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【米国株動向】フェデックスの最大の問題はアマゾンの契約ではない

モトリーフール米国本社、2019年7月3日投稿記事より

物流サービス大手のフェデックス(NYSE:FDX)がアマゾン・ドットコム(NASDAQ:AMZN)との契約を更新しないとの報道は、配達能力を増強しているアマゾンがフェデックスやUPS(NYSE:UPS)といった輸送企業への脅威になっているという見方をさらに強めました。

しかし、実際にはフェデックスにはアマゾンよりも差し迫った問題があります。

【米国株動向】フェデックス決算、逆風にもかかわらず利益予想上回る

フェデックスがアマゾンとの契約を更新しない理由

アマゾンの決定で正確に認識すべきことは、更新しないのは米国内の航空貨物輸送契約のみということです。

地上宅配や小口トラック輸送などの契約は継続します。

また、フェデックスの経営陣は以前からアマゾンは最大の単独顧客ではないとコメントしてきており、実際、フェデックスの2018年の売上高に占めるアマゾンの割合は1.3%未満です。

さらにEコマース(電子商取引)業界はアマゾン以外も拡大しています。

フェデックスではEコマース関連配達で大きな需要を予想しており、米国内での1日当たりの配達個数は、現在の5,000万個から2026年までには1億個に増加すると見込んでいます。

米国の小売売上高に占めるEコマースの割合(青)と米国のEコマース売上高(オレンジ)の推移(単位:%)

出典:YCHARTS。2019年6月28日時点

また、フェデックスは小売関連の配達事業を拡大するため、ディスカウント小売チェーンのダラー・ゼネラル(NYSE:DG)やウォルマートなどと戦略的提携を行っています。

フェデックスの真の課題

フェデックスにとっての真の課題は、Eコマース配達の収益性追求とオランダ物流大手TNTエクスプレスの統合です。

実際、Eコマース配達での利益確保はフェデックスとUPSにとって大きな課題です。

年末ホリデーシーズンの膨大なピーク需要に対応するための費用がかさんでいて、両社の利益率に悪影響を与えています。

この文脈からは、アマゾンとの契約を更新しなかったのは、フェデックスがEコマース配達について厳選していると見ることができます。

また、2016年に買収したTNTエクスプレスの統合の場合、当初から顧客離れと低利益率が問題でした。

さらに2017年に発生したNotPetyaサイバー攻撃の影響がTNTエクスプレスを直撃し、統合作業が遅れました。

また、TNTエクスプレスはサイバー攻撃のために利益率の高い顧客を失いました。

この結果、フェデックスは2017年から2020年かけての営業利益予想を下方修正しました。

なお、アナリストは2020年度の1株当たり利益について1桁台半ばの上昇を予想しており、2021年度には1桁台後半の上昇を予想しています。

フェデックス株は、忍耐強い長期投資家向けとみられます。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Lee Samahaは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、アマゾン株とフェデックス株を保有し、そして推奨しています。

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