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ネガティブスクリーンを活用した社会的責任投資とは?SRIについて解説

投資の本質とは、投資をする事で企業が成長し発展する事です。

ここ数年、この本質から一歩進んだ考え方である社会的責任投資への注目が世界的に高まっており、日本でも重要視されるようになっています。

しかし、社会的責任投資は考え方や企業の選定方法が曖昧で、投資を始めたばかりの方には難しい投資方法となります。

そこで今回は、社会的責任投資についての解説をします。

社会的責任投資において、最初に覚えておくべきネガティブスクリーンとは何なのか。

対義語となっているポジティブスクリーンやソーシャルスクリーンについても解説をします。ぜひ、最後までご覧ください。

ネガティブスクリーンとは

ネガティブスクリーンとは、社会的・環境的に悪影響を与えやすい産業・企業を投資対象から除外する投資の選定方法になります。

例えば、タバコやアルコール、ギャンブルなどを主要としている産業・企業が排除されます。

社会的責任投資の定義の1つで、ネガティブスクリーンの対義語はポジティブスクリーンとなり、意味としては環境問題に積極的に取り組んでいたり、LGBTを差別せずに扱う企業を中心に投資先を決定する選定方法となります。

社会的責任投資とは

社会的責任投資とは、世界をより良くするという目的のために行う投資になります。

SRIと略され、起源は1920年代のアメリカまで遡ります。当時のアメリカは第1次世界大戦を経て新しい時代をけん引するリーダーとして、経済・技術・文化の面で躍進を遂げました。

特に大量生産・大量消費による経済の向上は著しく、多くの個人投資家が躍進した時代です。

そんな時代の過渡期に誕生したSRIは、当初はアメリカの宗教的倫理観が強く影響を与えており、アルコールやタバコなどの企業に運用しないという投資方法でした。

これがネガティブスクリーンの始まりと言われています。

その後、SRIはネガティブスクリーンだけを重視するのではなく、投資を通じて世界をより良くしようとする目的を掲げる様になりました。

利益を得る事ばかりを重視するのではなく、企業が社会に貢献する活動を手助けしようという考え方です。

SRIの分類方法

社会的責任投資の定義や分類は細かい部分は個々人で違いますが、概ね3つに分類されます。

ソーシャルスクリーンによる選定

ソーシャルスクリーンとは、社会的責任を果たしている企業を選定する方法になります。

ネガティブスクリーンとポジティブスクリーンは、ソーシャルスクリーンの区分の1つになります。

ネガティブスクリーンは上記でも触れた様に、社会的に批判されやすいタバコやアルコール、ギャンブルなどの産業・企業を投資先から外す選定方法になります。

一方でポジティブスクリーンとは、企業が自発的に行っている活動を評価し、その評価に基づいて投資先を選定する方法となります。

社会的責任投資においてソーシャルスクリーンとは、社会に対して貢献しようとしている企業を中心に投資をしようという手法になります。

株主行動を重要視する企業への投資

株式を購入して株主となると、企業の経営陣に対して対話を求めたり、議決権の行使が可能となります。

議決権の行使と聞くとドラマなどに出てくる株主と経営陣のやり取りを連想するかもしれませんが、ここでの株主行動と意味合いが違います。

というのも、アメリカでは経営陣が株主の意見を日常的に聞けて、なおかつ意見を交換しやすい風潮となっています。

日本だと株主になっても配当金や売買益ばかりが重視されて、株主の権利が行使されにくいです。

社会的責任投資において、株主の意見や対話を重要視して、柔軟に対応できる企業に対して投資を集中させようという手法があるのです。

コミュニティ投資

コミュニティ投資とは、経済的・社会的にひっ迫している集団を投資で支援しようとする活動になります。

日本だとまだ一般的ではありませんが、アメリカでは貧困地域を中心に通常の金融機関だと融資しない低所得者たちを支援する投資団体が幾つもあります。

募金活動や寄付金とは違い、投資のため将来的に何らかの形でリターンが返ってくるのを目的としていますが、お金が無くて大学に通えない学生や貧困のため子供を育てられない親の手助けをしています。

企業を対象にするのではなく、貧困地域に属する集団を纏めて支援する投資方法になっているのが特徴です。

世界でのSRI市場の推移

世界規模でSRI市場を見てみると、拡大傾向にあります。

SRI業界団体等の連合体であるGSIAの発表によると、2014年から2018年にかけてSRI市場規模は60%も上昇し、約30兆米ドルに達しました。

ヨーロッパが全体の半分近くを占めており、次いでアメリカが約40%、残りをカナダ・オーストラリア・日本が占めています。

日本の市場規模は2014年時点だと70億米ドルと、全体の1%にも届いておりませんでした。

しかし、2018年には約2兆米ドルに達し、ヨーロッパ、アメリカに次いで第3位の市場規模へと成長しました。

まだ市場規模としてはヨーロッパ・アメリカには及びませんが、SRI市場はこれからの日本経済に大きな影響を与えると予想されており、注目を集めています。

参照:日興リサーリセンター

ソーシャルスクリーンを重要視するメリット

社会的責任投資が世界中で広まれば、個人投資家たちの資産は社会を良くしようとする企業に集中しやすくなります。

つまり、社会的責任投資の分類や定義を理解していれば株価の上がりやすい企業を探しやすくなります。

日本だと社会的責任投資の「株式行動を重要視する企業」や「コミュニティ投資」への理解度は低いため、ソーシャルスクリーンが重要視されています。

ネガティブスクリーンによって排除された企業は人気・価値が低くなり、ポジティブスクリーンによって上位に選出された企業に人気が集まりやすくなり、株価も上昇しやすくなります。

証券会社によってはSRIを重視したファンドも設立しており、一定の実績を上げています。

まとめ

以上が、社会的責任投資の解説になります。

社会的責任投資は利益を上げる事を第一に考えてはいませんが、社会をより良くしようという目的が定まっています。

もし、投資を始める時に投資先で迷っていたら社会的責任投資に参加してみましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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