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海外で伸びる日本の小売セクター。AEONを中心にアジア進出が加速

日本でもアメリカの小売セクターの進出が目立ちます。

例えばコストコ(COST)は会員制倉庫型スーパーとして日本でも人気です。

またスーパーの西友もウォルマート(WMT)の傘下です。

しかし日系企業の小売セクターも負けてはいません。

アジアの主要都市に旅行に行くと、日本でもお馴染みの小売店が数多く進出しています。

例えばバンコクならばAEON系のMAX VALUがありますし、伊勢丹や高島屋などの百貨店もあります。

カンボジアやベトナムなどの大都市にもAEONモールや日本でもお馴染みのコンビニがあります。

日本は人口減少でtoCの小売セクターは厳しいのではと考える投資家もいるかもしれません。

しかしアジアの中間層の成長を日系企業も取りこんでいます。

アジアで伸びる日本の小売セクターの動向に注目してみましょう。

アジアの小売市場はポテンシャルが高い

少子化で消費者の人口増・購買力の伸びが期待できない日本市場ですが、ASEAN市場は人口も購買力も伸びていく見込みです。

JETROのレポートでは、2015年から2025年にかけてのASEAN諸国の人口・GDPの展望を確認することができます。

例えば、

  • ミャンマー

人口5069万人が5492万人

一人あたりGDPが1162USDから2857USD

  • インドネシア

人口2億5756万が2億8451万

一人あたりGDPが3343USDから6413USD

  • タイ

人口6796万人が6864万人

一人あたりGDPが5813USDから8826USD

  • ベトナム

人口9345万人から1億209万人

一人あたりGDPが2070USDから3517USD

多くの国が2015年から2025年の10年の間に人口もGDPも右肩上がりで伸びる見込みです。

人口も購買力も右肩上がりのASEAN市場に、日本の多くの小売セクターが成長を見込んで進出し続けています。

参照元:ジェトロ

AEONのアジア進出が目立つ

AEON(8267)のアジアへの進出が目立ちます。

バンコクの街を歩けば、イオンの子会社のイオンタイランドのスーパーマックスバリューが多数あります。

日本のおにぎりやカツ丼なども売られています。

マレーシアにも子会社イオンマレーシアが展開するイオンモールが数多くあります。

東南アジア諸国を旅行すると多くの大都市でイオンを見かけます。

ベトナムのホーチミンやハノイにも大規模なイオンモールができました。

近年のベトナムは日本企業の進出も多く、駐在員・現地採用の日本人もイオンをよく利用しているようです。

ベトナムイオンはオープン当初、ホーチミン郊外で知名度もなく、客は来るのかという声もありましたが、多くのベトナム人にも受け入れられています。

AEONが目指す海外事業の未来

AEONは2018年の段階で、海外事業の赤字を黒字転換させています。

そしてドミナント戦略で近隣エリアに店舗を出しブランディングを確立。

さらにミャンマー・ラオスへの進出する計画もあります。

AEONの2018年度のアニュアルレポートでも海外事業に力を入れていることが確認できます。

2025年に目指すAEONの長期ビジョンには、「海外事業は営業利益350億円(利益率20%)。70モール体制と現状の国内事業と同等の効率と規模を目指す」とあります。

経営ビジョンにも「アジア50億人の心を動かす企業へ」というコピーが掲げられており、AEONのアジア進出への意気込みも読みとれます。

AEONモールは中国に17店舗、ベトナムに4店舗、カンボジアに1店舗、インドネシアに2店舗の合計24モールあります。

70モール体制を目指すことから、今後もアジアの主要都市でイオンをみる機会が増えるでしょう。

ユニクロは海外事業を伸ばして成長

ユニクロを展開するファーストリテイリングも海外展開に成功しています。

中国やタイなどに行くと大型ショッピングモールの中にユニクロが入居しており、現地の客で賑わっています。

ユニクロのIR情報によると、売上収益は前年同期比の14.3%増、営業利益も9.6%増と好調です。

中国本土が特に好調で、20%以上の増益を達成しています。

東南アジアではインドネシア、フィリピンが好調。

海外でのユニクロの出店、販路拡大は経営の観点から見ると成功していると言って良いでしょう。

利益の半分が海外の無印良品

株式会社良品計画の展開する無印良品も海外に活路を見出した小売業の一つです。

衣服、生活雑貨、食品と幅広い品揃えで日本国内でも人気です。

無印良品の利益の半分が海外からのものだというニュースが日本の小売業界で話題になりました。

無印良品は既に世界のMUJIとして日本を代表するグローバルブランドになり成長しています。

特にアジアでの売上が好調です。

中国本土での存在感が強く、中国市場から大きな利益をあげています。

日本市場が縮小しても海外での販路拡大が成功している事例もあるため、日系企業の小売セクターのIRを見る際は、海外事業への投資や展開がうまくいっているかどうかも見ておくと良いでしょう。

日本国内の市場は今後も縮小するが海外に活路がある

日本の小売業はブランド力もあります。

またサービスレベルの高さ、オペレーションのうまさ、現場での仕事の丁寧さなど海外にも負けない強みが日本の小売セクターには多くあります。

2060年には日本の人口は8600万人になるという予測があります。

そして高齢化も進んでいます。

労働人口減による人手不足が現在日本では問題視されていますが、消費者人口の不足も大きな問題としてとりあげられていくことになるでしょう。

そんな中で日本の小売業が日本市場だけで成長を続けるのが難しいのは当たり前です。

一方で新興国のアジア各国は現在、人口もGDPも右肩上がりです。

そして消費者も豊かになるにつれ購買力を高めています。

日本の小売業はブランド力、サービスレベルの高さ、高品質を強みに、アジア諸国の成長を取りこんでいけるだけのポテンシャルの高さがあります。

海外の成長を取り込む日本企業にも注目しましょう

アメリカのグローバル企業が世界に展開しているのと同様に、日系企業でも海外に進出し好調な決算を出している企業は少なくありません。

日本株一点集中も分散投資の観点からいくと偏り過ぎていますが、身近な日系企業でも海外の成長を取り込んでいる企業もあります。

今後、先進国のグローバル企業との競争も激しくなっていきそうですが、日系企業の海外進出にも注目しましょう。


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記事の筆者田守正彦は、記事で言及されている株式を保有していません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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