【米国株動向】イーベイの株価が年初来で41%上昇した理由

モトリーフール米国本社、2019年7月3日投稿記事より
Eコマース(電子商取引)大手のイーベイ(NASDAQ:EBAY)の株価は、2019年上期に40.7%上昇しました(S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス調べ)。
力強い成長が株価を押し上げたのではなく、年初までバリュエーションが低かったことが急上昇の原因とみられます。
イーベイは、昨年末にかけて流通取引総額(GMV)の減速に直面し、増収率も押し下げられました。
これがイーベイの安定的な業績に期待していた投資家を失望させました。
第1四半期のGMVも低迷したため、同期の増収率も2%程度に減速しました。
しかし、悪材料はほぼ全て株価に織り込まれたとみられ、投資家は買い始めました。
新マーケットプレイスへの誘導
第1四半期に経営陣は、買いやすくなった新マーケットプレイスにアクティブユーザーを移動させようとしました。
新マーケットプレイスは新たなユーザーからは好評ですが、以前からのユーザーはなかなか新マーケットプレイスに移動していないようです。
さらに、イーベイは、第1四半期に高額商品販売への販促費用を削減しました。
これは、高額商品販売が経営陣が予想したほどのリターンを生まなかったためです。この結果、第1四半期のGMVが減速しましたが、経営陣はマーケットプレイスでの売上数量の堅調な増加を発表しました。
昨年の業績が減速していたとはいえ、年初の株価は安く、予想PER(株価収益率)の10倍強で取引されていました(7月3日現在の予想PERは13倍)。
投資家は明らかに割安とみて、今年上期に買い上げてきました。
今後の見通し
投資家は特に「プロモーテッド・リスティング」に期待しています。
これは出品者による有料の成果報酬型広告で、商品価格の一部を広告費にすることでパーセンテージにもよりますが出品した商品の表示が増えたり、検索順位が上位になります。
なお、成果報酬型なので広告掲載自体で料金は発生せず、商品が売れた時に広告費用を支払います。
出品者は少しでも早く売るためにプロモーテッド・リスティングを活用しているため、第1四半期にプロモーテッド・リスティングの売上は6,500万ドルを超え、長期売上目標の10億ドルへの道を歩んでいます。
全体としては、昨年末に多くの投資家が懸念したほど業績は悪くはありません。
第1四半期の実績に基づき、経営陣は通期見通しを引き上げました。
為替中立ベースの売上高は前年比2%~3%増、調整後利益は2.64ドル~2.70ドル(中間値で見た場合、前年比15%増)を予想しています。
(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)
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元記事の筆者John Ballardは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、イーベイ株を推奨しています。