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株のメルトアップ・メルトダウンとは?それぞれのリスクに注意しよう

今回はメルトアップ・メルトダウンについて解説します。

株価が大きく下がるメルトダウンだけでなく、メルトアップにも気をつける必要があります。

どのような相場環境で注意が必要になるのか見ていきましょう。

メルトアップとは

メルトアップとは、国や企業などの経済状況を表すファンダメンタルズが 変わらないのに、ある資産クラスに突然買い殺到し、想定外で大幅なパフォーマンスの改善が生まれる現象です。

株式市場でいうと、通常では考えられない理由で株式投資が盛んになり、劇的な株高が起こることを意味します。

メルトダウンとは

一方、メルトダウンとは危機的な状況のことです。

主に100年に1度と言われたリーマンショックのような大きな金融危機のことを意味します。

似たような考え方に「ブラックスワン」があります。

ブラックスワンとは

ブラックスワンとは、市場において事前にほとんど予想できない出来事で、起きたときの衝撃が大きい事象のことです。

元ヘッジファンドマネージャーのナシーム・ニコラス・タレブが2006年に発行した「ブラックスワン(THE BLACK SWAN)」 で説明する考え方をブラックスワン理論といいます。

従来、すべての白鳥(スワン)は白色と信じられていましたが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく覆されました。

これにちなんで、確率論やこれまでの知識や経験では予測できない極端な事象が発生し、それが人々に多大な影響を与えることを総称して「ブラックスワン」と呼ぶようになったのです。

近年の例としては、2008年のリーマンショック、2016年6月のイギリスの EU 離脱、同12月のアメリカトランプ大統領当選などが挙げられます。

ヘッジファンドの中には 、ブラックスワン理論にもとづいて投資戦略を行うファンドもあります。

フラッシュクラッシュとは

大幅な株価の暴落など危機的状況(メルトダウン)は、ブラックスワン理論として有名になりましたが、近年ではコンピューターシステムやAI(人工知能)の発達により、短期間で瞬間的に値が飛ぶ暴落が頻繁に起こるようになりました。

これを「フラッシュクラッシュ」と呼びます。

2019年1月3日の早朝にも為替市場でフラッシュクラッシュが起こりました。

この日はシドニー市場で取引が行われていましたが、日本市場が休みということもあり、取引量が少なく流動性が著しく低下した状態でした。

それまで108円台で推移していたドル円は一気に104円台へ突入。

豪ドルも76円割れから一気に71円台になりました。

このような大幅な下落は市場が完全にコンピューター化されているために起こります。

市場のコンピューター化によって値動きは明らかに変化しました。

ただ、コンピューター化によって一般の人も市場に容易に参加することができるようになり、市場の厚みが増すというメリットもあります。

通常、市場の厚みが増すとマーケットの値動き(変動率)は低下しますが、一旦崩れるとAIやコンピューターの判断により瞬時に大きく動くようになってしまったのです。

メルトアップ・メルトダウンとはボラティリティが高い状態

メルトアップは株式市場で買いが殺到し、予想外の上昇のことです。

また、メルトダウンは暴落などで想定外の株価下落を意味します。これはつまりボラティリティが高い状態を示しています。

ボラティリティとは、株価の変動割合を表す言葉です。

「ボラティリティが高い」という場合は株価の価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティが低い」という場合は株価の価格変動が小さいことを意味します。

一般的にボラティリティが高まるのは、リーマンショックのような金融危機の時です。

しかしポジティブなボラティリティ上昇、つまりメルトアップでもボラティリティが大きくなることがあるのです。

上げ相場最終局面のメルトアップに注意

とくに注意が必要なのは、長期的な値上がり後のメルトアップ。

この場合は上げ相場の最終局面になっている可能性があるからです。

PERやPBRなどのファンダメンタルズから見て株価がかなり割高にもかかわらず、乗り遅れまいとする投資家が殺到するなどして、劇的に株価のパフォーマンスが改善している状況です。

このような時はしばしばメルトダウンの前兆となります。

相場格言として「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という言葉があります。

これは、アメリカの著名投資家ジョン・テンプルトン氏の言葉です。

強気相場の最終局面では市場が総じて強気になり、投資家は幸福感に浸っている状態。

そのような時にメルトアップが起きた場合は、上昇相場が終わることが多いのです。

まとめ

今回は株式市場におけるメルトアップとメルトダウンについて解説しました。

一般に大暴落など危機的状況を意味するメルトダウンの方が印象に残りますが、メルトアップにも注意する必要があります。

相場の最終局面では、ファンダメンタルズで説明できないぐらいに買い上げられることがあるからです。

そのような時は相場の最終局面で、メルトダウンが起こる可能性が高まります。

現在の相場状況がどのようなステージにあるのかを考えながら投資を行うようにしましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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