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シアーズ破産はこの米国REITに大きな打撃、しかし長期的ポテンシャルは維持

モトリーフール米国本社、2019年5月31日投稿記事より

米国の小売施設専門REIT(不動産投資信託)であるセリテージ・グロース・プロパティーズ(NYSE:SRG)は、シアーズの破産により第1四半期(1月~3月)に厳しい状況に陥りました。

当REITのFFO(Funds From Operationsの略で、REITの収益力を示す指標。純利益に減価償却と不動産売買損益を足す)はマイナスとなり、この四半期にプラス材料はほとんどありませんでした。

しかし、当REITの長期的な視点は上場時と同様です。

2018年第4四半期に今後の成長に向けた大きな改革を行っており、今後に期待が持てます。

シアーズ破産の影響

シアーズは2018年末に破産を宣言しました。

同社はセリテージの最大のシングルテナントで、賃貸可能面積の約45%を占めています。

セリテージの主要テナントであるシアーズとKマートが苦戦し続けており、企業再生が期待通りに進まなかったのでセリテージは厳しい状況に置かれました。

第1四半期に、セリテージはシアーズ破産の大規模な影響に対処しなければなりませんでした。

最終的な結果として、セリテージは1投資持分あたり0.09ドルのFFO損失を報告しました。

同社は0.25ドルの分配金をカバーするほど利益を上げることができなかったので、今年は分配金を支払うことはできないでしょう。

投資家に分配金を提供するように特別に設計されたREITという資産クラスにおいて、これは大きな問題です。

これらはすべて投資家にとって非常に悪い知らせですが、セリテージにはまだ投資妙味があります。

シアーズ頼みにせず

シアーズの破産後、セリテージの最初の目標は、シアーズから距離を置くことでした。

シアーズが長期的な優良テナントであると見なされていたときにはそんなことは考えもしなかったでしょう。

問題は、シアーズが今後ゆっくり衰退していくのか、それとも完全に破綻してセリテージに大きな損失をもたらすのかということです。

当REITは、シアーズからの段階的な離脱を進めています。

シアーズは1平方フィートあたり約4ドルしか家賃を払っていません。

一方、シアーズ以外のテナントは1平方フィートあたり約13ドル支払っています。

最近の賃貸契約は、さらに高い賃料で締結されています。

シアーズをテナントから追い出すことがセリテージにとって良いニュースであることは間違いありません。

また、新しいテナントが入居する前にセリテージがシアーズの空きスペースをアップグレードするため、当REITの価値は着実に上昇します。

リニューアルには時間がかかり、資産をアップグレードするには多額の費用がかかります。

そこで、セリテージは「半契約」の段階でも、リニューアル工事を実行することに決めました。

「半契約」のテナントは、アップグレードと再開発計画が進むにつれて、今後24ヶ月以内に賃貸テナントとして入居する予定です。

しかし問題があります。

セリテージはシアーズから他のテナントへの移行を段階的に進めているため、少なくともさらに2年間はシアーズの安い賃料に苦しめられるでしょう。

セリテージは、現在計画されているアップグレードなどに約10億ドルの費用をかける予定です。

しかし、キャッシュは約8億7,500万ドルしかありません。

従って、より多くのキャッシュが必要になるでしょう。

さらなる資産売却、そしておそらく借金や投資持分の発行も必要です。

現在、当REITでアップグレードを検討している物件に対して、たくさんのテナントが入居を希望しています。

市場がこの状況を評価すれば、当REITは必要資金を手に入れることができる可能性が高いでしょう。

容易ではない軌道修正

第1四半期はセリテージにとって悪夢でした。

最大テナントのシアーズが破産を宣言したことを考えると、それは当然のことです。

長期的には、当REITがシアーズと縁を切ることが重要です。

シアーズは、破産している中でも営業しており、今後当REITがシアーズから離れるスピードがより重要になってきます。

セリテージは今後2年間で多くの改革を進めていく意向のため、最終的には強力なREITになるでしょう。

しかし、保守的な投資家は、おそらくこのREITへの投資を避けたいと思うでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Reuben Greggは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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