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内部収益率(IRR)とは?意味や計算方法を解説

投資する際の利回りに関わる指標として、内部収益率(IRR)があります。

今回は、内部収益率の意味と計算方法について解説します。

投資評価2つの方法

投資を決定する基準は、主に次の二つです。

定性基準

戦略組織や企業風土の適合性、従業員や取引先、株価などがあります。

定量基準

NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)といった各種手法を用いて、定量的なリターンを得られるかを判断します。

IRRを理解するためには、まずNPVを理解する必要があります。

NPVとは

NPVはNet Present Valueの略で、正味現在価値といいます。

投資から得られるキャッシュフローを現在価値に割引き、その合計から投資額を控除した額がプラスであれば投資をします。

キャッシュフローとは、現金の流れのことです。

企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金のことです。

NPVが大きいほど生み出す価値が大きくなり、異なる条件の投資案件を比較できます。

NPVの前に、まずPV(現在価値)について理解しましょう。

PVとは、将来獲得するお金の現時点での価値で、計算式は以下の通りです。

  • PV(現在価値)=将来受け取る金額 ÷(1 + 利率・割引き率)^ n年後

(^nは、n乗という意味です)

たとえば、銀行預金の金利が3%だった場合、1年後に手にする100万円のPVは、

100万円÷(1+0.03)^1 ≒ 970,873円

となります。

現在970,873円を年利3%で銀行に預けると1年で100万円になるため、1年後の100万円は現在の970,873円と等しいと考えられます。

同じ条件で2年後の価値を計算すると、

100万円÷(1+0.03)^ 2 ≒ 942,595円

となります。

現在価値を求めるには割引率を使う

さきほどの例では、現在価値を求めるのに銀行の金利を使いましたが、一般的には割引率という指標を使います。

割引率が小さくなるほど、現在価値は高くなります。

投資判断に使われる割引率は資本コストが一般的です。

資本コストとは、企業の資金調達に伴う費用。銀行への利子、社債の利回り、株主に対する配当の支払などがあります。

資本コストの代表的な計算方法として WACC(加重平均資本コスト)があります。

これは借入に関わるコスト(負債コスト)と、株式による資金調達にかかるコスト(株主資本コスト)を加重平均したものです。

NPV(正味現在価値)の計算方法

NPVは、投資によって発生するキャッシュフローの現在価値(PV)から投資額を差し引いたものです。

計算式は以下の通りです。

  • NPV = PV―投資額

NPVは、大きければ大きいほど良いとされます。

NPV>0ならそのプロジェクトに投資するという判断ができますし、プロジェクトを比較するときには、NPVが大きい方を選択します。

内部収益率(IRR)とは

内部収益率は、IRR(Internal Rate of Return)とも呼ばれ、投資によって見込まれる将来のキャッシュフローの現在価値と、投資額の現在価値が等しくなるときの割引率です。

つまり、NPVがゼロになる割引率を示しています。

IRRは投資判断に用いられ、ハードル・レート(資本コスト)と比較することで判断します。

つまり、

  • IRR>ハードルレートの場合は投資を実行
  • IRR<ハードルレートの場合は投資を見送る

と判断します。

IRRはNPV(正味現在価値)をゼロにする割引率と等しくなります。

NPVがゼロということは、投資額と将来のキャッシュフロー(リターン)の現在価値が等しいということです。

つまり、IRRは「投資額」と「リターンの現在価値」を等しくするような収益率を意味します。

IRRの計算式は以下の通りです。

投資額=1年目のキャッシュフロー÷(1+IRR)+2年目のキャッシュフロー÷(1+IRR)^2+3年目のキャッシュフロー÷(1+IRR)^3・・・n年目のキャッシュフロー÷(1+IRR)^n

たとえば、以下のような投資額と収益率が見込まれる場合を考えてみましょう。

投資額の現在価値 1年目のCF 2年目のCF 3年目のCF
50万円 10万円 20万円 30万円

50万円=10万円÷(1+IRR)+20万円÷(1+IRR)^2+30万円÷(1+IRR)^3

このときのIRRは8%です。

この値が資本コストよりも大きければ投資を実行します。

IRRの計算式は複雑ですが、エクセルなどの表ソフトを使えば簡単に計算できます。

エクセルでのIRRの計算式は以下の通りです。

書式:IRR(範囲,[推定値])

先ほどの例で言えば、このように計算するだけで、8%という結果が得られます。

注意点は、初期投資額をマイナスにするということです。

まとめ

ビジネスの実務では、NPV法よりも IRR法の方がよく利用されます。

それは、割引率がわからなくてもIRRは計算できるからです。

最終的には、ハードルレートである割引率と比べて投資判断することになりますが、IRR 自体は1つの値として計算できます。

そのため、客観性が高く、実務においての重要性は高くなっているのです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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