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海外に移住・赴任・留学するときは、税理士・税務署・金融機関に相談しましょう

海外に移住・赴任・留学することも今では珍しいことではありません。

海外に転居する人の中には、金融取引をしている人もたくさんいるのではないでしょうか。

海外転居時にしておかなければいけないのが、自分の証券口座や含み益と税金への対処です。

例えば、1億円以上の含み益がある人が国外に転居する場合は、国外転出時課税制度があるため含み益に対して課税されます。

また金融機関によっては、海外に転居する場合は口座を閉じなければいけないところもあります。

転居する年度内に利益確定した場合にも注意が必要です。

そこで本記事では海外に転居する際に気をつけておきたいポイントについてご紹介します。

国外に転出するときに1億円以上の含み益は課税対象に

一番気をつけたいのが国外に転出予定がある人で、1億円以上の含み益があるケースです。

国外に転出するときに1億円以上の含み益がある場合、含み益に対して課税されるようになりました。

そのため大きな含み益を維持したまま国外に転居する可能性がある人は、最寄の税務署か税理士に相談したほうが良いでしょう。

国外転出時課税制度で国外にでる富裕層の含み益が課税対象に

2015年に施行された国外転出課税制度ができた当初、国外に移住する富裕層に対する「出国税」ではないかということで話題になりました。

日本を除くG7でも既に同様の課税制度は導入されているため日本だけが特別ではありません。

国外転出時課税制度では海外に転居する場合、含み益に対し所得税と復興特別所得税が課税されます。

出国時に対象資産を1億円以上保有していると課税対象に

国税庁によると以下の条件の日本の居住者が課税対象となります。

  1. 所有等している対象資産の価額の合計が1億円以上であること。
  2.  原則として国外転出をする日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有していること。

有価証券(株式、投資信託等)、匿名組合契約の出資の持分、未決済の信用取引・発行日取引・デリバティブ取引が国外転出時課税の対象資産となります。

企業に勤めて海外赴任をする場合でも課税対象になるので注意が必要です。

納税猶予をすることもできますが、納税管理人を届出、申告期限までに担保を提供するなどの手続きが必要となるため、含み益が1億円を超える場合で海外赴任・留学などをする機会があった場合、税務署や税理士に相談するのが確実です。

インデックスの積立投資で、例えば1億円以上の含み益がある状態で海外赴任をすることになった場合、数年後に帰国する予定があるにも関わらず課税されてしまいます。

そのときに納める税金をキャッシュで持っていない場合などでは、納税猶予の制度などを使い赴任している間、税の支払いを免除するなどの対策を考える必要があるでしょう。

また5年以内に国外転出後に再び日本居住者になった場合は、更正の請求などの一定の手続きを要件に課税が取り消され、納税額が還付されます。

国外転出時課税制度ができた背景

世界のインデックスETFを積立続け、含み益を海外に移住した後に、税金のない国または安い国で利益確定する投資法が話題になったことがあります。

国外転出時課税制度がないときならば、日本で積みあげた含み益をいわゆるタックスヘイブンに移住した後に、現地の低い税率の国で納税することにより、手元に利益を多く残せるのではないかと考えた人もいたことでしょう。

しかし、そのような租税回避のスキームが一般的にも知られるようになり、世界的にも富裕層の課税逃れが問題になっていました。

そのような背景から国外転出時課税制度が生まれました。

国外転出時の自分の口座と税金の手続き

国外転出時に1億円の含み益がなくとも、国外転居時に株投資をしている人は、年度途中の確定申告や口座を閉じなければいけないのか、そのままにしても良いのかなどの確認をする必要があります。

例えば特定口座ではなく普段一般口座で取引をしている人など、国外に転居する際に年度途中に利益確定した分の確定申告など忙しくて忘れがちです。

十分に注意する必要があります。

海外に転居する年の年度途中の確定申告

海外に転居する場合は、所得税はその年の1月1日から出国日までの日本国内から生じる一定の「国内源泉所得」に対して課税されます。

申告方法は大きく分けると2種類あります。

  • 出国の日までに納税管理人の届出を提出し翌年の2月16日から3月15日までに申告
  • 納税管理人を選定せずに出国の日までに当年度の確定申告を提出する

ただし、転居後も日本で不動産収入などがある場合は、納税管理人を指定して確定申告をする必要があるなど気をつけないといけない点もあります。

海外に行くことが急遽決まった場合、年度途中の確定申告や納税管理人の届出などの手続きをしないまま転居してしまうことがないように注意しましょう。

海外に転居する際は口座を閉じなければいけないかどうかに注意

日本の金融機関の中には海外に住所を変更をする際には、口座を解約しなければいけないところも珍しくありません。

また海外への住所変更後に利用可能であったとしても、機能の一部が制限されてしまうこともあります。

例えばマネックス証券の場合は海外勤務等で長期間出国する場合は口座解約が必要だとされています。

そして、もしも保有残高などを売却できないなどの事情がある場合には、休眠口座として残しておくことができます。

証券会社だけではなく銀行などでも対応が異るため個別で相談するのが確実です。

金融機関によって対応は異なるため、ネットの情報だけで判断せずに直接コールセンターに問い合わせをして相談してみることで、あなたの事情に配慮した対応してもらえるかもしれません。

海外に転居する際は税務署・税理士に相談した方が安心

海外に転居する際には結局のところ最寄り税務署・税理士に相談することが確実です。

それぞれに個別具体的な事情があるため結局のところ、個別的に対応していく必要があります。

例えば日本で不動産などがある場合は、納税管理人を立てなければいけないなど個別的な対応が必要だからです。

一番、良くないのは自分自身の主観で判断してしまうことです。

何も知らずに、何もやらずに年度途中の確定申告なども怠った場合は、追徴課税などの可能性もありえます。

海外赴任や転勤などをすることになったら、以下の2点を必ず行うことが大切です。

  • 税務署・税理士に相談する
  • 契約している金融機関に海外に転居する旨を相談する

自分の判断で何もしないなどの対応をとってしまうと、後々大きなトラブルの元になる可能性があります。

特に海外が絡むお金の動きは、国税庁や税理士大学校などの媒体をみる限りでは注目されやすいところです。

だからこそ税務署、税理士に相談することが確実です。

金融取引の口座の扱いも後々にトラブルになりかねないので、海外転居前に取引先の金融機関とじっくりと相談しておきましょう。

海外転居後も株取引を続けたい場合は、海外の金融機関の利用なども検討しなければいけないケースもあるかもしれません。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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