きな売上高成長と堅調なリターンに期待しています。

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アルトリア・グループ

アルトリア・グループは、米国内で「マルボロ」などのトップブランドのたばこを販売しています。

たばこの長期的な消費縮小の中、ブランドたばこの人気は米国で健在です。

たばこの値上げと無煙たばこの需要拡大により、売上高は安定的に推移しており、売上高総利益率は常に40%前後となっています。

大企業の中では最も高い配当の一つで、利益の大半を占めており、減配リスクはあります。

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モンデリーズ

モンデリーズは、世界最大のスナック食品企業の一つで、「オレオ」、「ナビスコ」クッキーなどの有名ブランドを擁しています。

地理的な分散が強みで、売上高の半分は欧州、25%が米国、その他が25%となっています。

世界的に食べやすいスナック食品へのニーズが高いため、モンデリーズの成長率は食品業界平均を上回っており、高い利益率に直結しています。

エスティローダー

エスティローダーは、ビューティー用品の巨大な世界市場の恩恵を長年受けてきました。

事業の分散も効いていて、売上高の約40%がスキンケア用品、約40%が化粧品、約13%が香水です。

エスティローダーの商品は、プレミアムイメージの維持を志向する小売業者のネットワークで扱われており、これが高い利益率につながっています。

コルゲート・パルモリーブ

コルゲート・パルモリーブは歯磨き関連グローバル市場のリーダーで、2018年の歯磨き粉世界売上高の42%を占めています。

歯磨きや電動歯磨きでも支配的な地位にあり、その結果、売上高総利益率は常に60%前後で推移しています。

コルゲート・パルモリーブの売上高成長は近年減速していますが、経営陣はコスト削減や主要ブランドへの集中戦略で対応しています。

経営陣は株主還元を重視しており、長期的に着実な増配を実施してきています。

(訳注:成長性ではコストコが注目されます。また、配当利回りではフィリップ・モリスとアルトリアのたばこ2社が注目されますが、減配リスクを見極める必要があるでしょう。)

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Demitrios Kalogeropoulosは、コストコ・ホールセール株を保有しています。モトリーフール社は、コルゲート・パルモリーブ株、プロクター&ギャンブル株をショートしていて、コストコ・ホールセール株に関するオプションを保有しています(2020年1月の180ドルのショート・コールと2020年1月の115ドルのロング・コール)。モトリーフール社は、コストコ・ホールセール株を推奨しています。

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