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長期積み立て向きのMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを解説

投資において1カ所に全ての資産を集中させるのはリスクの高い方法となります。

複数の投資先に分けて、リスクを減らす分散投資が望ましいですが、分散投資は時間や手間が掛かってしまい投資を始めたばかりだと難しく感じられます。

そんな方に知って欲しいのがMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは日本のみならず、アメリカやイギリス、中国など様々な国の企業を対象とした株価指数になります。

このMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動したインデックスファンドを購入する事は、世界中の企業に分散投資するのと同じ事になります。

今回はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスについて解説していきます。

MSCIとは何を指しているのか、どんな特徴があるのかなどについても触れます。

MSCIとは

MSCIとはアメリカにある金融サービス企業の略称となります。

主に株価指数の算出やポートフォリオの分析などを行っています。

アメリカや日本のみならず、世界各国の株価指数を算出しており、MSCI独自の株価指数を「MSCIワールド・インデックス」と呼び、世界中の証券会社や機関投資家が運用の目安としています。

単純にMSCIと表記している場合は、MSCI社ではなく、「MSCIワールド・インデックス」を指す場合が多いです。

MSCIの特徴

年4回銘柄が入れ替わる

MSCIは先進国・発展途上国・新興国の株式を指数化しており、定期的に銘柄が入れ替わっています。

時期は定まっており、2月・5月・8月・11月と1年間に4回入れ替わります。

注目されやすいのは大幅な入れ替わりが行われやすい5月と11月で、新しく入った銘柄が注目され高騰しやすいです。

MSCIに採用される基準は時価総額と売買の流動性が採用の基準となっています。

また、MSCIでは外国人投資家が株式市場で投資可能な株式を浮動株と定義しており、浮動株の比率が高い銘柄が採用される傾向にあります。

この浮動株を巡って2018年5月に指定銘柄の基準変更がありました。

それまでは発行済み株の5%以上を持っていれば固定株扱いだった生損保(生命保険会社・損害保険会社)が、2018年より2%以上持っていれば固定株扱いとなりました。

その結果、生損保企業の取引が活発になりました。

MSCIに採用・除外された時の影響力

5月・11月に指定銘柄の大きな変更が起きやすいです。

例えば、2018年5月にMSCIに新規採用されたサイバー・小林製薬などの4社と、除外銘柄に指定されたミクシィなどの3社の株価が大きく動きました。

日本市場に参加している外国人投資家はMSCIを参考にしているため、MSCIに採用・除外されると株価が大きく変動しやすいです。

ただし、新規採用・除外銘柄は浮動株の増減から予想しやすいため、投資家は事前に銘柄の売買を済ませており、発表前に準備を済ませているケースが多いです。

発表後、新規採用銘柄の売りが多ければ株価が下がり、除外銘柄の買いが多ければ株価が上がる場合も珍しくはありません。

どちらにしても、新規採用・除外された時の影響力は強く、株価が大きく動くと覚えておきましょう。

MSCIを基準としたインデックスファンドがある

MSCIを基準としたインデックスファンドがあります。

例えば、アメリカに絞ったMSCIアメリカや、中国に絞ったMSCI中国、新興市場を対象としたMSCI新興市場のインデックスファンドなどがあります。

その中で投資家の人気が高いのがMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)になります。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの特徴

先進国と新興国の株式市場が混じっている

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、アメリカや日本を含めた先進国23カ国と、ブラジルやインドを含めた新興国23カ国、合計して46カ国の市場の銘柄から構成されているインデックスファンドになります。

国別の主な内訳は、

  • アメリカ…41%
  • 日本…58%
  • イギリス…21%
  • フランス…42%
  • 中国…6%
  • その他…7%

となっています。

ポイントはオールカントリーといっても、アメリカ市場の比率が高い点にあります。

多種多様な業種の銘柄を分散して購入している

取り扱っている銘柄数は約2500個もあり、金融や情報技術、エネルギー、不動産など多種多様な業種が指定銘柄として選ばれています。

上位10社はアメリカを代表する企業、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンといった大企業が並びますが、全体の比率としては9.3%とそれほど高くありません。

つまり、多くの銘柄をバランスよく購入しているインデックスファンドになります。

指定している銘柄の半数がアメリカ企業

幅広い業種に様々な企業の銘柄を指定しているMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスですが、1点だけ問題があります。

それは、全体の比率の半分以上がアメリカ企業という事です。

市場規模の大きなアメリカ株式の比率が高いのは当然と言えますが、半分以上を占めているためアメリカ市場の動向に全体の成績が左右されやすいのが特徴になります。

例えば、2015年の騰落率は-1.84%と低い数値となっています。

2015年は中央銀行の金融政策の変更や原油価格の急落もあり、世界的な下落がありました。

特にアメリカはリーマンショックからの景気回復を受けて、利上げがどこかのタイミングで起きると予想されていただけに市場全体がやや停滞していました。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスはアメリカ市場が落ち込むと、指数も落ち込みやすくなります。

一方でアメリカの比率は半分以上ありますが、残りはアメリカ以外の企業になります。

仮に、アメリカ市場が落ち込んでも、日本やイギリス、フランスなどの市場が活発になれば、ある程度相殺できるという特徴もあります。

アメリカ市場に特化したS&P500との違い

S&P500はアメリカ企業の中から選ばれた500銘柄の時価総額を指数化した株価指数となります。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは半分以上がアメリカ企業で構成されているのに対して、S&P500は全てアメリカ企業で構成されている株価指数になります。

3年・5年・10年ごとのリターンを比べると、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは6.2%・8.9%・13.2%、S&P500は9.2%・13.4%・16.3%となります。

好調を維持しているアメリカ市場だけに特化したS&P500のインデックスファンドの方が利益を上げやすいという事になります。

ただし、S&P500はアメリカ市場に特化している分、アメリカ市場が急落すれば影響をダイレクトに受けます。

リターンは少なくとも、安定した分散投資を望むならMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの方が向いています。

まとめ

以上がMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの解説になります。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは世界中のあらゆる分野の企業を対象しているため、リスクを分散しているといえます。

分散投資を考えている方におすすめの投資運用になります。

この記事を読んで、投資への興味が深まれば幸いです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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