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パッシブ運用とアクティブ運用、投資初心者はどちらを選べばいいのか?

何か投資を始めたいけど、何から手を付けたらいいのかわからない!?という方は珍しくありません。

そのような投資初心者の方にとって、投資信託は様々な銘柄に簡単に分散投資できるため、比較的手を出しやすい金融商品と言えるでしょう。

ただし、投資信託といっても、その運用スタイルや対象となる資産や国など運用条件は様々です。

とりわけ多くの方が疑問に思うのが、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」のどちらがいいのか?という点です。

そこで投資初心者にとってどちらを選ぶべきかについての参考となる考え方をご紹介していきます。

パッシブ運用とアクティブ運用とは?

投資信託はアセットクラスや運用方針などにより非常に多岐にわたりますが、大きく分けるとパッシブ運用とアクティブ運用に分けることができます。

「パッシブ(Passive)」と「アクティブ(Active)」という言葉を日本語に訳すと、それぞれ「消極的」「積極的」となります。

これは投資信託に当てはめれば、利益を取るための運用スタイルが積極的なものと消極的なものがあるということです。

つまり、「より小さなリスクでそれなりのリターンを狙う」のか、あるいは「より多くのリスクをとって積極的にリターンを狙う」のかとの違いと言ってもいいでしょう。

この違いを別の言い方でいえば、市場平均と同じレベルのリターンを目指すのがパッシブ運用、市場平均を上回るリターンを狙うのがアクティブ運用になります。

パッシブ運用

パッシブ運用の代表格と言えるのは、「ETF」と呼ばれる上場投資信託です。

ETFを含むパッシブ運用の商品の特徴は「インデックス」と呼ばれる指数をベンチマークとしており、それに連動したリターンの獲得を目指すファンドです。

有名なインデックスとしては、TOPIX(東証株価指数)やNYダウなどがあります。ETFのポートフォリオの中身は、個々のETFがベンチマークとしている指標銘柄の中から選択されます。

パッシブ運用のETFがアクティブ運用の投資信託と違うのは、運用方針の他に取引手数料が割安なことが挙げられます。

アクティブ運用

アクティブ運用の投資信託は、そういったベンチマークとなるインデックスを上回る利回りの獲得を目標にして運用されるファンドです。

予め決められた運用方針にしたがって、ファンドマネージャーが市場環境やターゲットとなるセクターごとのファンダメンタル分析や国ごとのマクロ経済分析、リスク分析などによって値上がりしそうなセクターや国・地域の株や債券、ファンドを選んでポートフォリオに組み込んでいきます。

さらにマーケット環境などの変化に応じて、ポートフォリオ内の様々なファンドや個別銘柄の売買を通じて、ポートフォリオを積極的に組み換えることでポートフォリオの最適化とより高いリターンを目指します。

ただし、取引手数料はパッシブ運用のETFなどよりも割高であるのが特徴です。

選ぶポイントとなるのは?

パッシブ運用のETFとアクティブ運用の投資信託の主な特徴がわかったところで、選ぶ際のポイントについてご紹介していきます。

詳細に分析しようとすると純資産の大きさなど、選ぶ上でのチェックポイントはいくつも挙げられますが、投資経験が少ない方やこれから始めたいという方は主に以下の3つのポイントについて理解しておきましょう。

取引手数料の高さ

お伝えしたようにパッシブ運用であるETFの取引手数料はアクティブ運用の投資信託よりも割安です。

その理由はいくつかありますが、まず投資信託の信託報酬がETFよりもはるかに高いことが挙げられます。

取引手数料は主に販売時のみに発生する「販売手数料」と保有コストとして発生する「信託報酬」から構成されています。

このうち、取引手数料の大部分を占めるのが信託報酬です。

投資信託の信託報酬はETFよりもはるかに高いために割高となっています。

対象となる資産によっても異なるものの、投資信託の場合は平均して1.3%から1.5%ほどの信託報酬なのに対して、ETFはその半分以下の0.5%程度が平均的な信託報酬となります。

また、投資信託は運用商品を入れ替える頻度が高いためにそれだけ多くの手数料が発生します。

ETFもマーケット環境やインデックス自体の指定銘柄変更などによってポートフォリオが変わることはありますが、その頻度は投資信託ほどではありません。

さらに投資信託の中には複数の投資信託を組み合わせて運用するものがあります(ファンド・オブ・ファンズと呼ばれます)。

このファンド・オブ・ファンズの投資信託は、より高いリスク分散効果が期待できるものの、その分だけ手数料が多く発生します。

一方のETFの場合、ポートフォリオの中身を構成する個々の株式や債券などはAP(Authorized Participantのこと)と呼ばれる発行市場と流通市場を跨いでいる指定参加者からのみ株式などの現物バスケットを購入するだけなので、手数料は低く抑えることができます。

両者の違いは私たちが日頃食べているレタスやトマトに例えるとわかりやすいかもしれません。

レタスやトマトを直接生産者から購入する場合(ETF)といくつもの卸売業者を介して小売店から購入する場合(投資信託)ではどちらが安いかは一目瞭然です。

尚、取引手数料については、パッシブ運用とアクティブ運用の選択に関係なく、どんな金融商品に投資する場合であっても常に意識すべきポイントです。

流動性の高さ

流動性の高さも重要なポイントになります。

流動性とは「投資商品の換金のしやすさ」とも言いかえることができます。

ETFは上場投資信託ですので、株式と同じように日々金融マーケットで売買されています。

ETFの場合は市場が開いている限り、株式などと同じように売却したい時にいつでも処分することができます。

一方の投資信託の場合は売却までに最短でも3営業日はかかりますし、外国株が含まれる投資信託の場合はそれ以上に日数を要する場合も多く、すぐに換金できません。

また、投資信託にはクローズド期間の設定がされていることが多く、その期間中は換金自体ができないことになります。

商品の換金については、目論見書(投資信託説明書)に詳しく記載されています。

中長期での運用成績とリスクに対するリターンの高さ(シャープ・レシオ)

投資信託は5年から10年の中長期の運用に向いている商品です。

従って、そのような期間にわたって安定的にリターンを生み出す商品であることが決め手となります。

商品を選ぶ際には2、3年の短期の運用成績だけでなく、できればそれ以上の期間についての運用成績のばらつきもチェックしたいところです。

その意味ではリスクとリターンの割合で客観的に運用成績の比較が可能となる「シャープ・レシオ」を参考にするといいでしょう。

シャープ・レシオとは、リスク1単位あたりの超過リターン(無リスクの資産から得られるリターンを上回る収益のこと)を示した指標のことです。

このシャープ・レシオはETFと投資信託など資産内容や種類の異なる商品の成績を客観的に比較する時に便利です。

この数値が高いと、リスクに対して効率良くリターンを得られた商品であることを示しています。

シャープ・レシオについて具体例を挙げて説明してみます。仮に利回り10%の投資信託Aと利回り12%のBがあったとします。

この場合の無リスク資産の収益率が2%で、年率リスクはAが4%、Bが8%であったとします。この例をシャープ・レシオの式で計算した結果は以下の通りです。

投資信託Aのシャープ・レシオ=(12%-2%)÷4%=2.5
投資信託Bのシャープ・レシオ=(14%-2%)÷8%=1.5

つまり、表向きの利回りはBの方が優れていますが、シャープ・レシオに当てはめた場合にはAのほうがより少ないリスクで効率よく運用できていることになります。

このことを別の捉え方をすれば、例え利回りが低い商品でも、その利回りを得るのにより少ない値動きの大きさ(リスクの範囲や大きさのこと)で獲得できた商品のほうが、優れている場合があるということになるのです。

投資初心者にとっておススメはどちらか?

パッシブ運用とアクティブ運用の違いや選ぶ際のポイントなどについてご紹介してきました。

しかし、そこまでの説明を聞いても結局のところ、投資初心者にとってはどちらがいいのかがわからないという方も多いかもしれません。

ここで筆者の独断で敢えて言えば、投資初心者の方はパッシブ運用のファンド(ETF)を選ぶことをおススメします。

その理由は以下にお伝えするように何点か考えられます。

取引コストやリスクに見合っていない

最初の理由としては、多くのアクティブ運用型の商品の運用成績が取引コストや取るべきリスクに見合っていないことが挙げられます。

リーマンショックのあった2008年から先進国のマーケットを中心に2010年~2012年の暴落を経て、結果的に右肩上がりで上昇し続けてきました。

特に米国市場は好調な経済もあって、直近のNYダウやS&Pといった指標で過去最高値の更新を連発しています。

成績の良いアクティブ運用の商品は、マーケットがこのように何年にもわたって上昇している間は市場平均を上回る商品も出てきます。

しかし、それでも多くのアクティブ運用の商品は高い手数料によってリターンを削られ、結果としてパッシブ型のETFに運用成績に劣っているのです。

このことは試しにいくつかの商品の運用成績の情報をモーニングスターなどのサイトから集めて比較してみるとわかります。

また、ネット上には両方のタイプの商品について運用成績の比較記事が多数見つかるので参考にしてみるといいでしょう。

投資経験と選ぶための目利きが必要になること

さらに別の理由を挙げると、アクティブ運用の商品を選ぶ際には自分なりの投資スタイルとある程度の商品知識があり、それを元に選ぶ目、つまりある程度の「目利き」が必要になってくると考えるからです。

アクティブ運用のファンドが一概に悪いとは言えませんし、中には非常に高いパフォーマンスを出しているものもあります。

しかし、そのようなアクティブ運用の商品は、それなりにマーケットの知識や投資経験があって、運用方針やポートフォリオの中身について理解できなければ選ぶのは難しいと考えられます。

少なくとも投資初心者の方が選ぶのは簡単ではないのがわかるでしょう。

パッシブ運用のETFよりも流動性が劣ること

既にお伝えしたようにアクティブ運用の投資信託は換金する際に時間がかかります。

クローズド期間なども考慮するとパッシブ運用のETFに比べて流動性がはるかに劣ります。

一方のETFならマーケットが開いている間はいつでも換金できます。

急に資金が必要になっても換金しやすくて安心です。

投資は基本的に余剰資金でおこなうべきものですが、いざという時にいつでも市場で換金できることは重要です。

ファイナンシャル・プランナーやIFAは当てにならないこと

これはパッシブ運用の商品を勧める直接の理由にはなりませんが、中にはファイナンシャル・プランナーやIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)、投資顧問、証券会社などに商品選択を任せるからアクティブ運用の商品でも大丈夫と考える方もいるかもしれません。

投資初心者の方でいきなり彼らの投資アドバイザリーサービスを利用するという方はあまりいないかもしれませんが、今後のために少しだけお話しさせていただきます。

まず結論から先にお伝えすると、少なくとも投資初心者の方がこれらのサービスを利用してアクティブ運用の商品に投資することは避けたほうが無難だということです。

つまり、そのような難しいことはせず、手数料が安くて流動性も高いETFを買っておくほうがおススメであるということです。

彼らの中にはアクティブ運用の商品を積極的にポートフォリオに組み込んでの運用を推奨してくる人がいます。

そして彼らに商品の選択について一任すれば、高い報酬を支払うか、あるいは高い手数料の商品を購入することになります。

もちろん、こういった投資のアドバイザリーサービスを提供する方の中には非常に優秀な方もいます。

彼らの中には報酬以上の成績を上げるポートフォリオ構築を可能にする投資アドバイスをする方もいるかもしれません。

しかし、実際にはその高い報酬や商品にかかっている高い手数料がファンドの成績に見合っていない、つまり運用成績の方が手数料に負けていることのほうが大半だと思います。

これはマーケットが右肩上がりで上昇している時には気が付きにくいことかもしれません。

しかし、ひとたびマーケットが不安定になったり、大きく下落した際には報酬や手数料の高さが仇となってしまうことに気づかされるでしょう。

彼らは相談料やアドバイザリーフィーをもらうか、あるいは商品に高い手数料が設定されていてその手数料の一部を販売元からキックバックという形でもらっています。

これは証券会社や保険会社に社員として属するファイナンシャル・プランナーやファイナンシャル・アドバイザーが歩合給としてもらっていることはもちろん、投資顧問やIFAと呼ばれる独立系のファイナンシャル・アドバイザーも何かしらの報酬を得ている状況といえます。

つまり、投資家が払う高いフィーや彼らの報酬の源泉となる商品に課された高い手数料は投資商品から発生するリターンを大きく奪うことになります。

よって、その方の手腕によほど惚れ込んでいたり、リスクを最大限にとってでも、そのような方に委ねたいという場合でなければ、避けたほうが無難と言えるのです。

まとめ

今回の記事では、パッシブ運用とアクティブ運用の商品の違いや選び方を中心にご紹介してきました。

しかし、ここでお伝えしたことはあくまで参考程度と考えていただき、実際に自己資金を投じる際にはよく情報を集めて研究していただきたいと思います。

金融商品も投資なのでリスクはつきものですし、絶対はありえません。

自分が許容できるリスクのレベルをよく考えた上で始めてみてください。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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