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50代からでも遅くない!老後資金を確保する方法

資産運用は、若い頃にはじめておくと複利の効果で増やせるのはわかっているけれども、子どもの教育費や住宅ローン、親の介護費用など、実際にはほとんど貯金ができなかったという家庭も多いはずです。

子どもが独立して、ようやく自分たちに目を向けると、ほとんど老後の準備ができていないという事態に直面している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、50代から資産を作る、資産を増やすにはどうすれば良いのかを考察してみました。

50代から資産運用をはじめるメリット

50代ともなると、子どもが独立してご夫婦ふたりだけの生活になっている人が多いと思います。

子育てにかかるお金の心配はなくなり、住宅ローンの返済もあと少し……というところでしょうか。

そうなると、今後の目標は、自分たちの老後生活をいかに豊かにするかということに絞り込むことができます。

これが50代から資産運用をはじめる最大のメリットといえるでしょう。

政府は5月15日に、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための「高年齢者雇用安定法改正案の骨格」を発表しました。

企業は定年制度の廃止や定年の延長に加えて、他企業への再就職や起業の支援を促すことになります。

仮に現在50歳の人が70歳まで働くと、20年も収入を得ることができますので、資産を運用するには十分な期間だと見ることができるのではないでしょうか。

たとえ、65歳で定年退職を選んだとしても、50歳から資産運用をはじめると15年もありますので、遅すぎるということはないのです。

なかには70歳を越えても元気に働いている人もいますので、こうなると「いったいいつが老後なんだ」という話になりますが、若い頃にあまり資産を増やせなかったという場合、働けるうちは働いて少しでも資産を増やすといった努力が必要になるでしょう。

50代からの資産運用をはじめるデメリット

20代や30代の人が万一投資で失敗しても、取り返す時間が十分にあります。

50代は定年まで15年から20年あるとはいえ、一度大きく失敗してしまうと定年までに取り返せないという可能性があります。

早く資産を増やしたいと焦るあまり、大きなリスクのある投資手法を選ばないことが重要です。

預貯金に回せるお金をすべて投資につぎ込むのではなく、定期預金で確実に貯蓄を増やす一方で、リスクの少ない投資からはじめて分散投資を意識しましょう。

まずは老後の生活費を試算

金融庁の「老後2,000万円不足」の問題がありましたが、まず大切なのは、いつまで働くのか、年金はいくらもらえるのか、不足するならいくら不足するのかを試算して把握しておくことが大切です。

不安になるのはわからないから、見えないからです。不安の中身を洗い出せば、解決策が見えてきます。

そのために、まずは老後の生活費を試算しましょう。

老後の生活費の試算に必要なのは、「老後の生活費」「もらえる年金」「退職金」、つまり収支の合計がプラスなのかマイナスなのかを知ることが大切です。

老後の生活費

総務省の「家計調査」によると、世帯主が60歳以上で無職の場合、1ヶ月の支出は表のとおりになっています。

総務省 家計調査報告(家計収支編)平成29年より抜粋

これはあくまでも平均金額です。

老後、つつましい生活を送るのか、ゆとりある生活を送るのかによっても違いますし、各ご家庭によって項目の金額が異なってきます。

ただ、平均とはいえ、この数字から老後の生活費はある程度の推測ができるでしょう。

ちなみに、車の買い替えや古びてきた家のリフォーム、夫婦で旅行に出かけるといった、ゆとりある生活を続けるには、平均35万円必要ともいわれています。(平成28年 生命保険文化センター

もらえる年金

公的年金がいくらもらえるかを知るには、「ねんきん定期便」をチェックすれば一目瞭然です。

ねんきん定期便は、日本年金機構から年に一回誕生月に郵送で届きますが、もし、手元にねんきん定期便がない場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」でも確認ができます。

前述の「高年齢者雇用安定法改正案の骨格」どおり、定年退職が70歳になったり、退職後も働いたりするとなると、年金の繰り下げも検討しておきましょう。

出典:日本年金機構

年金は繰り下げることによって、もらえる年金額が増えます。

この表は、昭和16年4月2日以後に生まれた人の繰り下げ受給の増額率をあらわしています。

70歳まで繰り下げをすれば年金額は42%も増え、その増額率は一生変わりません。

厚生労働省が発表した厚生年金の受給額は、厚生年金で月額14.7万円、国民年金では、5.6万円となっています。

仮に、14.7万円の年金を65歳になった時点で受給せず、70歳まで繰り下げたとすると、14.7万円x142%=20.8万円になり、月に約6万円も増えるのです。

ねんきん定期便に書かれている金額と、繰り下げによる増減額を把握しておきましょう。

参考:平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

退職金

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査結果によると、男性社員の退職理由ごとの退職給付金は次のようになっています。

出典:平成30年度 厚生労働省 退職給付(一時金・年金)の支給実態から抜粋

退職金があるのかないのか、いくらもらえるのかによって老後生活は大きく変わってきます。

自分は退職金をいくらもらえるのか不明な場合は、勤め先の総務課に聞くか、就業規定の退職金について書かれている内容を把握しておきましょう。

リタイア後も働きながら資産を増やす

もらえる年金や退職金から老後の生活費を差し引いて計算してみると、いくら不足しているのか、または十分足りているのかがわかったと思います。

不足しているのなら、その差額を貯蓄したり投資によって増やしたりして準備をしておかなければなりません。

ひとつ例をあげてみます。

現在50歳の人が以下の条件で65歳まで働いたとしましょう。

  • 65歳定年
  • 退職金2,000万円
  • 妻…専業主婦
  • 老後生活費35万円(夫婦ふたり)
  • 年金受給額20.3万円(夫14.7万円・妻5.6万円)
  • 平均余命20年

すると、定年後に月35万円の費用がかかる生活を平均余命の20年間、85歳まで続けたとします。

35万円x12ヶ月x20年=8,400万円かかります。

年金は繰り下げせずに65歳から受給すると、20.3万円x12ヶ月x20年=4,872万円もらえることになります。

不足は3,528万円です。退職金が2,000万円ありますが、差し引くと1,528万円不足しています。

そうなると、50歳から65歳の定年を迎えるまでに、1,528万円を準備しておかなければならないことがわかりました。

単純に定年までの年数で割ると毎月85,000円弱積み立てれば、予定金額には達します。

そこで、15年の間1,528万円に達するために利回り2%の投資商品で運用したとすると、毎月73,636円を積み立てれば目標額に達します。

50歳までにいくらか貯蓄ができていれば、この目標額が下がりますので、毎月の負担はさらに軽くなります。

安全性、収益性を考えれば、運用はプロがおこなってくれる投資信託での運用がおすすめです。

実際に金融商品を選ぶには、利回りだけではなく手数料を含む総合的な判断が必要ですが、これまで投資をしたことがないという人でも比較的安心です。

50代からの資産運用は、前述のとおり大きなリスクのある投資手法を選ぶのは危険です。

低リスクなNISAやiDeCoを積極的におこなって資産を増やしましょう。

特にiDeCoは掛け金が全額所得控除の対象となりますので、節税効果がありますし、運用次第では大きく増やすことも可能です。

ただ、運用がうまくいかない場合は受取金額が減るリスクと、少し手数料がかかるデメリットを理解した上で利用しましょう。

まとめ

これまで教育資金や住宅資金が必要で、自分たちの老後のことは何の準備ができなかった人でも、いくら必要でどのように増やせばいいのかがわかれば、50代からでも遅くはありません。

まだ現役の今だからこそ、無理のない資産運用で老後を豊かなものにしましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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