The Motley Fool

【米国株動向】ネットフリックスがいかに視聴者データを活用しているか

モトリーフール米国本社、2019625日投稿記事より

ビデオストリーミング大手のネットフリックス(NASDAQ:NFLX)には、膨大な視聴者データがあります。

世界の1億5,000万人のユーザーが、それぞれ1日数時間ストリーミングしているからです。

しかし、ネットフリックスは制作するコンテンツを決めるためにデータを収集している訳ではありません。

そうではなく、収集データは制作費の効率的な利用および視聴者サービス向上に活用されています。

CCO(最高コンテンツ責任者)であるTed Sarandosはイベントで、「視聴者データはコンテンツの制作過程では使われません。

コンテンツの選択や制作関係者とのやりとりは、極めて人間的に行われています」と述べました。

それでも、ネットフリックスのデータと分析は非常に貴重です。

ある研究によれば、データとAI(人工知能)アルゴリズムによる分析によってネットフリックスは年間10億ドル節約していると言われます。

以下はネットフリックスが視聴者データを活用している方法です。

人口統計的データには関心なし

ネットフリックスは競合他社と異なり、広告がありません。

つまり、広告を集める上で必要となる視聴者の年齢、性別、人種、収入などの人口統計的なデータは、ネットフリックスにとってほとんど価値がありません。

ネットフリックスが関心を持っているデータは、加入者が見ている作品、見ている場所、使っているデバイス、視聴時間、見た作品に対する満足度です。

前述のように、データを使って新コンテンツを決めることにはあまり使われていません。

しかし、特定のコンテンツを存続させるべきかを判断するのに少しは役立つでしょう。

視聴者データは、お勧めコンテンツを表示する際に威力を発揮します。

ネットフリックスは視聴者データの分析に基づき、各加入者が見たいと想定される新しい映画やドラマシリーズをサムネイル(縮小画像)表示しています。

コンテンツ予算を効果的に活用

また、視聴者データの価値は、新コンテンツを購入する際に、どのコンテンツを購入するかではなく、どれだけの金額で購入すべきかの判断に資するところにあります。

もちろん、コンテンツの価値予測が常に正確なわけではありません。

多額の費用を投じたコンテンツが今一つの場合や、少額予算だったにもかかわらず大ヒットになることもあります。

しかし、視聴者データを詳しく把握しているため、コンテンツ制作関係者との交渉の際にネットフリックスが非常に有利になります。

この結果、年間700本のドラマ、80本の映画をかなり適正な予算規模で制作することが出来るのです。

以上のように、ネットフリックスは詳細な視聴者データにより、ビデオストリーミング業界に新たに参入してきている競合他社に対して大きな競争優位性があります。

【米国個別株動向】ネットフリックス、好業績でビデオストリーミング独走

メディア業界はマス(不特定多数)の視聴者データを持っていますが、ネットフリックスほど幅広くて深い視聴者データは持っていないでしょう。

また、テクノロジー企業の新たなビデオストリーミングサービスでは、視聴者データやコンテンツ制作経験などが乏しいためにオリジナルコンテンツの予算管理の効率が低く、慎重に動かざるをえません。

サービスの価値向上

総合的には、ネットフリックスの視聴者データは、サービスの価値向上に役立っているでしょう。

数年間で60%以上視聴料金を値上げしたにも関わらず視聴者が離れていないことから、視聴者が満足するサービスを提供できていると考えられます。

引き続き広告に頼る必要はなく、また広範なユーザーデータを分析する必要もありません。

ネットフリックスの視聴者数が増加している限り、視聴者データ分析に基づくコンテンツ予算の適正配分とさらなる視聴料金値上げにより、投資家は同社に対してさらなる価値を見込めるでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


フリーレポート配信

モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて無料で「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

また、テクノロジー分野に投資したい投資家として知っておくべき情報も無料で配信しております。「人工知能というテクノロジーの「第三の波」が、日本の年間GDP以上の付加価値を生み出す」こちらからご覧ください。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。

元記事の筆者Adam Levyは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、ネットフリックス株を保有し、そして推奨しています。

最新記事