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【米国株動向】ウーバーイーツに過度な期待は禁物か

モトリーフール米国本社、2019年6月23日投稿記事より

ライドシェアリング(配車サービス)大手のウーバーテクノロジーズ(NYSE:UBER)の投資家は、低調なIPO(新規株式公開)、売上高成長の減速などを受け、唯一の好材料である急成長中の食事宅配事業のウーバーイーツに大きな期待を寄せています。

【米国個別株動向】ウーバーのIPO、低調な滑り出し

しかし、冷静にデータを見てみると、ウーバーイーツの実際の成長率および事業のポテンシャルはそれほど大きくないと考えられ、本業のライドシェアリングに取って代わる可能性は低いとみられます。

ウーバーに対して強気のアナリストは、2016年にスタートしたウーバーイーツが急速な成長を続けてきたことから、今後かなりの利益貢献部門になるのでは、と期待しています。

しかし、この見方には多くの問題があります。

以下で述べるように、第一にウーバーイーツの実際のビジネスは、昨年の増収率149%に反映されているほど強くないとみられます。

第二に、食事宅配の市場規模はライドシェアリングの市場規模よりはるかに小さいと予想されます。

ウーバーが現在の時価総額約745億ドルに見合ったビジネスを展開し、成長軌道を継続させるためには、本業のライドシェアリングで確固たる戦略を実行する必要があります。

ウーバーイーツの売上は差し引いて考える必要あり

ウーバーイーツの昨年の売上は14億6,000万ドルで、2019年第1四半期の売上は5億3,600万ドル、前年同期比89%増でした。

しかし、これらの数字はウーバーの事業成長への影響を正確に反映していません。

ウーバーイーツの売上から、ドライバーへの過度なインセンティブを差し引くと、実際の売上はかなり小さくなります。第1四半期の調整後純売上は、31%増の2億3,900万ドル足らずであり、増収率は調整前の半分以下です。

2018年第4四半期の調整後売上の増収率はもっと低くて11.5%に過ぎませんでした。つまり、ウーバーイーツの驚異的な増収の大半は、顧客からレストランやドライバーに渡っていたのであり、ウーバーの手元に残っていなかったのです。

つまり、ウーバーイーツの売上は急速に伸びていますが、ウーバーへの利益貢献の度合いは低下しています。

ウーバーは、長期戦略のために当面はドライバーへの大きなインセンティブが必要としていますが、食事宅配市場の競争激化により、インセンティブをやめることが困難になっているとみられます。

ウーバーイーツは厳しい競争に直面しており、調査会社セカンド・メジャーによれば、米国では昨年10月、新興企業ドアダッシュの市場シェアが29%となり、ウーバーイーツの22%を上回りました。

業界最大手のグラブハブ(NYSE:GRUB)のシェアは32%で安定しています。

なお、ドアダッシュの急成長の背景にはソフトバンクの出資がありますが、ソフトバンクはウーバーにも出資しています。

食事宅配市場はシェア争いのために混戦状態になっていて、企業は広告やドライバーへのインセンティブに多額の費用を投じています。

食事宅配ビジネスには参入障壁がないため、利益があがりにくくなっています。

メインディッシュにはなり得ず

投資家は、ライドシェアリングの技術や事業基盤をウーバーイーツに活用できると期待していて、ウーバーもIPO目論見書でそのように言及していました。

しかし、ライドシェアリング事業と比較すると食事宅配ビジネスは今後も小規模で推移するとみられます。

ウーバー自身も、ライドシェアリングの関連市場規模が2.5兆ドルに対して、食事宅配の関連市場規模を7,950億ドルと予想しています。

さらに、既に時価総額が750億ドル程度のレンジに上がっているウーバーに対して、ウーバーイーツのさらなる貢献は望みにくいと考えられます。

食事宅配市場リーダーのグラブハブの時価総額ですら65億ドル程度であり、急速に成長しているドアダッシュでも時価総額は126億ドルとみられます。

結局、ウーバーの将来の成否はライドシェアリング事業にかかっているのであり、それはウーバーイーツ、ウーバーフレイト(貨物運送トラックの配車サービス)や野心的な将来のビジネス(空飛ぶ車など)ではありません。

第1四半期にライドシェアリング事業の増収率が9%に低下しており10億ドル以上の赤字を出していることに注意が必要です。

ウーバーは、長期的な成功のために主力のライドシェアリング事業を見直す必要があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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元記事の筆者Jeremy Bowmanは、スターバックス株を保有しています。モトリーフール社は、スターバックス株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、グラブハブ株、ソフトバンクグループ株、ウーバーテクノロジーズ株を推奨しています。

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