The Motley Fool

ヘッジファンドの決算が市場に与える影響。個人投資家はどうするべきか

株価が暴落した時は、よくヘッジファンドが売りを浴びせているからとか、外人売りが多いとか言われることが多いですが、本当でしょうか。

国内の株式の6割とか7割を外国人投資家が持っていると言われている現在の日本の株式市場で、ヘッジファンドはどのような役割をしているのでしょうか。

ここでは、ヘッジファンドの決算が株式市場に与える影響について考えてみましょう。

ヘッジファンドとは

ヘッジファンドとは、さまざまな取引手法を駆使して株価が上がった場合でも下がった場合でも、利益を追求することを目的としたファンドです。

ヘッジは「避ける」という意味で、相場が下がったときの資産の目減りを避けるといったところからきています。

普通の投資信託は、相場が一方向に動いたときのみ利益が出る場合がほとんどです。

これに対して、ヘッジファンドは、先物取引や信用取引などを積極的に活用することで、相場の上げ下げに関係なく利益を得ます。

リスクヘッジしながらも積極的な短期の運用を基本としています。

ヘッジファンドの決算

日本の企業は、9月が中間決算で3月が期末決算という場合が多いですが、ヘッジファンドの会社はほとんどが欧米の金融機関なので、6月と12月が決算日になる場合が多いようです。

ヘッジファンドの会社のすべてのファンドが必ずしも6月と12月決算の物ばかりとは限りませんが、ヘッジファンドの顧客の中心は欧米の金融機関や大企業などで、これらの金融機関、企業はだいたい決算期が6月、12月になっています。

このため、ヘッジファンドの会社もそれに合わせている場合が多いようです。

決算の影響

5月と11月はヘッジファンドの決算が6月と12月にあるので、その前に多量の利益確定の売りを出すため株価は大きく下がると巷ではよく言われています。

これは、半分くらい正しく、半分くらいは間違っています。

ヘッジファンドで成功報酬を計算する時は、通常の投資信託などとは異なり、ポジションを全部解消する必要はありません。

それは、成功報酬の計算が実現損益ではなく、評価損益に基づいてなされているからです。

ではなぜ、5月と11月には、特別に理由もないのに株価が大きく下がる場合が多いのでしょうか。

株式投資を長い間やっている人は、「セルインメイ」と言って5月には大きく株価が下がることや11月にも年末を前に大きく下がることが多いことはよく知っていることと思います。

株価の上下にいちいち理由を探すのは、それほど意味がある行動とは思えませんが、あまりに頻繁に同じことが起こる場合は、何か原因があると考えるのが普通でしょう。

実は、ヘッジファンドには、「45日ルール」というのがありまして、これが主な原因ではないかと言われています。

「45日ルール」

このルールというのは、「ヘッジファンドに解約を申し込むときには、決算日の45日前までにしなければならない」というルールです。

ヘッジファンドと言えども、他人のお金を預かって運用していますので、成績が良い場合は問題ありませんが、成績が良くない時は、解約の申し込みが殺到します。

ヘッジファンドの客は、成功報酬の時の支払いが高いので、特に成績が落ちた時の顧客からの評価も厳しいものがあります。

ヘッジファンド側では、どのくらいの解約があるのか事前にはわかりませんので、決算日の45日前までには多量の現金を用意しておく必要があります。

現金がショートしたら、ヘッジファンドは解体になりますから、売りたくないような株式も多量に売らざるを得ない訳です。

特に最近のような不安定な経済状況では、ヘッジファンドといえども良い成績を上げることは難しいでしょうから、解約も増えると予想され、それだけ株価の低下も大きくなるのでしょう。

個人投資家はどうすべきか

最強で、とても太刀打ちできないヘッジファンドにも意外な弱点があることを知り、少しは安心されたでしょうか。

結局、他人のお金を預かり運用するということは、大きな責任を伴い、同時に大きな緊張を常に強いられることになるわけです。

それに比べれば、個人投資家は、何という自由な環境でしょうか。

では、個人投資家はこのような5月や11月の株価の暴落時期をどのようにして過ごせば良いのでしょうか。

答えはとても簡単です。

自分の持っている銘柄が、来期の利益は十分に得られるか、フリーキャシュフローは潤沢か、その割にPERやPBRは低くなっているか、などを十分に吟味することです。

長期的には、株価は会社の業績に依存していきます、経済の原則は変わりません。

要するに個人投資家は、やることはやって、あとはのんびり事の次第を見ていればいいのです。

長期投資家は、日々の変動に一喜一憂してはいけません。

最後に

株価の毎日の上下についていろいろ解釈をしたがる人が多いですが、その説明がいつも正しいとは限りません。

それどころか、かなり滑稽な理由をニュースなどで言っている場合も多く見られます。

正確な理由は、本当のところ誰にもわからないものです。

そのようなことを考えるよりは、良い銘柄を発掘するか、1、2ヶ月の間、株式市場を忘れてテニスやサッカーに関心を向けた方が良いのかもしれません。

株価の日々の変動は、ランダムウォークですが、長期的には、会社の業績に従って良くもなり、悪くもなります。それが、経済の原則です。


フリーレポート配信

モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて無料で「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

また、テクノロジー分野に投資したい投資家として知っておくべき情報も無料で配信しております。「人工知能というテクノロジーの「第三の波」が、日本の年間GDP以上の付加価値を生み出す」こちらからご覧ください。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。

記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

最新記事