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S&P500インデックスで最も配当利回りが高い10銘柄

モトリーフール米国本社、2019年6月30日投稿記事より

S&P500インデックスは、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしていて、主要企業が含まれます。

さらにその中で高い配当利回りを持つ銘柄に注目することは、配当投資家にとって有効な投資戦略でしょう。

以下で現在最も配当利回りが高い10銘柄の概要を紹介します。

なお、配当株を購入するに当たっては、通常の業績動向分析に加えて、配当の持続可能性を確認することが重要です。

また、REIT(不動産投資信託)の場合は、株と異なる特性を明確に理解すべきでしょう。

REITは、税制上の恩恵を得るため、課税対象利益の90%を分配金として投資家に還元する必要があります。

企業名(ティッカー名) 業種 時価総額 配当性向 配当利回り
マセリッチ

(NYSE:MAC)

不動産(REIT) 50億ドル 80%* 9%
センチュリーリンク

(NYSE:CTL)

通信 130億ドル NM 8.6%
アイアン・マウンテン

(NYSE:IRM)

データストレージや情報管理(REIT) 90億ドル 106%* 7.9%
メイシーズ

(NYSE:M)

小売 70億ドル 42% 7%
アルトリア

(NYSE:MO)

たばこ 900億ドル 92% 6.7%
オキシデンタル・ペトロリアム

(NYSE:OXY)

石油ガス 370億ドル 59% 6.3%
ニールセン

(NYSE:NLSN)

情報調査 80億ドル NM 6.3%
AT&T

(NYSE:T)

通信 2,410億ドル 75% 6.2%
アッヴィ

(NYSE:ABBV)

製薬 1,030億ドル 113% 6.1%
インベスコ

(NYSE:IVZ)

資産運用 100億ドル 61% 6.1%

出典:S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス。2019年6月27日時点。

*REITの配当性向の計算に関しては、純利益ではなくFFO(Funds From Operationsの略で、REITの収益力を示す指標。純利益に減価償却と不動産売買損益を足す)を使用。

マセリッチ:大規模ショッピングモール中心のREIT

マセリッチはショッピングモールを対象としたREITで、特に、高所得地域の主要百貨店を中心とした大規模なショッピングモールに特化しています。

52物件の総リース可能面積は5,100万平方フィート(1万平方フィートは約929平方メートル)で、1物件当たりでは約100万平方フィートです(住宅約500戸規模)。

一例としては、インディアナ州エバンスビルのイーストランドモールがあり、約100平方フィートの敷地に100店以上の小売店舗があります。

これらには、JCペニー、ディラード、メイシーズなどの旗艦百貨店が含まれます。

なお、アマゾン・ドットコムを中心としたEコマース(電子商取引)拡大の直撃を受け、既存型の小売店舗や百貨店の閉鎖が続いており、マセリッチもそのあおりを受けています。

REIT価格は2016年以降下落が続いています。

センチュリーリンク:買収で成長してきた大手通信企業

センチュリーリンクは、過去10年間に買収により成長してきた大手通信企業です。

買収対象企業には、クエストやレベル3コミュニケーションが含まれます。

同社は企業および世帯向けサービスの両方を行っています。

バランスシートの拡大(高い債務比率)と固定音声電話収入の伸び悩みにより、株価はこの数年下落が続いており、現在の株価は5年前の約4分の1です。

この結果、年初の減配にもかかわらず極めて高い配当利回りになっています。

このため、センチュリーリンクのコスト削減策や経営改革に期待するバリュー投資家にとっては、買い場になっているとの見方があります。

アイアン・マウンテン:情報管理やデータストレージ関連のREIT

情報管理やデータストレージおよびバックアップ・サービスの施設を保有・運営しているREITのアイアン・マウンテンは、10銘柄の中ではあまり知られていません。

しかし、フォーチュン1000企業の90%が同社のサービスを利用しています。

同REITは世界各地で施設を所有し、事業を展開しており、法律、金融、ヘルスケア、会計、保険、エンタテインメント業界、政府機関などが主要顧客です。

フランク・シナトラのマスター録音テープなども保管しています。

メイシーズ:売上高減少の百貨店、資産売却等で利益計上

百貨店チェーンのメイシーズは、「メイシーズ」や「ブルーミングデールズ」などのブランドの800超の既存店舗を維持しています。

オンライン販売「オムニチャネル」の強化にもかかわらず、アマゾンなどのEコマースの攻勢に直面し12カ月実績売上高は2007年の水準を下回っています。

しかし、メイシーズは依然利益をあげており、不動産などの資産売却を積極的に行っています。

予想PERは7.6倍と低く、配当は高いため、メイシーズに対して強気の投資家は経営陣の積極的な姿勢を評価しています。

【米国個別株動向】メイシーズ決算:中国への新たな制裁関税の影響を懸念

アルトリア:たばこ販売数量の低下で多角化推進

「マルボロ」で有名なたばこメーカーのアルトリアは、数十年にわたり極めて優れた配当株です。

たばこの健康への悪影響と喫煙人口の減少により、長期的にはたばこ販売量の低下が続いていますが、価格競争力が強いため、近年のドルベースの売上高は比較的堅調です。

アルトリアは多角化の一環として、電子たばこメーカーのJUULやカナダのマリファナ(大麻)事業会社のクロノスを買収しています。

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オキシデンタル・ペトロリアム:大規模買収の影響は予測困難

石油会社オキシデンタル・ペトロリアムは、アナダルコ・ペトロリアムに対する380億ドルの買収で大きく報道されました。

この買収額はオキシデンタルの時価総額に匹敵する規模で、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが100億ドル投資し、オキシデンタルの買収を支援しました。

一方、アクティビストファンドやオキシデンタルの主要株主であるカール・アイカーンは買収に批判的で、取締役会での影響力拡大を狙っています。

本業については、オキシデンタルは原油価格が1バレル40ドルでも操業を維持し、配当を継続できるとみられます。

しかし、大規模買収の影響は、プラス面マイナス面を含めて予測が困難です。

アナダルコ、オキシデンタルの買収提案受け入れ

ニールセン:テレビ視聴率調査の老舗、事業売却を模索

テレビの視聴率調査で有名なニールセンは、売上高の低迷に苦しんできました。

株価は過去数年下落を続けており、同社は事業の一部または全売却を模索しています。

ブラックストーン・グループやアポロ・グローバル・マネジメントなどのプライベート・エクイティファンドが関心を示しています。

ニールセンに関心がある配当株の長期投資家は、上記の不確定要因を考慮すべきでしょう。

AT&T:通信大手、コンテンツ面でも主要プレーヤーに

上述のセンチュリーリンクと同様にAT&Tは主要通信会社ですが、センチュリーリンクとは異なり、利益をあげていて業績は安定的です。

携帯電話および固定電話で幅広く通信事業を展開しており、次世代5Gワイヤレスネットワークの構築も進めています。

また、2015年の衛星放送大手ディレクTVの買収、最近のタイムワーナー(現在はワーナーメディアに社名変更)買収により、コンテンツ面でも主要プレーヤーになりつつあります。

なお、AT&Tは「配当貴族(25年以上連続して増配を実施している会社)」の代表銘柄です。

【2019年版】オススメ米国株式20銘柄!初心者用・配当株・成長株に分けて解説

アッヴィ:バイオ医薬品大手、アラガン買収で多角化へ

上述のオキシデンタル・ペトロリアムと同様、バイオ医薬品大手のアッヴィもM&Aの渦中にある企業です。

先日、しわ取り薬「ボトックス」で有名な競合のアラガンを約630億ドルで買収すると発表しました。

アッヴィの売上高の約60%を関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」が占めており、買収により多角化を図っています。

しかし、ヒュミラもボトックスも数年後には特許の独占権が切れるため、今後は厳しい競争にさらされる見込みです。

アッヴィに関心がある投資家は、買収後のアッヴィの事業ポートフォリオおよび新薬候補などの長期的な見通しを注視すべきでしょう。

【米国株動向】バイオ医薬品のアッヴィ、アラガン買収を発表

インベスコ:運用資産残高1兆ドルを超える資産運用会社、収入は伸び悩み

インベスコは運用資産残高1兆ドルを超える資産運用会社で、「インベスコ」ブランドで知られる様々なファンドを運用しています。

昨年には、アクティブ運用で有名な老舗ファンドのオッペンハイマーファンズを買収しました。

長年にわたり高い利益率(現在は約15%)を維持しています。

なお、買収を除くと、収入はやや伸び悩んでおり、この背景には資産運用業界の競争激化と手数料の引き下げ圧力があります。

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(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Anand Chokkavelu, CFAは、アルトリアグループ株とバークシャー・ハサウェイ(B株)を保有しています。モトリーフール社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、そして推奨しています。

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